「ケンジトシ」
内容は、
大地の土塊から天空の星々に至るまで、その創作の翼を広げた宮沢賢治。喜びのときも苦しみのときも、常に日本人の心に寄り添うかのように語りかけてきた賢治の言葉の数々。その賢治の傍らには、彼の良き理解者と言われ、精神的な支えでもあった妹トシの姿が…。賢治の詩作にも登場する聡明で信仰篤き妹は、最先端の女子教育を受けた才女であり、賢治の創作インスピレーションでもあった。
というお話です。
この舞台は、何とも言えない、素敵な世界を見せてくれました。宮沢賢治というと、不思議だけど、どこか寂しい雰囲気を漂わせ、優しく包み込むような空気を味合わせてくれる作品が多く、とっても好きなのですが、この舞台も、同じように、そんな雰囲気を味合わせてくれるものでした。
中村倫也さんの賢治はもちろんですが、トシ役の黒木華さんが私のイメージにピッタリで、こんな兄妹なら、あんな素敵なお話が出来上がるかもしれないなぁとと思いました。
山﨑さん演じる帝国陸軍の人物が訪ねてくるところから始まるのですが、賢治とトシだけだと、どーもふんわりしていて、二人の存在が地についていないのですが、彼がいる事により、現実に生きていた人間として、現れてくるんです。その脚本も上手いし、構成も上手いと思いました。
全員が自然の中に、どう生きていたのかということが描かれていて、良い作品でした。今でしたら、WOWOWオンデマンドで観ることが出来るので、ぜひ観てみて頂けると、雰囲気が判ると思います。
この舞台は、また観たいな。本当に素敵な舞台でした。
「アンナ・カレーニナ」
内容は、
1870年代のロシア。政府の高官をしていたカレーニンの妻であるアンナは、モスクワで若い貴族の将校ヴロンスキーと運命的な出会いをはたし、互いに惹かれ合います。
当時、兄のオブロンスキーに呼ばれてモスクワにやってきたアンナは、浮気がバレて険悪な関係となってしまった兄嫁のドリィを説得して仲直りさせた後、舞踏会でヴロンスキーと再会します。彼女は、彼とドリィの妹であるキティが交際していることを知り、結婚の後押しをしようとしますが、なんと彼が自分のことが好きであることを知って動揺してしまうのです。
夫と子供がありながら若いヴロンスキーに心を奪われてしまったことに罪の意識を感じて、すぐにペテルブルクに帰ろうとしますが、彼は彼女を追いかけて同じ汽車に乗り込んできてしまいます。アンナは彼を拒絶しようとしますが、その言葉とは裏腹に、心が浮き立つような気持ちを、どうすることもできなくなってしまうのでした。そのまま、彼女は許されぬ愛へと溺れていきます。
というお話です。
この作品は、何とも激しい内容で、面白かったです。有名なアンナ・カレーニナの舞台化です。うーん、簡単に言えば、結婚して子供もいたんだけど、若い男が好きになってしまい、夫と子供を捨てて、男に走ったけど、やっぱり幸せになれないなっていうお話です。
私は、あまり、このアンナには共感が出来ません。だって、酷いでしょ。夫が悪いことをしていた訳でもなく、子供だってかわいい盛りなんですよ。それを捨てていけるっていう気持ちが解りません。若いイケメン男だとは思うけど、その男だって年を取るし、一緒にいれば、嫌な所だって出てくるでしょ。
例えば、夫がDVをするとか、浮気をしているなら解るんですけど、そうでなければ、どんなに男を変えても、同じことが起こるんです。洋服を変えても、また新しい服が欲しくなるように、男だって同じなんです。変えたって意味がないんです。自分が幸せになろうと意識を変えて行かない限り、何も変わらない。それが、アンナにも段々と解ってくるんですよ。
アンナを宮沢さんが演じていて、本当に魅力的なアンナでした。このアンナなら、カレーニンもヴロンスキーも、彼女を放したくないと思っただろうと思いました。でも、誰もアンナの心を引き止めることは出来ないんです。息子でさえも。うーん、辛いお話でした。ヴロンスキーを渡邊さんが演じていて、マジでイケメンでした。席が前の方だったので、バッチリ観れて、うーん、美しいと思ってしまった。宮沢さんは、もちろん素敵だし、小日向さんも素敵だったな。舞台だと威厳があるように見えました。この舞台、本当に良かったです。
私は、Bunkamuraの主催する舞台は、大体観ているんです。ジャニーズが出る時はハズしているかな。まず、チケットが取れないし、今、彼らを生で観たいとは思いませんから。ちょっとキモち悪いもん。はぁ、早くジャニーズの性犯罪事件、スッキリして欲しいです。エンタメを楽しみたいと思うと、どうしても引っかかって来てしまい、気分が悪いんですよね。
気を取り直して、まだまだ、観ている舞台の感想を書いて行きます。後は、「蜘蛛巣城」「帰ってきたマイブラザー」「サンソン ルイ16世の首を跳ねた男」「もうがまんできない」「エヴァンゲリオン・ビヨンド」「人魂を届けに」です。
出来るだけ、早めに書いて行きたいのですが、映画の感想も書かなきゃいけないし、うーん、頑張ります。
↑ この宮沢賢治の本、読みやすいです。軽くて持ち歩きも便利!