「大いなる自由」自由ってどんな場所にいても手に入れられるんですよね。たとえ刑務所でも。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「大いなる自由」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

第2次世界大戦後のドイツ。男性同性愛を禁じる刑法175条のもと、ハンスは性的指向を理由に何度も投獄されていた。同房になった殺人犯ヴィクトールはハンスを嫌悪するが、ハンスの腕に彫られた番号を見て、彼がナチスの強制収容所から刑務所へ送られてきたことを知る。信念を貫き繰り返し懲罰房に入れられるハンスと、長期の服役によって刑務所内での振る舞いを熟知するヴィクトールの間には、いつしか固い絆が芽生えはじめる。

というお話です。

 

 

第二次世界大戦後のドイツ。
男性同性愛を禁じた刑法175条の下、ハンスは自身の性的指向を理由に繰り返し投獄されてしまう。同房となった服役囚ヴィクトールは「175条違反者」である彼を嫌悪し遠ざけようとするが、ある時、腕に彫られた番号から、ハンスがナチスの強制収容所から直接刑務所に送られたことを知る。

己を曲げず何度も懲罰房に入れられる「頑固者」ハンスと、長期の服役によって刑務所内での振る舞いを熟知しているヴィクトール。最初は近づかない二人だったが、ハンスが思いを寄せるオスカーへ、聖書を届けて欲しいと頼んだことから、距離が近づき始める。



 

あまりに不条理な迫害の中で、ハンスは、愛と自由の本質を見つめ、愛する人を助けようと、自分を捨ててでも尽くしていくのだが、上手くいかない。その度に苦しむのだった。そんなハンスをずっと見つめているヴィクトール。

反発から始まった二人の関係は、長い年月を経て互いを尊重する絆へと変わっていく 。そして、法改正のニュースが…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

同性愛が罪だった時代、ハンスという青年は、自分の趣向を貫き、どんなに逮捕されても続けていて、何度も何度も捕まって、投獄されるんです。そんなハンスと、恋愛感情ではなく、人間としての友情で繋がれたヴィクトールという男性がいて、この二人の姿を描いています。

 

ハンスは、ナチス時代にも同性愛で捕まり、アウシュビッツかどこかの収容所に入れられていたようなんです。ナチスが倒れ、戦争が終わり、収容所から直接、刑務所に入れられてきたようなんです。なので、ユダヤ人と同じような番号が腕に刺青されていて、その頃にも、酷い暴行などを受けていて、ずーっと我慢してきたんです。

 

 

その刺青がきっかけで、ヴィクトールと近づき始めるのですが、それまでは、同室の服役囚がゲイだと知って、同じ部屋は嫌だから出ていけと大騒ぎしたんです。その時代、ゲイは病気だと思われていて、近くにいたらうつるかもと思われていたそうなんですね。だから、ビクトールは、女が好きなのにうつされたら大変だと思ったのだと思います。

 

嫌々ながら同室で生活を始めて、ある日、ハンスの腕に収容所の番号があるのを知り、ハンスの苦しみを知るんです。戦争時代からユダヤ人ではないのに収容所に入れられ、既に戦争は終わっているのに、まだ刑務所に入っている。そして腕には、戦争の傷跡が残っているんですから。ヴィクトールは、その番号を刺青で消してやろうと言い、ハンスの腕の番号の上に、新しい刺青を入れ始めます。それで悪い記憶が、少しでも和らぐのではないかと思ったんじゃないかな。

 

 

ヴィクトールは、粗野に見えるけど、とても優しくて繊細な人なんだろうと思いました。一方、ハンスは弱そうに見えて、とても芯が強く、自分の意志を曲げることをしません。何が何でも、やり抜きたいと思っているんです。なので、好きになった人の為に、自分をいくらでも犠牲に出来るんです。凄い人ですよね。そんなハンスの姿を見て、ヴィクトールはハンスに対しての考え方を変えて行ったんじゃないかな。

 

そして、法改正になり、ハンスは犯罪者ではなくなり、刑務所から出ていくことになるんです。でもね、自由って何なんでしょう。大っぴらに好きな人に好きと言えることは大切だけど、ただ、それだけが自由なのかな。この映画を観て、とても考えてしまいました。

 

 

個人の権利、自由を守ると言うけど、それって、何なんだろう。それまでのハンスだって、自分の意志を貫き、好きな人には好きって言っていたし、嫌な事があれば反発して独居房に入れられていたし、刑務所にいても、自分の意志を通していた=自由を勝ち取っていたんです。どんな場所にいようとも、誰と一緒にいようとも、自分の意志が一番で、それを阻害されることが不自由で、意志を通せるのなら自由なのかなと思いました。

 

それをどこまでもつき通してきたハンスは、本当に自由な人だし、素晴らしい人だったのだと思いました。そして、ヴィクトールもそう思ったんじゃないかな。だから、二人は強い友情で結ばれたし、そこに恋愛感情が無くても、二人の絆は永遠になったのではないかと思いました。文字で友情とか書いちゃうと、軽い感じに見えちゃうけど、映画で描かれている友情は、本当に深い、家族のような友情でした。感度しました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。長い期間を描いているので、ちょっと、ぶつっぶつっと切れたような感じを受けますが、それ以外の表現は素晴らしいです。主演のフランツ・ロゴフスキさんは、少し前の「フリークスアウト」の悪役を演じていた人です。今回は、良い人でしたよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「大いなる自由」