「サイド バイ サイド 隣にいる人」今回はネタバレさせて下さい。勝手な私の解釈で感想を書きます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「サイド バイ サイド 隣にいる人」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

そこに存在しない「誰かの思い」を見ることができる未山は、その能力を使って傷ついた人々の心身を癒しながら、恋人で看護師の詩織とその娘・美々と平穏に暮らしていた。ある日、自分の近くに謎の男が見えるようになった未山は、遠く離れた東京へやって来る。未山の高校時代の後輩でミュージシャンとして活躍するその男・草鹿は、未山の元恋人・莉子との間に起きた事件の顛末を語る。未山は草鹿を介して莉子と再会し、自らの過去と向き合うことになる。

というお話です。

 

 

目の前に存在しない“誰かの想い”が見える青年・未山。その不思議な力で身体の不調に悩む人や、トラウマを抱えた人を癒やし、周囲と寄り添いながら、恋人で看護師の詩織とその娘・美々と静かに暮らしていた。 未山は、東京出身らしいが、富山からこの地へ来たらしい。

そんな彼はある日、自らの”隣”に謎の金髪男が見え始める。これまで体感してきたものとは異質で、気になっていたのだが、見て見ぬふりをしてきた。ある日、美々がテレビを指さし、未山の友達だと知らせてくれたのが、その男だった。未山は、その思いを確認するため、遠く離れた東京に行くことにする。



 

ミュージシャンとして活躍していたその男は、未山の学生時代の後輩であり、彼に対して抱えていた特別な感情を明かし、更には元恋人・莉子との間に起きた”ある事件”の顛末を語る。 未山は彼を介し、その事件以来一度も会うことがなかった莉子と再会。自らが“置き去りにしてきた過去”と向き合うことになる。

やがて紐解かれていく、未山の秘密。彼は一体、どこから来た何者なのか?後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、どう解釈したら良いのかしら。誰が死んでいるのか、誰が生きているのか。何が現実で、何が空想なのか。そういう事が、一切、解決しないで終る作品なんです。観る人に委ねているといえば、それはそれで良いのかもしれませんが、観た後に混乱するし、スッキリしませんよね。映像は美しいし、部分部分の表現は良いと思うのですが、解決しないのはねぇ~。

 

今回は、ネタバレしながら、私の解釈を感想として書いて行きたいと思います。自分でも、納得出来るように頭の中を整理しないと、モヤモヤしてイヤなので、あくまで私の解釈を書いてみます。

 

 

未山は、東京出身で、色々な所を周って、今の場所に落ち着いたと言っていました。なので、東京で、あの莉子との事件があり、その後に逃げて、今の場所に辿り着いたと考えられます。今、彼が詩織と住んでいる場所は、私は、涅槃とか隠り世と呼ばれる、死の世界なのではないかと思いました。トンネルを超えると、その世界に入るんじゃないかな。

 

詩織や美々は、生きていた時をそのまま、何度も生きていると思われ、美々は、昔のアニメ”クリーミーマミ”を何度も観ている。彼らが住んでいる場所は、彼ら以外は、牧場主と少しの人しかおらず、未山だけは、力を持っていて、どちらの世界にも存在出来るのだと思います。未山に診察を頼んだ人たちは、自分が死んだことに気が付いていないんじゃないかな。美々が、現実のTVを観れたのは、電波だけは世界を飛び越えて観ることが出来たのかなと思います。

 

 

技能実習生の外国人の青年は、自分の国に帰りたくても帰れないんじゃないかな。あの養蚕農家の男性、凄く嫉妬深そうで、奥さんは訓練生ととても仲良さそうにしていたので、既に殺されていて、国に帰りたくても帰れないのかもと思いました。だから心配してお父さんの霊が逢いに来たのかなと思いました。

 

未山は、時々、トンネルから出て、能力セミナーとかに行ってみたりして、同じ性質を持っている人と交流していました。一人で、あの世界にいると、段々と現実味が無くなってしまうので、現実に戻る為にも、同じような力を持った人と交流していたのかなと思いました。

