「アイスクリームフィーバー」川上三映子さんのアイスクリーム熱を映画化。雰囲気の良い作品でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「アイスクリームフィーバー」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

常田菜摘は美大卒業後にデザイン会社に就職するもうまくいかず、現在はアイスクリーム店でアルバイトをしている。常連客の作家・橋本佐保に運命的なものを感じ、友人となるが、菜摘のバイト仲間で後輩の桑島貴子は、そんな菜摘を複雑な思いで見つめていた。

というお話です。

 

 

常田菜摘は美大を卒業してデザイン会社に就職するもうまくいかず、いまはアイスクリーム店「SHIBUYA MILLION ICE CREAM」のバイト長として働いている。

デザイン業界に戻るか、このままアルバイトを続けるかと思い悩んでいたある日、店にやってきた作家の橋本佐保に運命的なものを感じる。菜摘は、思わず店を出た佐保を追いかけ、スタンプカードを渡す。店に戻ると、店長から店をあけたことを叱られてしまう。

その日以降、佐保の存在が気になってしまい、彼女っぽい姿を見つけるだけで、ドキドキするようになります。一方、バイト仲間で後輩の桑島貴子は、そんな菜摘の行動を、複雑な想いで見つめていました。



 

アイスクリーム店の近所に住む高嶋優は、いつも朝一で通っている銭湯へ、今日も通います。壁の富士山の絵を見るとアイスが食べたくなると店主に話します。

ある日、疎遠になっていた姉の娘・美和が突然訪れ、優は驚きます。何年も前に出ていった父を捜すために高校の夏休みを利用して東京に出て来たようだった。一人悠々自適に暮らしていた優は、いきなり姪と共同生活することとなる。面倒だし、父親探しという事も優には引っかかっていて…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、私は好きでした。うーん、雰囲気が良かったし、最後の最後で、それぞれの物語の時系列が理解出来て、あー、そういう事だったんだねって解るんです。みんな、それぞれの時を過ごして、新しい道を歩いて行く。悲しい出来事や、寂しい出来事、良い事も悪い事も、過ぎてしまえば懐かしい思い出。うーん、良かったですよ。

 

菜摘は、競争社会の中で仕事をしていて、疲れてしまって続けられなくなり、仕事を辞めて、アイスクリーム屋さんでアルバイトをしているんです。これ、私、凄く解るんです。今、私もほとんど休業中だけど、いつも緊張している状態で、何年も仕事を続けると、マジで壊れるんです。菜摘はデザインをやっていたというので、同じものは作れないし、いつも新しい発想を求められるでしょ。そりゃ、緊張の連続で、もう、何も出てこない!という時が来たんじゃないかな。そういう時は、休むしかないんです。

 

 

アイスクリーム屋さんでの仕事は、同じことの繰り返しなので、ストレスはそれほど無かったんじゃないかな。店員さんは、ずっと接客なので大変だと思うけど、デザインとは違う大変さなので、人と会話することで、少しストレスが緩和されたんじゃないかな。会話って人間にとって大切なことなんだけど、デザインとかをやっていると、人と会話することが減ってしまい、籠ることが多いので、ストレスが大きいんですよね。

 

そんな時に、佐保と出会い、目が離せなくなったんです。どんどん惹かれて、やっとそばにいられるかと思ったら、彼女は消えてしまう。でも、佐保は、フッと消える存在になりたいと言っていたので、そんな風に今までもやってきたのかもしれません。二人の関係は、一瞬だったけど、永遠になったんじゃないかなと思いました。あんなに印象が強かったら、お互いに忘れないよね。素敵だと思いました。 

 

 

そんな菜摘と佐保のお話は、1番目。2番目は優と、姉の娘である美和のお話。これ、ネタバレしちゃうと面白くないので、あまり書きませんが、優と姉の間には、わだかまりのようなモノがあり、姪っ子にも、あまり良い印象を持っていないんです。でも、夏休み中だけ東京に出て来て、叔母である優の家に泊ると言って田舎から出てきたらしく、ホテルを取ってあげると言っても聞きません。嫌々ながら泊めますが、問題ばかりおきます。

 

そんな時に、優が通っている銭湯が閉店するというので、慌てた優は、何とか銭湯を続けて貰おうと考えます。優はキャリアで、既に大手企業の中堅となり、偉い人になっているんだけど、辞めちゃおうかなと考え始めるんです。

 

 

これも解るんだけど、30歳過ぎて、責任を持つ役職につくと、それなりにストレスもあるし、こんなこと、ずっと続けていくべきなのかなと考えると思うんです。もちろん、お給料は上がるかもしれないけど自分にプラスになることは少ないし、この時期は、本当に悩む時期ですよね。私なんて、その時期を超えても、まだ、今、悩んでいますもん。(笑)

 

そして、3番目が、前の2つに全く関係の無い、マンションに新しく引っ越して来た男性の話。といっても、この人については、話はありません。但し、引っ越して来たマンションの部屋が、二組の物語に関係ある部屋なんです。

 

 

この3つの話が重なって、描かれていくのですが、アイスクリームは、菜摘と佐保の関係に、一番関わってくるかな。後は、そんなに関係はありません。

 

菜摘は、一人になってしまうけど、きっと、アイスクリーム屋さんをやりながら、佐保を待つんじゃないかな。そんなのも、素敵ですよね。アイスクリーム屋で出会って、アイスクリーム屋で待つなんて、たとえ、相手が消えてしまっても、いつかって気持ちで待つのは自由だし、何となく、いつか帰ってきそうな気がしますもん。

 

この映画、キャストが良かったです。私の好きなタイプの役者さんばかりで、好きだったな。アイスクリーム屋のバイトの後輩の子、音楽をやっている子なのかと思いますが、彼女も印象的で、良かったです。気に入りました。何が面白いとは言えないけど、雰囲気の良い映画でした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。単館系映画だし、あまり上映館も少なかったけど、もし、ご近所で観れるようでしたら、観てみてください。私は好きな映画です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「アイスクリームフィーバー」