【演劇】「兎、波を走る」ごめんなさい、今回はネタバレしています。まさか高橋さんが"この役"とは! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

【演劇】「兎、波を走る」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

 

脱兎を追って不思議の国に行ってしまったアリスと、娘を探し続けるアリスの母の物語という主線と、潰れかかった遊園地の物語が、2本の平行世界のようにして猛スピードでひた走っていく。

潰れかけた遊園地は不動産業者のシャイロック・ホームズによって競売にかけられているところ。元女優ヤネフスマヤはこの場所で幼い頃、ママと見た「アリスの物語」を再現したくて、第一の作家?に脚本を書かせている。だがそれは、幼い頃に楽しんだ物語とは違っていて、気に入らないヤネフスマヤは第二の作家?にも依頼する。



 

通常、アリスが大冒険のすえ現実の世界に戻っていくが、第一、第二の作家が競作するアリスの物語は、混乱の様相を呈していく。さらに、第三の作家?が現れて、世界はさらにまたひとつ、開かれていく。

オリジナル作品が時を経て換骨奪胎、あるいは二次創作されていくうちにずいぶん様変わりして、それが無数のマルチバースとして存在していく。だが、ガワは変わっても芯の部分はひとつ。混乱の闇の果て、アンダーグラウンドに奥底に潜む芯なる部分にかすかな光が当たる。素早く変わっていくいくつもの世界の行き来を追いかけているうちに、ベールに覆われていたものが見えはじめて来たとき、そこに見えたものは。

 

後は、舞台を観てください。

 

 

私、最後まで観て、号泣でした。こんなに母親が訴えているのに、なんでアリスは、娘は、帰ってこないんだろう。あそこにいるはずだと解っているのに、なんで取り戻せないんだろう。こんな理不尽な事は無いと思うんです。絶対に許されない事だし、本当なら戦争をしてでも、取り返さなければいけないはずなんです。戦争はもちろん出来ないけど、でも、それくらい大切な事なんです。

 

スミマセン、今回はネタバレさせてください。もう、私、感動してしまい、これを、ネタバレせずに感想を書けと言われても、無理なんです。野田さんの戯曲は、いつも、社会問題を題材にしていて、ファンタジーな世界から、段々と、その問題に突っ込んでいくという、素晴らしい展開を見せる作品ばかりなのですが、今回は、あの問題を題材に、”不思議の国のアリス”と絡ませているんです。

 

ある日、アリスは白兎を追って行ったのではなく、突然に麻袋に入れられて、船に連れていかれ、不思議の国に渡るんです。白兎がいたのか、それは解りません。でも、不思議の国に連れていかれ、お母さんに逢いたい、お父さんに逢いたいと言っても、その国からは出ることが許されず、一体、どんな人生を送ったのでしょう。

 

 

白兎は、そんなアリスを置き去りにして、不思議の国から脱出し、波を渡り、日本に辿り着きました。そう、白兎のまたの名を、安明進。北朝鮮工作員の名前です。ここで、あっ!と気が付くんです。アリスはめぐみさんなのだと。もう、悲しくて、母親の気持ちが伝わってきて、ボロボロと涙が出てきました。

 

それまで、潰れかけた遊園地などに行き、母親はずっとアリスを探しているんです。何処までも探して、色々な人に聞くんですけど、子供は元からいなかったんじゃないかとか、酷い言われ方をして、誰も必死に探してくれないんです。でもね、不思議の国のアリスなら、きっと帰ってくるんだろうと思っていたけど、不思議の国ではない、悪魔の国に誘拐されてしまったのなら、帰ってこられないですよね。いや、もう、本当に、一気に悲しさと、悔しさがドッと押し寄せて、絶対にあいつら許さないと思ってしまいました。

 

小泉、安倍政権の時は、随分と交渉して、何人か取り戻せたのに、めぐみさんはどうしても帰ってこられない。死んだと言われるだけで、本当の事は解らない。母親だったら、もう、気が狂うほどだと思います。それを、何年もほっとかれて、もうめぐみさんは連れていかれて50年近く経つんでしょ。酷いですよ。岸田政権なんて、全く知らんぷりですもんね。税金を取って、ばら撒くことばかりで、絶対に自民党に入れてやらないと思っちゃう私です。

 

 

不思議の国のアリスから、北朝鮮拉致事件に繋がるとは、全く思っておらず、本当に上手いなぁと思いました。ここに繋がるのかと、驚きました。話は、しっかり繋がっているんですよ。違和感なく、不思議の国が、北朝鮮に入れ替わるんです。やっぱり、野田さんは凄い人だと思いました。

 

白兎は高橋さん、母親を松たか子さん、アリスを多部さん、小説家を大倉さんと野田さん、元女優を秋山さん、シャイロックを大鶴さんが演じました。元女優は、アリスに出てくるハートのクイーンっぽかったかな。

 

潰れかけた遊園地でアリスの舞台が始まり、アリスの母親は、アリスを必死で探すけど、もちろんそこにはおらず、何故か、VRを持ち出して、その中で不思議の国を巡るけど、そこにもいない。当たり前なんだけど、母親は納得出来ず、何処かにいるはず、兎を追って行っただけなんだからと思うけど、途方もない遠くの悪魔の国に連れ去られているんです。なので、いつまで経っても逢えないんです。

 

遊園地は壊され、そこには何も無い。本当に悲しいお話でした。もう、最後の方は、ボロボロ、ぐしゅぐしゅで、タオルで拭きながら、観ていました。めぐみさんとお母さんの事を思ったら、耐えられませんよ。こんな事、絶対にあっちゃいけないんですから。野田さんが取り上げてくれなかったら、このまま、無かったことにされちゃったかもしれない。だって、政府は何もしてないでしょ。一般人だって、ニュースで取り上げないから、忘れて行きますよね。忘れちゃいけないのに、忘れられちゃう恐怖も、この舞台を観ていて感じました。

 

 

私は、この舞台、超!超!超!お薦めしたいと思います。と言っても、チケットを手に入れるのは、とっても困難だと思うけど、ぜひ、観て欲しいな。良い舞台でした。本当に観れて良かったです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「兎、波を走る」

 

 

 

 

 

 

 

イベントバナー