「スイート・マイホーム」怖いホラーだけど、やっぱり一番怖いのは人間よね。人間の心が怖いです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「スイート・マイホーム」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

スポーツインストラクターの清沢賢二は、愛する妻と幼い娘のために念願の一軒家を購入する。地下の巨大な暖房設備により、家全体を温めるその家は、「まほうの家」の呼び名の通り、冬は寒冷な長野県では理想的な物件だった。マイホームでの幸せな生活をスタートさせた清沢一家だったが、その幸せはある不可解な出来事をきっかけに恐怖へと転じていく。

というお話です。

 

 

極寒の地・長野県に住むスポーツインストラクターの清沢賢二は、愛する妻と幼い娘たちのために念願の一軒家を手に入れる。土地を購入し、ある住宅メーカーに“まほうの家”と謳われる住宅を建設して貰ったのだ。地下には、巨大な暖房設備があり、高気密高断熱の全館空調となっており、家の内部全体を温めてくれるという。

土地を手に入れ建築が終り、引渡しまでに2~3年はかかり、子供も2人目が生まれた。時間はかかったが、理想のマイホームを手に入れ、充実を噛みしめながら新居生活をスタートさせた清沢一家。だが、その温かい幸せは、ある不可解な出来事をきっかけに身の毛立つ恐怖へと転じていく。



 

新居が出来て、ひとみの友人が子供を連れて遊びに来たのだが、”お化けがいる”と子供が言い出し、遊びに来なくなってしまった。賢二の兄・聡が遊びに来た時も、”アイツがこの家の何処にでもいる。”と言い出した。しかし賢二には何も見えない。

その内、ひとみが何かがいると怖がりだしてしまう。同じ頃、賢二が以前に遊び心で不倫をしていた女性の所に脅迫メールが届きだし、家を建築した住宅メーカーの営業が殺されて見つかる。賢二と家族の周りでおかしなことが起き始め、真相を突き止めようとする賢二が辿り着いた真実とは。後は、映画を観てくださいね。



 

いやぁ、ゾッとする映画でした。ネタバレ出来ないからあまり書けませんが、建てた家が悪い訳じゃないからね。関係者に悪い人間がいたとは思うけど、家は悪くないんです。高気密高断熱で、全館空調でしょ。温かいし省エネで、建築費は高かっただろうけど、よく出来ている家でした。ただ、地下の空調機は大きくてうるさかったですね。あれほど大きい音が出たら苦情が来るので、まず、あんな大きくてうるさいのは着けないです。映画だから、印象的にしたのだと思いますが。

 

ある年齢になったら、家が欲しいと皆さん思うと思うんです。大きな買物ですし、失敗したらもう一度って訳に行かないし、簡単に出来る事じゃないですよね。だから、凄く慎重になると思うんです。でも、必死だからこそ、周りが見えなくなるという事もあるのだと思います。地方都市だと、戸建が良いのかな?都心だと、マンションの方が買い替えの時に売りやすいですけどね。

 

 

戸建は、出来ればオーソドックスなプランにした方が、もしもの時に売りやすいです。あまり思い入れを入れてしまうと、売ろうとするときに売れません。これ何なの?という部分があったりすると気持ち悪いでしょ。自分が買おうと思った時に、不思議な空間がある家とか、何に使っていたんだろうと思うと、恐くて買えないですもんね。

 

映画では、広い床下収納庫があり、そこに空調機が収納されているのですが、何故か照明器具が付いていないんです。1階床面積の1/2までは作れるので、目一杯収納庫にしたんだと思うけど、通常は照明を付けます。危ないですからね。

 

 

そして小屋裏空間も広く取ってあるのですが、ここが問題なんだよなぁ。高気密高断熱の全館空調にしたら、小屋裏収納なんて勿体ないでしょ。だって、小屋裏収納まで暖かくしちゃうんだから。それなら、ロフトにするか、吹き抜けにするのが一般的です。収納なんて暖める必要は無いですからね。そこがおかしいと、設計の時に気がつけば、問題が起こらなかったような気がします。

 

