「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」題名通りこれは犯罪なのか救済なのか。未来にしか判らない。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」

を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

そう遠くない未来。人工的な環境に適応し、痛みの感覚が消え去った人類。体内で新たな臓器が生み出される加速進化症候群という病気を抱えたソールは、パートナーのカプリースと共に、臓器摘出のショーを披露し注目と人気を集めていた。そんなソールのもとに、生前プラスチックを食べていたという遺体が持ち込まれる。

というお話です。

 

 

そう遠くない未来。人工的な環境に適応するように進化し続けた人類は、生物学的構造の変容を遂げ、痛みも消えた。

ある海辺の家でブリッケンという8歳の少年が遊んでいます。母親が変なモノは食べないでと言い、家に戻った少年はプラスチックのゴミ箱を食べています。それを見た母親は、少年が眠ったベッドに近づき、顔に枕を押し付けて息子を殺す。

「加速進化症候群」のアーティスト、ソール・テンサーが体内に生み出す新たな臓器に、パートナーのカプリースがタトゥーを施し摘出するショーは、チケットが完売するほど人気を呼んでいた。



 

しかし政府は、人類の謝った進化と暴走を監視するため、「臓器登録所」を設立。特にソールには強い関心を持っていた。設立後、ソールは自分の身体に新しい臓器が生まれたらしい事を感じ、カプリースとともに臓器登録所を訪ねる。

そこは、まだ公にはされておらず、関係者だけに伝えられていた。担当者たちは新しい臓器に興味深々で、まるでソールを神のように信奉していた。

そんな彼のもとに、生前にプラスチックを食べていたという少年の遺体が持ち込まれる。遺体の解剖をショーでやって欲しいと父親のラングから頼まれ、ソールは遺体について調査をした上で、解剖の依頼を受けることにする。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、何て言って説明したらいいんだろう。近未来SFで、人類が進化した先には、何が待っているのだろうかということを描いていると言って良いのかな。今のところ、人間は2本脚で歩行し、手を使って色々な技術を実践し、脳で考え、口で言語を操り意思の疎通をはかり、耳で聞き、鼻で匂いを感じ、という事をしていますよね。そして身体の中には、心臓や肺、他に色々な臓器が入っていて、それぞれに機能をして、人間を動かしていると思います。
 

もし、これが変わって行くことになったらどうなると思います?沢山の公害で地球は汚染され、もしかして放射能も飛び交っていて、人間の身体は蝕まれているのかもしれません。治療が必要となれば痛みを伴うので、麻酔をして痛みを取りますよね。それが究極になっていくと、身体の痛みを感じず、身体が故障したら修理するという感じになるのかしら。

 

 

そんな世界で、一部の人間が急速に進化し始める病気になり、それがソールなんです。何故、進化して新しい臓器が創り出されるのか、よく解っていないのですが、新しい臓器を放置したままだと死んでしまうので、摘出手術が必要となり、それをアートパフォーマンスとして、観客に見せるというのが、ソールとカプリースがやっている事なんです。臓器が出来れば摘出する、その繰り返しです。

 

でもね、臓器が新しく出来ると言うことは、何か理由があるハズで、ソールの身体が臓器を必要としているから出来ているんですよね。それを毎回取ってしまうのは、どうなんだろう。私は、進化を受け入れて、ある程度、その臓器と付き合った方が良いと思うけど、そうはしないんです。進化を拒んでいるという感じかしら。

 

 

そんなある日、少年の遺体解剖の話が舞い込みます。少年はプラスチックを食べていたというんです。それなら、プラスチックを身体の中で分解出来ていたということでしょ。ソールとカプリースは、中がどうなっているのか見てみたいという興味があり、父親のラングは、息子のような進化を政府に認めさせたいという思惑があり、ショーをして注目を集めたいと思っているんです。

 

ブリッケンという少年は、母親が言うには、白い唾液のようなモノを出してプラスチックを分解して食べていたらしく、人間にとっては有害物質を身体に取り入れる事が出来ていたらしいんです。でも、母親からしてみれば、人間ではないし、気持ちが悪いと思い、殺すしか無かったのだと思います。もちろん、殺した後に警察に行ったそうですが、取り合って貰えなかったらしいんです。

 

 

この話から考えられるのは、ブリッケンの存在を政府が知っていて、そんな人間はいなかったのだという事にしたんじゃないかなと思うんです。有害物質を取り込んで大丈夫な内臓を持っていて、それを排出していたんですよね。排出物が有害物質だったのか、それとも光合成のように、有害物質を取り込んで無害にして排出してくれるなら、もしかしたら、環境をよくするために人間が進化したのかもしれない。それを、無かったことにする政府は、どうなんだろうか。

 

しかし、考えて見れば、そんな人間がいる事を、旧人間が知ったら、恐ろしくて別々に生きたいと思うかもしれないし、政府も色々と悩んだ末の決断だったのかもしれません。とにかく、今の時点では、ブリッケンという少年はいなかったし、プラスチックを食べる少年はいなかったという事になっているんです。結構、恐いでしょ。

 

 

そんなブリッケンの解剖をショーとしてやるかどうかという話が入ってきて、悩むソールとカプリース。一方、ソールは、自分の身体の進化のスピードが速くなっている事に気が付き、今までの食事が身体に合わなくなっている事に気が付きます。食事補助の機械を使って食べているのですが、あまり上手くいかないんです。

 

プラスチックを食べていた子供、そして自分の身体も食べ物を受け付けなくなりつつあるソール。人間は、どのように進化していくのかというのが、この映画が訴えている事なのかなと思いました。

 

 

うーん、結構、手術をして内臓を取り出したりするのが、そのまま映像化されているので、スプラッターとは言わないけど、内臓が出たり、身体を切ったりするのがダメな方には、無理な映画だと思いました。美術館に行って、”フランシス・ベーコン”の絵が気持ち悪いと思う方は、無理だと思います。

 

ひとつ、少しネタバレになりますが、ソールの補助機械メンテナンスの人達が、何故、人を殺していたのか、そこがちょっと解りませんでした。政府の依頼で、特殊な進化に関わっている人を殺しているってことで良いのかな。メンテの人は、ソールが使っている機械を崇めていたから、二人の邪魔になりそうと思ったのか。いや、きっと政府の依頼かなぁ。情報を知っている人物を殺していたもんね。そう思うと、次はソールが殺されるのかしら。うーん、先の事は解りません。

 

ギリシャでの撮影だったそうですが、遺跡の中での撮影で、この素晴らしい雰囲気が出たのかなと思います。もっと書きたいけど、さすがに長くなっちゃうから、この辺で止めておきます。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。SFとして、凄く追及されているし、人間の進化ということを、環境汚染と込みで考えていて、良く出来たお話だなと思いました。実際に、今、人間の進化か退化の分岐点だと思うし、これだけ人間にアレルギーが出るということは、何かあるんですよね。とても考えさせられる内容でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」