「メデューサ・デラックス」
を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
年に1度のヘアコンテスト当日、優勝候補とされていた美容師モスカが変死した。担当するモデルが席を外したわずか数分の間に、頭皮を切り取られた状態で死んでいたのだ。会場にいたのは、モスカのライバルである3人の美容師と、それぞれが担当する4人のモデルたち。さらにコンテスト主催者やモスカの恋人、警備員を巻き込みながら、会場内では事件や人間関係にまつわる噂話が囁かれ始める。
というお話です。
年に一度のヘアコンテスト。イギリスでの開催直前、優勝候補と目されていた美容師モスカが変死を遂げた。奇妙にも頭皮を切り取られた姿で発見されたのだ。彼は、コンテストの用意をしていたが、担当するモデルが席を外した数分の間に亡くなったらしい。ただ、亡くなったのではなく、何故か、頭皮が切り取られていた。
会場に集まっていたのは、今年こそ優勝すると誓って準備を進めていた美容師3人(クリーヴ、ケンドラ、ディヴァイン)とモデルたち4人(アンジー、イネス、エッツィ、ティンバ)。モスカの担当モデルは、ティンバだった。さらに主催者・レネや恋人・アンヘル、警備員のギャックやパトリシオを巻き込みながら、事件や人間関係に関する噂をひそひそと囁きはじめる。
主催者のレネは、モスカと付き合っていたが別れ、その後、モスカはアンヘルと付き合っていた。アンヘルは、まだ会場に着いておらず、レネは急いでくるようにとアンヘルに電話をする。モデルたちは、美容師たちの誰が優勝するはずだったのかを予想しあいながら、誰が殺したのかを話し始める。
エッツィは、ケンドラがレネと取引をして優勝を買っていたことを知り、今年有力とみられていたモスカがじゃまだったのではないかと、ケンドラを疑う。ケンドラは、モスカが死んでも何の興味も示さない。クリーヴは精神的に不安定で激怒しやすく、以前にモスカと揉めて暴力沙汰になったこともある。
警備員のギャッグは、何故か女子トイレにペーパータオルを何度も借りに来て、血の付いた自分のロッカーを拭いていた。彼は挙動不審で、美容師やモデルは、あの人誰?と疑い始める。誰もが疑わしいが、モスカの頭皮が剥がれていたことは解っていても、死因は解っていない。ヘアコンテスト会場に足止めされた彼らは、どうなるのか。後は、映画を観てくださいね。
この映画、モスカという美容師が死んだという情報は入ってくるけど、死体の映像も無いし、検死をしている場面も無く、警察も遠くにライトや影はあっても、出てこないんです。出てくるのは、コンテストの関係者だけ。その彼らが、モスカがどうして死んだのかと言う事を、疑って行くというお話なんです。
なので、あの人が恨んでいたから殺したんじゃないかとか、あの時間に見てないのはあの人だとか、そんな憶測だけで話が進んでいくんです。殺されたなんて、警察は言っていないのに、どんどん話が変わっていくんです。謎の人物も出て来て、追いかけまわしたりして、大騒ぎ。
モスカの恋人であるアンヘルは、会場に着くなり、レネから死んだことを聞かされ動揺して大泣きし、連れてきた赤ちゃんの面倒が見れずに、イネスやディヴァイン、ケンドラに預けたりして、なんだか、もう、わちゃわちゃするんですけど、そんな中でも、しっかりと、モスカがどうして亡くなったのかという究明は続いていて、最後には、どうして亡くなったのか、何故、頭皮が剥がされているのかということが解ります。
華やかな美容業界のヘアコンテストなので、カラフルで奇想天外なデザインのヘアスタイルに、モデルの頭が仕上がって行きます。昔のマリーアントワネットみたいに、頭に船が乗っていたり、重くて大変でしょって言う感じの頭が、バンバン出てきます。
ヘアスタイリストのユージン・スレイマンという有名な方が担当したそうです。彼は、ルイ・ヴィトンやランバンなどなどのランウェイヘアと手がけているそうで、奇抜なヘアスタイルが、この映画でも沢山観れます。派手なんだけど、まるで芸術品のように美しくて、つい、見とれてしまうほどでした。
美容師やモデル、関係者の噂が、建物内をうねるように伝わって行き、噂に欲望や嘘が混ざっていくので、どんどん邪悪な話になっていくんです。まるで、メデゥーサの頭の蛇のようにということで、この題名に繋がるようなことが、公式HPに記載してありましたが、実は、最後の最後まで観ると、この「メデゥーサ」の意味が解ります。うねる噂以外に、もう一つ、引っ掛けてあるんです。そうだったのかと、納得しました。
人の噂って、どんどん膨らみますよね。もちろん、この映画では、警察は出てこないけど、捜査をしているので、現実が曲がることはありません。それに、犯人がいれば逮捕されるし、何をやったのかも調査はされます。でも、恐いのは、周りがワザと誘導して、罪を無かった事にしてしまったりすることです。罪は罪として裁かれるべきだし、本当の事は、必ず神が見ているんです。
この映画でも、ディヴァインが神を近くに感じていると言っていて、何故か、最後の方で、ステージで賛美歌をみんなで歌い出す場面があるんだけど、この神に歌うということは、たとえ、法的に罪が問えないとしても、神は見ているのだと言う事を言っているんだと思うんです。
例えば、海外のスターで、ドラッグのやり過ぎで亡くなったりする方がいるでしょ。もちろん、自分で飲んでいるのが悪いんだけど、じゃぁ、ドラッグを売った人や、作った人はどうなのよって事なんです。殺人罪には問えないけど、その人たちのせいでもあるよね。でも、現行犯でないと逮捕は出来ない。でも、きっと神様は見ているから、天罰が下るということなんです。
何に対しても、犯罪じゃないから、現場を見つかってないからいいでしょっていうのは、間違ってるんです。性犯罪でも、見て見ない振りをしたのは、本当は共謀罪なんです。逃れたとしても天罰が下りますよ。
そんな事を考えた映画でした。いやぁ、建物の中の映像はコンクリートという感じだけど、その中に、美しくカラフルなヘアーやドレスが、舞って行くので、そのアンバランスさが、素敵なんです。色は多いんだけど、トーンを合わせていたりするので、全く嫌な気がしません。本当に美しいです。ヘアデザインや服飾系の方は、ぜひ観るべきだと思いました。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。それぞれの人物の特徴を覚えて、立ち位置を確認しながら観た方が解りやすいと思います。なので、観に行く前に、公式HPの相関図を見てから行った方が、より解りやすいとかな。そうすると、理解が深まり、楽しめると思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「メドゥーサ・デラックス」