 

そして未山に付いてきていた霊は、草鹿という人物の生霊だと解ります。草鹿は、未山に憧れていて、彼への思いがあったから、莉子の霊を引き寄せてしまい、部屋に住み着いてしまったんじゃないかと思うんです。私は、未山と莉子の事件の時に、莉子は死んだのだと思います。事故として処理され、未山は捕まらなかったんじゃないかな。でも、莉子の魂は彷徨っていて、未山の想いを持つ草鹿に引き寄せられたのかなと思いました。

 

 

草鹿も、少し未山に近い性質を持っており、霊などが見えたんじゃないかと思います。なので、莉子を世話していて、引き取って欲しいと言い、未山に連れて帰らせたんじゃないかな。未山は、自分の責任を取って、莉子をあの場所に連れ帰り、お堂のような場所で暮らし始めていましたが、莉子は妊娠していましたよね。あれ、死ぬ時に妊娠していて、そのまま亡くなっていたから、霊も妊娠していたのかなと思います。そうなると、未山と莉子は妊娠したことで揉めて、彼女を突き落としたのかなと想像しました。

 

涅槃又は隠り世という場所なので、詩織は莉子を受け入れ、そこで一緒に暮らし始め、未山は、心残りだった莉子を涅槃に送ることが出来たので、役目は終わったと感じて、現世と涅槃の狭間に消えたのかなぁと感じました。たしか、消える前に河岸で男性に会って、丁度良かったと話していたので、自分がそろそろ消えることが解かったんじゃないかな。どちらの世界にも存在するのは、キツい事だろうと思うし、自分の罪を感じていた未山は、消えることを望んでいたのかなとも思いました。

 

 

未山は、現実からも、詩織たちの世界からも消えたのだと思います。彼の一番の目的は、莉子の霊を導くことだったと考えれば、その目的を達した時点で、自分も生きている意味が無くなるという事で、消えたのかなと思いました。消えるという事も、ちょっと曖昧だけど、未山は、以前から霊が見える体質だったと考えれば、その能力のせいで孤独に生きなければならず、そんな未山を愛した莉子は、未山が受け入れてくれなかったので、亡くなった後も魂が彷徨っていたんじゃないかな。

 

莉子を殺してしまった罪を背負って、未山は涅槃という天国には行けず、現実と涅槃の狭間に落ちて、永遠に苦しむのかななんて思いました。罪人は天国に行けませんからね。そう考えると、残酷な内容の映画だと思ったけど、それぞれに解釈が違うだろうから、これは、私だけの解釈です。

 

 

美しい映画でしたが、やっぱり、これほど解り難いと、それでも坂口さんが出ているから満足という人と、全く解らずに帰りたくなったという人と、二通りあるでしょうね。私も、途中で頭の中に???マークが一杯になりました。でもね、ずーっと美々が”クリーミーマミ”を観ていたのが気になったのと、美々を演じている子の不気味さを感じました。私、観ていて、可愛いと感じなかったんですよね。目が不気味で、美々だけは、全てが見えているのかもと思いました。子供が怖かったです。
 

私の解釈は、こんな感じです。きっと、皆さん、色々な解釈をされていて、それぞれに楽しまれると思います。でも、この映画、ちょっと難解でしたよね。まぁ、そんなに深く考えず、ふーんと思って、流してみれば良いとは思います。雰囲気が感じられれば、それで良い作品もありますからね。

 

 

私は、この映画、まぁ、お薦めしたいと思います。ちょっと、人によって、受け入れられる人と、そうでない人と分かれると思いますが、私は、自分の解釈で、納得して、楽しんで観ました。この映画は、ちょっと仏教的というか、そういうアジア系の匂いを感じたかな。何処にでも神様はいるという、インドネシアやタイなどの考え方に近いような気がしました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「サイド バイ サイド 隣にいる人」