「ファルコン・レイク」若い頃の気持ちをよく描いた美しい映画でした。幽霊が何なのか後から気づきます | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ファルコン・レイク」

 

を観ました。“装苑ONLINE"で試写会が当たり、観せていただきました。

 

ストーリーは、

もうすぐ14歳になるバスティアンは家族4人でケベックの湖畔にあるコテージへやって来る。母の親友うルイーズの家だ。ルイーズの娘である16歳のクロエと出会ったバスティアンは、大人びた雰囲気の彼女に恋心を抱く。クロエの気を引くため、幽霊が出るという湖へ泳ぎに行くバスティアンだったが。

というお話です。

 

 

ある夏の日。もうすぐ14歳になるバスティアンは、両親と歳の離れた弟と一緒にフランスからカナダ・ケベックにある湖畔の避暑地へとやってくる。2年ぶりに訪れる湖と森に囲まれたコテージ。母の友人ルイーズと娘のクロエと共に、この場所で数日間を一緒に過ごす。

久しぶりに再会したクロエは16歳になっていて、以前よりも大人びた雰囲気だ。桟橋に寝転んでいたクロエは服を脱ぎ捨てると、ひとり湖に飛び込む。「湖の幽霊が怖い?」泳ぎたがらないバスティアンをおどかすようにクロエが話す。

 

 

恐がりながらも、少しづつ湖へ入っていくバスティアン。クロエにバカにされたくない、少しでも対等に見られたい、僕を認めて欲しいという気持ちが溢れ、彼女に必死で付いて行く。お酒もたばこも何もかも、初めての体験だけど、彼女に追いつくためにと頑張ってしまうバスティアン。

ある日、大人の目を盗んでワインを持ち、2人で出かけた夜のパーティー。自分の知らない世界を歩む3つ年上のクロエに惹かれていくバスティアンは、帰りが迫るある夜、彼女を追って湖のほとりへ向かうが…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

観ていて、あれ?どこかで観たかもとデジャヴを感じたのですが、考えてみたら、雰囲気がとても「ア・ゴーストストーリー」に似ているんです。湖に幽霊がいるという話は無くて、ただクロエが脅すために話していただけなんだけど、湖の雰囲気はいかにも幽霊が出そうだし、その湖の周りだけ、時間が止まっているような空気感があるんです。

 

そんな場所で、バスティアンやクロエが、早く大人になりたいともがいているような内容なんですね。13歳とか、16歳って、大人のつもりなんだけど、大人には子供に扱われてしまい、お酒やタバコも成人ではないので禁止されていて、どっちつかずのスッキリしない、ちょっとイライラするような年代ですよね。すごく理解が出来るんです。

 

 

バスティアンは、久しぶりに会ったクロエが大人っぽくなっていて、綺麗になっていたので、恋心を抱きます。クロエは、バスティアンを可愛いと思いながらも、彼女より年上の友人たちに憧れて、背伸びをしているんです。年上の彼氏と付き合ってみたり、パーティに参加したりを続けるんです。

 

そしてその遊びに、バスティアンを連れて行くんです。きっと、一人で行くのが、ちょっと怖かったんじゃないかな。まだ、そこら辺が子供なんです。いちばん狡い年代です。16歳で大人として扱って欲しいけど、でも、ちょっと怖くて、誰かを連れて行きたい。その時に、自分より大人よりも、自分が自由に出来るバスティアンがちょうど良かったのだと思います。

 

 

バスティアンもクロエも、大人への憧れがあり、自分の憧れの対象に背伸びをして近づこうとする。しかし、無理が来るに決まっていて、クロエも寂しい思いを抱き、バスティアンも取り残されたような気持ちを感じるんです。映画では、どちらの気持ちもよく描いていました。そして、子どもたちの憧れは、悲劇へと向かっていきます。

 

瑞々しい子どもの気持ちをとてもよく表現していて、とても共感が出来ました。きっと、大人が見ると、こんな事が昔あったなぁと懐かしく思うと思いました。大人になると、この頃の気持ちを忘れてしまうんですよね。でも、きっと、誰もが経験した、大人への第一歩なんじゃないかな。

 

 

でも、大人の目から見ると、危なくて、口を出したくなってしまいます。私が母親なら、バスティアンに、もうクロエについて行くのは止めなさいと注意するでしょうね。悪いことばかり教えて、良いことはなさそうですもん。観ていても、このクロエ、本当に自分勝手で、バスティアンのことは、可愛いと思いながらも、自分の欲望のために利用しているだけのように見えるんです。

 

まして、夜に地元の若者たちのパーティに行ったり、泳げないのに、湖に無理やりに入らされたり、まぁ、親が知らないところでのことですが、まだ13歳の子どもにお酒を飲ませたり、大麻を吸わせたり、タバコを吸わせたりと、ちょっとやりすぎです。16歳なら、まだ理解できるけど、13歳ですよ。まだダメでしょ。

 

 

ある事件が起こるんだけど、ネタバレになるので詳しくは書けませんが、この事件だって、全部クロエのせいだと私は思っているんです。この子がいなければ、事件は起こらなかったし、私ならクロエを許さないけどなと思いました。

 

若いから許されることってあると思うけど、でも、本当は許されないんです。一生、それを背負っていくことになることに、気がついていないだけなんです。そう思うと、怖いなと思いました。若さで暴走することもあるけど、それは、大人になってからの自分に返ってくるんです。それに気がつかないのは本人だけ。オバサンになった私だからこそ、気がつくのかなと思いました。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。色々と考えさせられて、若い頃の記憶が甦る良い映画でした。子どもたちも、とても良かったです。映像も美しいし、雰囲気も良い映画でした。私は、とても好きなタイプの映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ファルコン・レイク」