「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」家族でもどうしても合わない事ってありますよね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

舞台俳優として活躍する姉アリスと、弟で詩人のルイ。アリスは演出家である夫との間に1人息子がおり、ルイは人里離れた山中で妻と暮らしている。姉弟は長年にわたって互いを憎みあい疎遠になっていたが、両親の事故によって再会することになる。

というお話です。

 

 

アリスは有名な舞台女優。弟ルイは詩人。何が理由かは思い出せないけれど、もうずっと二人は互いを憎み合い、長らく顔も合わせていない。

そんな二人が、両親の突然の事故によって、再会することになる。 「家族なのに」憎み合うなんて、そう思う人もいるだろうが、「家族だからこそ」どうしても許せない、それもまた事実なのだ。

両親は、車で事故にあった女性を助けようとしている時に、トラックに突っ込まれ、重症となった。父親は重症、母親は意識不明の状態で病院に搬送される。アリスと次男のフィデルは直ぐに駆け付け、遠方に住むルイは病院へ向かっていた。ルイは、どうしてもアリスと顔を合わせるのが嫌で、アリスがいない時を見て、病室に入っていた。



 

何故、こんなにも憎み合ったのか、どちらにも解らないが、とにかくお互いに嫌いなのだ。お互いに、姿を見つけては逃げ隠れし、遠くに姿が見えるだけで怯える始末。

父親の目が覚め、アリスに何故こんな風になったかを聞きますが、解らないと答えます。そして、母親の様態が悪くなり…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

アルノー・デプレシャン監督の新作です。マリオン・コティヤールとメルヴィル・プポーを迎えて、姉弟で憎しみ合う家族の物語を描いています。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門参加作品のようです。公開時には、監督が来日する予定のようですよ。

 

姉のアリスと弟のルイ。何故、こんなにも仲が悪くなったのか解りませんが、驚くほど、お互いに凄く嫌っていて、顔を合わせたくもないようでした。アイツがいるなら病院のお見舞いに行かないとか、あり得ないと思うけど、それくらい、一緒にいるのが嫌なようでした。どんなに映画が進んでも、その理由は解らず、うーんと思いました。

 

 

家族でも、確かに合わない人間っていますよね。同じ家にいても、顔も見たくないとか、話しをしたくないとか、声も聞きたくないとか、解らないではないんです。そういう事ってありますからね。いつか解り合えるだろうと、他の家族が思っていても、結局、最後まで合わない事もありますよね。

 

でも、顔を突き合わせて、離してみる必要はあると思うんです。お互いに、相手が嫌いと感じて、それぞれの思いで相手を推察するから、誤解も沢山あるんじゃないかな。例えば、嫌がらせをされたとか、ワザと何かを隠したとか、相手に対して思っていたとして、よく話してみたら、嫌がらせじゃなくて、たまたまそうなっていたとか、隠したんじゃなくて片付けただけだったとか、そういう事ってあると思うのよ。嫌いという気持ちが基本にあるから、どうしても悪い方に考えちゃうんじゃないかな。

 

 

2人は、子供の頃から合わなかったようで、ルイはアリスが癇癪を起して虐められたというような事を言っていました。酷い言葉を散々、投げかけられたとも言っていたかな。アリスも、綺麗な顔で笑いながら、”アンタが嫌い。”とかいうので、傷つきますよね。ルイは可哀想だなぁと思ったけど、ルイも、息子の葬式に来てくれたアリスに向かって”帰れ”とか言うし、お互いにキツい性格なんでしょうね。ま、姉弟だから、似ているのでしょう。

 

いつも思うんだけど、お互いに角を付け合わせていても、埒が明かないので、どちらかが”落ち着こう”と言って、静かに話し合うようにしないと、解決しないと思うんです。別に、喧嘩したままでよければいいけど、姉弟だと、親の事などで、どうしても会わなきゃいけない事もあるでしょ。どちらかが譲歩する必要がありますよね。でないと、解決しないことが出てくると思うんです。

 

 

そして、その場は収めて、その後どうなるかは本人たち次第かな。やっぱり仲良く出来ない場合もあるだろうし、少しでも気持ちがほどけて、少しは仲良くなれる事もあるだろうと思います。人間、そんなに単純じゃないから、一度、仲違いをしてしまったら、そう簡単には仲良くなれませんよ。会話は出来るようになるかもしれないけど。なんたって、家族だから、何十年に渡る嫌なことが沢山積み重なっている訳でしょ。そう簡単ではないでしょ。

 

こういうのは、綺麗ごとでは収まらないから、ダメなモノはダメなのだと思います。でも、もし、何かのきっかけで近づけたら、良いかもしれないねと思いました。映画の中で、ルイが、顔を観るのも、声を聞くのもイヤだというのがよく描かれていたので、そうとう嫌なことがあったんだろうなぁ。

 

 

でも、ルイが詩人になれたのは、アリスがいたからだろうし、アリスに憧れていたからこそ、詩人として大成したんだと思うんです。そしてアリスも、嫌いだと言いながら、ずっと気にしているルイがいるからこそ、負けたくないと思って、女優として成功したのだと思いました。お互いに、好きだという気持ちを抑えるために、嫌いだという気持ちを持つようにしていたのかもしれません。私には、そんな風に見えました。

 

ちょっと解り難い内容ですが、雰囲気は凄く伝わってくる映画でした。誰でも、きっと、似たような事があると思います。何でこんなに親がウザいと思うんだろうとか、弟が面倒でいなくなって欲しいとか、家族内でも、色々な想いがあるでしょ。そんな事を思い起こさせてくれる内容の映画でした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。家族の難しい距離が描かれていて、きっと、自分にも当てはまることが映画の中で描かれていると思います。なんたって、マリオン・コティヤールとメルヴィル・プポーという美しい姉弟なので、怒っていても美しくて、見入ってしまいました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「私の大嫌いな弟へ」