「リバー、流れないでよ」
を観てきました。
ストーリーは、
京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」で仲居として働くミコトは、別館裏の貴船川のほとりにたたずんでいたところを女将に呼ばれ、仕事へと戻る。だが2分後、なぜか先ほどと同じ場所に立っていた。そしてミコトだけでなく、番頭や仲居、料理人、宿泊客たちもみな、同じ時間がループしていることに気づく。2分経つと時間が巻き戻り、全員元にいた場所に戻ってしまうが、それぞれの記憶は引き継がれるのだ。人々は力をあわせてタイムループの原因究明に乗り出すが、ミコトはひとり複雑な思いを抱えていた。
というお話です。
舞台は、京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」。
静かな冬の貴船。ふじやで働く仲居のミコトは、別館裏の貴船川のほとりに佇んでいたところを女将に呼ばれ仕事へと戻る。だが2分後、なぜか再び先ほどと同じく貴船川を前にしている。
ミコトだけではない、番頭や仲居、料理人、宿泊客たちはみな異変を感じ始めた。ずっと熱くならない熱燗。なくならない〆の雑炊。永遠に出られない風呂場。自分たちが「ループ」しているのだ。しかもちょうど2分間！
2分経つと時間が巻き戻り、全員元にいた場所に戻ってしまう。そして、それぞれの“記憶”だけは引き継がれ、連続している。この”ふじや”の周りだけで、そこより離れた場所では起こっていないようだが、なんたって、2分なので、動こうにも限られていて、調査が出来ない。
そのループから抜け出したい人、とどまりたい人、それぞれの感情は乱れ始め、それに合わせるように雪が降ったりやんだり、貴船の世界線が少しずつバグを起こす。力を合わせ原因究明に臨む皆を見つつ、ミコトは一人複雑な思いを抱えていた。後は、映画を観てくださいね。
さすがヨーロッパ企画と言って良いほど、面白い映画でした。これ、よく2分って思いつきましたね。凄く微妙だけど、この2分が効いてました。だって、3分だったら、カップラーメンが出来ちゃうし、ウルトラマンだって怪獣を倒せるでしょ。でも2分だから、何をやっていても、途中で戻っちゃうんですよ。熱燗も、どれだけ待っても、ぬる燗のままなんです。もー、これ、よく考えましたね。凄いです。
京都・老舗旅館の「ふじや」。いつもの通り、お客様を送り出し、食事のお世話をし、従業員のみんなは働いているんです。仲居のミコトは、少し思う所があって、川岸で一息つき、直ぐに仕事に動いて行くのですが、2分後、また自分が川岸で一息ついている事に気がつきます。あれ？すんごい濃いデジャブだなと思って、仕事に入ると、番頭さんも凄いデジャブなんだけどと言ってくるんです。
もう、この二人の会話だけで、噴き出すほど面白いのですが、そこからは、もう、笑いっぱなし。みんな、タイムリープしているんだけど、記憶は残っているから、前回とは違う事をするので、時間は繰り返しているんだけど、旅館の人たちは、少しづつでも前に進んでいるんです。ちょっとややこしいけどね。
なので、時間を進めるために、作戦会議を開くのですが、2分しか出来ないので、何度も集まらなきゃいけない。だけど、作戦会議の内容は進んでいるんです。面白いでしょ。なんだけど、何故、会議を3階でやらなきゃいけないのかが、ちょっと納得いかなかったな。どーせ、時間が戻るんだから、みんなから一番近い、ロビーとかでやれば良かったのに。なんたって、2分しかないんだから、出来るだけ短縮でやらないとね。
お客に作家のオバタさんという人がいて、近藤さんが演じているんだけど、締め切りが近づいていて、凄く苦しんでいるんです。でもね、2分でリセットされてタイムループしてますって教えたら、もう、大喜びで、永遠に締め切りが来ないって言って、ノーパソとかを窓から川に投げ捨てたり、障子紙に指でプツッ、プツッと穴を開けたりして喜ぶんですよ。どーせ戻るんだからって言うんです。その障子紙に穴を開けるのって、やりたくても、怒られると思って出来ないじゃないですか。でも、戻るなら、やりたい！って思いました。これ、凄く共感出来て、嬉しかったなぁ。
途中で、なんか、料理長を刺したとかなんとかって騒ぎもあるんだけど、どーせ2分で戻るからってことで、大した問題にならないんです。え、刺したんでしょ、大変じゃんと思うけど、旅館の従業員たちは、全然、取り合わないと言うか、ふーんって感じで流されていて、もー、そこまで流しちゃうんかいって思いました。
あまり細かく最後の方まで説明しちゃうと、ネタバレになっちゃうのでしませんが、とにかく、普通の事なんだけど、2分で戻るから、すっごく面白いことになっちゃって、いやぁ、今までのヨーロッパ企画さんの作品の中でも、飛び抜けて笑いました。上田さん、最高でしたよ。
で、そうそう、始まって直ぐに、ある女性が出てきて、貴船神社をお参りして周っている映像が出てくるんです。彼女は誰なのか、そこがこの映画の鍵でして、でも、彼女は、最後の方まで出てきません。忘れないでいてくださいね。大事な人物です。
後は何かあったかしら。そうそう、ループを何度もしていると、雪が降ったり降らなかったりすることがあるんです。これ、天候的なものが変わると言うことは、タイムループではなく、もしかしてリープになっているのかもと思いました。もしかしてマルチバースで、次元が違うところに出ている場合もあるのかもしれないと思ったんです。でも、まぁ、天候が変わるくらいで、それ以外は、ほとんど変わらないので、一応、ループなのかな。この雪、撮影する時に、現実で降ったってことなのかしら。そこら辺は、セルBlu-rayが発売されたら、特典で教えて欲しいなぁ。
この内容、舞台でも出来そうですね。2分だから、舞台もとっても忙しそうだけど、でも、このアイデアは面白いです。うーん、随分とSF映画や小説を楽しんできたけど、こういう事をしていたのは見たこと無いので、素晴らしいと思いました。うーん、面白かった。本当に面白かった。
私は、この映画、超！超！超！お薦めしたいと思います。私としては、満点映画でした。初日に観に行って、良かったぁ。上映館が少ないので、もっと上映してくれれば良かったのに。これはみんなに観て貰わなくっちゃ。今のところ、私の一番です。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「リバー、流れないでよ」
