「ジェーンとシャルロット」
を観てきました。Fan’s Voiceさんの、独占試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)
ドキュメンタリー映画なので、内容は、
2018年、東京。シャルロット・ゲンズブールは、母であるジェーン・バーキンを見つめる撮影を開始した。
伝説的歌手セルジュ・ゲンズブールのパートナーと娘であり、それぞれの時代をセンセーショナルに彩るフレンチアイコンでもあったジェーンとシャルロット。
これまで他者を前にしたときに付き纏う遠慮の様な感情が、母と娘の関係を歪なものにしてきた。自分たちの意思とは関係ないところで、距離を感じていた母娘。
ジェーンがセルジュの元を離れ家を出て行った後、父の元で成長したシャルロットには、ジェーンに聞いておきたいことがあったのだ。
3人の異父姉妹のこと、次女である自分より長女ケイトを愛していたのではという疑念、公人であり母であり女である彼女の半生とは一体どんなものだったのか。シャルロットはカメラのレンズを通して、初めて母親の真実と向き合うことになる。
というお話です。
このドキュメンタリーは、ジェーン・バーキンさんを、娘のシャルロット・ゲンズブールさんが撮影しています。時々、他の方が撮影している時もあるのかな?でも、ほとんどが二人での撮影で、今まで、外に出てこなかった映像なども観ることが出来ます。貴重な作品だと思います。
最初の場面は、日本のコンサート会場。”bunnkamura”での、ジェーン・バーキンさんのコンサートでした。私、恥ずかしながら、最近まで、ジェーン・バーキンさんと言う方が、有名で女優さんと言うことは解っていたのですが、映画も観たことが無いし、歌手として活動されているのも、ほとんど知りませんでした。あの有名な歌だけ知ってますが、歌手としてコンサートを行うほど、色々な歌を歌ってらしたんですね。
彼女の若い頃の写真は見たことがあります。スレンダーで、キュートで美しく、あのエルメスのバーキン(バッグ)で有名だということは解っているのですが、名前だけ先行していて、彼女の人となりをほどんど知りませんでした。
この映画で、彼女が、どんな人生を送って来たのか、そして、魅力的な3人の男性パートナーと出会い、それぞれの男性との子供を産んでいたという事も知りました。本当に自然体で、美しい方なんですね。時々、化粧をすると、ハッとするほど美しくて驚きました。そして、笑顔が本当に素敵。優しそうで、人柄が解ります。素敵な女性でした。
私のように、あまりジェーン・バーキンさんを知らない人間も、ファンの方にとっても、この映画は涙ものの映画かもしれません。亡くなる前に、こんな映像を残してくださったことに感謝しないと。それくらい、お二人の自然な姿が映像に収まっていて、何とも言えない良さがありました。
シャルロットさんは、ジェーンさんとの関係に、何か近づけない部分があったような気がしていて、どうしてもそれについて母親に聞いてみたいと思っていたそうです。そして、このドキュメンタリー映画を作ることで、距離が近づけるかと思い、制作を決めたようでした。
インタビューの中で、シャルロットさんが関係について尋ねると、ジェーンさんは、”あなたに気おくれしていた”と言うんです。娘だけど、何か特別なモノを持っているように感じていたというんです。シャルロットは、父親に溺愛されていたし、その辺りの何かがあったのでしょう。
どんなに血が繋がっていても、上手く関係が築けない事ってありますよね。私は、今は母親ととても仲が良く、出来れば一緒にずっと暮らしたいと思っていますが、若い頃は、仲が悪い訳ではないですが、この映画のジェーンさんのように、”気おくれしていた”のかな。
母は何でも出来るスーパーレディだったので、何を頼んでもササッとやってくれるし、スポーツは何をやっても上手く、人付き合いも良くて、よく出かけていました。でも、私は何も出来なくて、それがコンプレックスだったんだと思います。母は、私を産んだ後に、再度、大学に行って、私は祖父母の家に預けられていたし、父は単身赴任で海外にいたので、関係が悪い訳ではないですが、どこか壁のようなものがありました。私が年を取って、やっと家族がとても仲良くなったような感じです。
どんな家にも、色々な事があるので、このスーパースターの二人にも、色々とあったようです。それにしても、母親がジェーン・バーキンだったら、どうなんだろうなぁ。ま、生まれた時に、既にママなんだから、本人は感じないのかな。
ジェーンさんの長女であるケイトさんが、10年ほど前に亡くなり、事故なのか自殺なのか解りませんが、ジェーンさんはとてもショックを受けて、今も引きずっているようでした。でも、ジェーンさんとシャルロットさんの間で、ケイトさんの話が何度か出ていたので、少しは受け入れられたのかしらと思いました。
この試写会の連絡が来て、楽しみにしていたら、ジェーンさんの訃報が飛び込んできて驚きました。まだまだお元気で、日本にもいらしてくれるのかと思っていたのに、ずっと闘病中だったんですね。まだ70代だったのに、本当に残念です。私はシャルロットさんと同年代なので、考え深かったです。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。ドキュメンタリー映画なので、好き嫌いがあるとは思いますが、とても映像が美しいし、うだうだ長い感じはしません。まるで写真集を見ているようで、その途中途中で、お二人の会話が入っていたり、お宝的な映像があったり、楽しいドキュメンタリーでした。普通のドキュメンタリーよりは、とても観やすいと思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ジェーンとシャルロット」
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