そんな家に人が遊びに来ると、何かがいると言って、二度と来なくなります。賢二の兄・聡だけは、不穏な空気を感じて、弟を守るために来てくれるんです。聡は、子供の頃に父親から虐待を受けたせいで、引き籠りというか、ちょっと精神的に病んでいるのですが、鋭い感覚を持っていて、変化などをとても敏感に感じ取ります。なので、誰よりも先に、その家の変化というか、おかしな気配に気が付いたのだと思います。

 

 

その内に、家の中で、ひとみが次女の瞳の中に人影を見て、段々と壊れていきます。これ、凄く解るんですけど、家の中って、守ってくれる安全な所という気持ちがあるじゃないですか。それが突然、家の中は安全じゃないとなってしまったら、もう逃げ場が無いと思ってしまい、壊れていくのだと思います。恐怖に負けるというのかしら。毎日の生活が怖くなってしまうので、精神的に壊れますよね。奥さんはとても可哀想でした。

 

賢二も何かを感じて、調べようと思うのですが、子供の頃に虐待を受けた精神的なストレスで、どうしても狭い所が耐えられないんです。それならどうして、こんな空間を作ったんだよって言いたくなったけど、まぁ、映画だから言えないよね。

 

直ぐに調査が出来ず、事態はどんどん悪い方向へと向かって行きます。これ、警察が訪ねてきたりしているんだから、その時に相談していれば、もっと早く解ったんじゃないかと思うんだけど、何故か、相談しないのよねぇ。家の中でおかしなことが起こっていると思ったら、それまでについているカメラとは別に、隠しカメラを色々な場所に仕掛けて、スマホで見るべきなんですよ。パラノーマルアクティビティみたいにね。

 

 

でも、まさか自分の家で変な事が起きているとは、信じたくありませんよね。だから、どうしても妻が何か言っても、周りに何か言われても、つい、後回しにしてしまう。そこら辺の、気持ちの動きが、よく描かれていたと思います。誰だって、自分の家に限ってって思いますもん。やっと手に入れた、しあわせなマイホームなのに、そこに泥を塗るようなことはしたくありませんもんね。

 

人間の心理が、本当によく描かれていたと思います。賢二の敵になる相手は、ちょっと人間の心理というよりも狂人というような感じでしたけどね。何で誰も気が付かなかったのかしら。うーん、ここまで酷い敵なら、どこかでボロを出しそうだし、対処の仕方があったような気がするんだけどなぁ。まぁ、何か、誰が、敵なのか、楽しみにしてください。

 

ホラー映画と言って良いのかな。恐かったです。何が起こっているのか、ずーっと解らないので、本当に精神的に追い詰められて行くという感じでした。でもね、家を建てるって、気を付けなきゃいけない事なんです。だって、”バカボンのパパ”が大工さんで、色々な家に、秘密の小部屋を作って、そこに潜んで行ってたよね。

 

 

あれ見た時、私もやってみようかと思ったけど、まず、出来ません。だって、そんな空間があったら、必ず、これ何ですか?って言われちゃいますもん。お客さん以外にも、会社の関係者とか、役所とか、検査機関とか、色々な所が、家を建てる時は検査に来るので、通常、おかしな設計部分があると、必ず指摘されてOKが出ません。

なので、まず、通常に家を建設する方は、ご安心ください。家に変な細工は出来ませんから。一人の人間が作る訳ではないので、必ず、誰かが指摘をします。恐くなって、家を買わなくなってしまったら、建築業界、困りますからね。(笑)

 

キャストの方々は、とても良かったです。窪田さんは、複雑な心境をよく表していたと思います。窪塚さんが聡役だったのですが、良かったです。やっぱり窪塚さんって素敵。もっと、映画やドラマに出て欲しいです。あの目に引き込まれそうになりましたもん。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。恐くて、面白いのですが、ごめんなさい、私、一級建築士なので、どうしても細かい部分が気になってしまい、純粋に恐怖を楽しむことが出来ませんでした。ダクトの位置とか、小屋裏のスノコとか、空調機は出来れば小屋裏に付けるべきだとか、色々と言い出したらキリがないので、これ以上は言いません。でも、普通の方は、楽しめるんじゃないかな。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「スイート・マイホーム」