イタリア映画祭「キアラ」アッシジの聖キアラの歴史伝記映画です。ちょっとミュージカル的な部分も。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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イタリア映画祭にて、

 

「キアラ」

 

を観ました

 

ストーリーは、

 

1211年、アッシジ。ある夜、18歳のキアラと友人のパチフィカは、それぞれの家を捨て、フランチェスコら修道士が待つボルチウンクラの小聖堂にたどりつく。そこで2人の少女は、粗末な衣服に着替え、剃髪し、従順、清貧、貞節に生きることを誓う。

 

しばらくして、妹のアニェーゼも加わったキアラたち修道女のもとに、叔父モナルドが現れ、アニェーゼを連れ戻そうと暴力をふるうが、キアラが祈ると妹の身体は石のように重くなり、びくともしなかった。叔父も胸の痛みを訴え始め、仕方なく諦めて帰る事となる。

 

 

危機を脱したキアラたちは、日に日に増えていく仲間たちと共に、サン・ダミアーノ修道院で共同生活を送る。フランシスコ会と同じ道をあゆみ、国中を説教して回ることを願い出たキアラに対して、ウゴリーノ枢機卿を中心とする当時の教会は、女性はもっぱら囲い地の中で暮らすことを強いた。こうして従順の精神を守りながらも、貧しい人々や病人への奉仕を行う許可を得る為に、キアラの闘いが始まる。

 

というお話です。

 

 

この映画は、「聖キアラ」(又はクララ)と呼ばれるアッシジ出身で、1210年に聖フランチェスコの教えを聞き、帰依した女性の半生を描いています。今まで、聖フランチェスコの弟子となった男性は映画などで描かれる事があったのですが、女性を描くことは珍しいそうです。

 

なんたって、この時代、女性は何の権利も持たせて貰えていない時代ですから、神に帰依したからと言って、男性と同等に扱われる事はありません。神には近づけますが、布教活動は出来ず、ひたすら祈るばかりです。

 

キアラは、ローマ法王に布教をする為に旅に出たいと頼みますが、法王は、女性は外に出るべきではないという、本来の女性への考えを崩すことは無く、布教の旅は許されませんでした。でも、キアラの不思議な力は噂を呼び、沢山の人が修道院に集まるようになります。

 

 

子供の病気が治るらしいというのは、ただ、キアラの知識が豊富だったからではないかと思ったのですが、妹を連れ戻しに来た叔父に対して、妹の身体が重くなったり、叔父の胸が痛くなったりしたのは、不思議な言い伝えです。でも、”この子の身体は重いです。”と、持ち上げようとした人に暗示をかけたのかもしれないし、胸が痛いのも、”最近、胸を患っていたのでは?”と暗示をかけたのかもしれない。

 

人間って、身体が痛くない?と言われると痛くなったりするんですよね。病院に行くと具合が悪くなるみたいなもんです。人間の特性を理解していれば、それほど不思議な力ではないのですが、この時代、みんな、それを信じたのだと思います。

 

この映画にも、ルイージ・ロ・カーショさんが出演していて、今回のイタリア映画祭では、彼の出演作が多いなと思いました。演技は上手いし、イケメンだし、明るくて、とっても素敵な方でした。日本の俳優でいうと、西島さんや堺さんの雰囲気かしら。コメディも、深刻なドラマも出来るので、色々な監督が使いたがるのでしょうね。

 

 

主演のマルゲリータ・マズッコさん、美しい方でした。聖キアラと言われたら、うんうん、そうだねって言ってしまいそうな、聖なる雰囲気がしました。素敵でしたよ。

 

映画としては、歴史伝記映画であり、歌を歌ったりもあるのでミュージカル的な要素もありました。聖人の半生なので、そんなに面白いという内容とは言い難いかな。困難はあるけど、楽しい事は、そんなに無いんです。そんな中でも、女性ながら、聖人として周りに認められ、法王も一目置くほどになり、いくつもの奇跡を起こして、修道女たちを導いていくという姿が描かれていました。

 

今でも、アッシジの教会内に、彼女の遺体は腐敗せずに、骨格は完全な状態で保存され、公開されているそうです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。海外でも、結構、高評価を受けているようでした。でも、日本公開は決まっていないので、公開してくれることを祈りましょう。機会があったら、ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

「イタリア映画祭 2023」