「アダマン号に乗って」心が疲れちゃった時に、ちょっとこういう所で休息出来たら良いですね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「アダマン号に乗って」

 

を観てきました。

 

 

ドキュメンタリー映画なので、内容は、

 

パリの中心地、セーヌ川のきらめく水面に照らされた木造建築の船に、今朝もひとり、またひとりと橋を渡ってやってくる。ここ<アダマン>は、ユニークなデイケアセンター。

精神疾患のある人々を無料で迎え入れ、創造的な活動を通じて社会と再びつながりを持てるようサポートしている。この船では誰もが表情豊か。即興のコンサートでフレンチロックを熱唱。ワークショップでは、色とりどりの絵を描き、カフェでレジ打ちをしてお客さんのお気に入りのカップにコーヒーを淹れる。



 

精神科医療の世界に押し寄せる”均一化”、”非人間化”の波に抵抗して、共感的なメンタルケアを貫くこの場所をニコラ監督は「奇跡」だと言う。<アダマン>の日々をそっと見つめる眼差しは、人々の語らう言葉や表情の奥に隠されたその人そのものに触れていく。

そして、深刻な心の問題やトラウマを抱えた人々にも、素晴らしい創造性があり、お互いの違いを認め共に生きることの豊かさを観るものに伝えてくれる。本作は、間違いなく最も「優しい」映画であり、この時代にもたらされた”希望”そのものである。

 

というお話です。

 

 

この映画、これと言って、何をしているとかじゃないんだけど、精神疾患を患っているであろう人々が、とっても楽しそうに過ごしている姿が見られます。もちろん、この施設では、ルールもあるし、他の人に迷惑をかけたりしてはいけないし、それぞれが周りを思いやりながら、みんなで楽しい活動をして行くんです。

 

何てことは無い、普通のコミュニティーセンターのようで、みんなで、今日は何をしようと相談したり、歌を歌ったり、絵を描いたりと、色々な事をしているんだけど、みんな、自分から行動するんです。誰かに、あれをしたらとか、これをしたらとか言われるのではなく、自分でやりたい事を探して、それを率先してやり始めるんです。自主性を重んじるという感じかしら。

 

 

でも、共同生活の場だから、もちろん、今は会議の時間だから会議をしましょうとか、そういう事は言われるんですよ。それって、凄く良いバランスだと思いました。好きな事をしていて良いというなら、自宅にいれば良いことでしょ。でも、共同生活の場に来ることで、協調性が生まれ、少しのストレスを感じることで、頭を使いだすんです。ストレスが全然無いと、何も考えなくなりますからね。

 

精神疾患だから、マニュアル通りに治療を進めればというお医者さんもいるかもしれないけど、この施設では、そういう治療はせずに、自由に穏やかに、社会に溶け込んで行けるようなケアをしているだけなんです。治療だからと何かをするのではなく、ここに集まって、ただ、楽しく人々と過ごすことで、段々と、心に刺さっていたことや、負担になっていたことが、溶けていくんじゃないかな。

 

 

だから、不思議なドキュメンタリーでしたよ。だって、こんな事をしていますからという説明も無く、アダマン号に来る人を、撮影しているだけなんですから。でもね、ここに映っていることが全て、彼らにとっての治療になるので、段々と社会に順応出来るようになっていくんじゃないかな。

 

いつも思うのですが、精神疾患って何なんでしょ。本当に壊れてしまって、何も解らないのなら病気だろうけど、何かに失敗して自信を失くして弱ってしまった時も精神疾患でしょ。あまりにも疲れてしまって、全てをほおり出したくなった時も精神疾患でしょ。誰もが、ちょっとしたことでなってしまうと思うんです。だから、病気だ病気だって言わないで、少し社会に疲れちゃった人だと考えれば、そんなに大袈裟にならないんじゃないかな。病気だと騒ぐと、また差別があったり、嫌な思いをしてしまうこともあるかも知れない。もう少し、周りが寛容になっていいんじゃないかと思うんです。そんなことを感じた映画でした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。素晴らしい映画なんだけど、ドキュメンタリーなので、お話を期待していくと、観た後になんだったんだろうって思ってしまう方もいるかも知れません。こういう映画だとわかって、行ってください。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「アダマン号に乗って」