「CLOSE/クロース」思春期の子供は周りも気になるし、自分の存在も認めて欲しいんです。でも。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「CLOSE/クロース」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

13歳のレオとレミは、学校でも放課後でも一緒に時間を過ごす大親友だった。しかし、ある時、2人の親密すぎる間柄をクラスメイトにからかわれたことで、レオはレミへの接し方に戸惑い、そっけない態度をとってしまう。そのせいで気まずい雰囲気になる中、2人は些細なことで大ゲンカをしてしまい…。

というお話です。

 

 

花き農家の息子のレオと幼馴染のレミ。昼は花畑や田園を走り回り、夜は寄り添って寝そべる。24時間365日ともに時間を過ごしてきた2人は親友以上で兄弟のような関係だった。

13歳になる2人は同じ中学校に入学する。入学初日、ぴったりとくっついて座る2人をみたクラスメイトは「付き合ってるの?」と質問を投げかける。「親友だから当然だ」とむきになるレオ。その後も、いつも一緒にいることをいじられ、レオは、徐々にレミから距離を置くようになる。アイスホッケーに興味を持ったレオは、一人でホッケーチームへと参加することにする。それにより、段々と二人の距離は開いて行く。



 

ある朝、レミを避けるように一人で登校するレオ。毎日一緒に登下校をしていたにも関わらず、自分を置いて先に登校したことに傷つくレミ。二人はその場で大喧嘩に。その後、レミを気にかけるレオだったが、仲直りすることができず時間だけが過ぎていったある日、課外授業にレミの姿はなかった。心ここにあらずのレオは、授業の終わりに衝撃的な事実を告げられる。それは、レミとの突然の別れだった。

移ろいゆく季節のなか、自責の念にかられるレオは、誰にも打ち明けられない想いを抱えていた。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、、良い映画でした。あまり、色々と細かいことを映像とせずに、少し触れるような言葉だけで出来事を伝え、それにより、感じて、話しが進んでいくという構成で、態々、映像で表すよりも、より心に刺さるように作られていました。言葉にも気を使ってあって、ショッキングな出来事が起きても、それを直接言葉にする事は無いし、改めて、それを現すような映像も無いんですよ。なので、え?本当に起こったんだよねって、一瞬思ってしまったりするんですが、全て、事件は起こっているんです。

 

レオは、とても美しい顔をしていて、女子に間違われそうなほどですが、本人はあまりそれを良いことと思っていないように見えました。なので、活発な男子と一緒に遊びたいし、強くなりたいと思っていたんじゃないかな。だから、アイスホッケーを始めたりしたのだと思います。

 

 

そんなコンプレックスがあり、レミと一緒にいると、付き合っていると言われたり、からかわれるので、離れたくなったんじゃないかな。この頃って、周りの目が気になるし、一人前と思われたいし、ジェンダーレスと言われている時代でも、まだまだ、やっぱり男の子としての自覚があるから、強く見せたいとか、男同士でベタベタしているのを恥ずかしいと思ったんじゃないかな。女の子に指摘されたのも、気になったんだと思います。

 

小学校までは、二人でべったりくっ付いていても、まだ子供だし、兄弟だしくらいの気持ちで良かったんだけど、さすがに、中学生になると、恋愛の事も気になり始めるし、一人で出来るとアピールしたいよね。レオの気持ちは、痛いほど解るんです。きっと、みんなそうだから。でも、レミは、とても純粋で、自分の気持ちのまま、今までと変わらずにレオと付き合っていきたかったんじゃないかな。レミの方は、少しレオに対して恋心があったのだと思います。でも、レオに拒絶されてしまうんです。

 

 

これは、普通の恋愛でも、同じですよね。好きになったとしても、場所が変わって、周りの人間が変わって、年齢も上がって行けば、今までと同じではいられない。それは、男でも女でも一緒だと思います。性別に関係無く、それまでの子供の気持ちのままではいられないんです。それを、よく描いていたと思いました。

 

でも、今まで一緒に育ってきて、いつも一緒だったのに、寂しくて、苦しくて、耐えられませんよね。素直であればあるほど、どうしてって思うし、自分より先に大人になって行ってしまったレオの行動が、理解出来なかったんじゃないかな。誰もが同じように成長するとは限りませんからね。思いは一方通行になってしまい、自分の半身であったレオが離れて、身を引き裂かれるような気持ちになったんじゃないかな。本当に辛かったのだと思いました。

 

 

邦画の「怪物」でも、同じような子供たちの事が描かれていますが、”怪物”だと、もう少し、子供の年齢が小さいのと、周りの大人の状況が少し違いますよね。この映画では、本当にレオとレミは、小さい頃から一緒に育ってきていて、二人の両親も仲が良くて、二人は一緒に寝たりしているんです。だからレオは、恋愛感情を持って無かったんじゃないかな。本当に兄弟のような、もう一人の分身のような、そんな感覚だったような気がします。だから、”付き合っている”という言葉に、凄く反応してしまったんじゃないかと思うんです。そんなつもりじゃなかったのに、そう見えてしまうのだろうかと、悩んだんじゃないかな。

 

その時から、こういう付き合い方をしていると、そう思われてしまうと思い、レミを遠ざけたんじゃないかと思います。レオは、何も悪くないんだけど、そのせいで、レミにある事が起きてしまうので、ずーっと自分を責めて責めて、本当に可哀想でした。あなたのせいじゃないと言って、抱きしめてあげたくなりました。本当に、泣けました。最後、ボロ泣きでしたもん。

 

 

大人になっていく過程で、色々な事が起きるけど、誰の責任でも無いし、それは本人の事だから、他人が何かを出来ることは無いんです。誰も何も悪く無いし、それは、仕方の無い事だったと思うしかありません。子供に、心の傷を負わせることが無いように、大人は気を配って、守っていくことが大切です。

 

きっと、レオはこの苦しみをずっと抱いて行くのだと思うけど、家族が彼を支えて、守っていくのだろうと思いました。ご両親も優しいし、お兄さんも弟を大事に思っているようだったので、大丈夫だと思います。しっかりと、育って行って欲しいと思いました。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。この映画は、心に刺さります。どちらかというと、”怪物”よりも解りやすいです。子供の反応が素直なので、こちらに伝わってくるんです。二人に何が起こるのか。ぜひ、映画で確認して、感動して欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「CLOSE/クロース」