「不思議の国の数学者」数式の美しさを教える天才数学者と落ちこぼれ青年。二人の出会いが運命を変える | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「不思議の国の数学者」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

脱北した天才数学者ハクソンは自分の正体を隠したまま、名門私立高校の夜間警備員として働いていた。ある日、数学が苦手なジウから数学を教えてほしいと頼まれる。正解だけが全ての世の中に疑問を感じていたジウに問題を解く過程の大切さを教える中で、ハクソンの人生に思わぬ転機が訪れる。

というお話です。

 

 

学問と思想の自由を求めて脱北した天才数学者ハクソン。彼は自分の正体を隠したまま、上位1%の英才が集まる名門私立高校の夜間警備員として生きている。

冷たく不愛想なため学生たちから避けられ”人民軍”と呼ばれているハクソンは、ある日、警備中に旧校舎で雨宿りをしている生徒を見つける。ジウという生徒は特待生で来ている生徒で、ある事件で寮を追い出され、家にも帰れずに雨宿りをしていたのだ。ハクソンは仕方なく面倒を見てやり、次の日に帰した。



 

ジウは、荷物を抱えたまま学校に行くと、何故か、自分がやらなかった宿題が終わっている。答合わせをすると、なんと全問正解している。難問で全問正解している生徒はおらず、ビックリしてしまう。

放課後、ジウはハクソンの所へ行き、数学が苦手なので、数学を教えてほしいと頼みこむ。何度も通って頼んだので、根負けしたハクソンは、イチゴ牛乳を持って来れば教えてやるという。

正解だけをよしとする学校数学の中でさまよっていたジウに、問題を解く「過程」の大切さを教えていく。そしてハクソンは予期せぬ人生の転換点を迎えることとなる。 後は、映画を観てくださいね。


 

この映画、面白かったです。私、どちらかというと、数学が好きなので、ちょっと楽しくなりました。私は数学というよりも、数字が好きなんですよね。数式とか、本当に美しいと思うんだけど、同じことをハクソンも言うんです。数字って、魔法のように繋がっていて、ちょっとした法則を見つけると、それが何処までも続いて行ったりするんです。規則正しく、何処までも続いて、∞に到達するなんてロマンティックですよね。そして、オイラーの法則でいえば、それに1を足すだけで、0になってしまったりする。不思議なんだけど、本当なんです。

 

話を映画に戻して、エリート学校に通うジウは特待生らしく、裕福な家の生徒たちとは一線引かれています。裕福な家の生徒たちは、塾に通い、特別な教育も受けて成績を保っていますが、ジウは、学校の勉強だけで、他の生徒に付いて行けていません。先生からも迷惑がられて、転校しろとまで言われています。そんなジウが、たまたま出会ったのがハクソンです。学校の警備員なので、その時は、何も気にしていませんでした。

 

 

授業で、宿題を何もやっていないと思いながら机に出すと、全ての答えが書かれていて驚きます。昨日、ハクソンの所で寝ていた時に、ハクソンが解いてくれていたんです。その日から、ジウはハクソンの所に通い、数学を教えて欲しいと頼み込みます。難問を全て解いて、正解を出していたんですから。

 

そんな風に始まった2人の関係。きっとハクソンは、ジウの数学の才能を見抜いたんでしょうね。だって、数学は素質が無いと無理ですもん。謎を解くのを楽しむように、数字に向き合える人でないと、数学は出来るようにならないと思うんです。そして、思った通り、ジウは、どんどん数学の知識を増やして、誰よりも数学が出来るようになるのですが、先生は、そんなジウを認めません。この先生、嫌な奴なんですよ。ほっんと、嫌な奴だった。

 

 

そんなジウに恋をするグノという少女がいます。口うるさくて、ちょっとお節介な彼女は、裕福な家の子で、ある大変な事件を知ることになります。それを学校に訴えようと思うのですが、失敗してしまい、ジウがピンチに陥ることになります。グノっていう女の子、良い子なんだけど、迷惑な事をするんですよ。私は、こういう子、苦手だなぁ。

 

ハクソンは、北朝鮮から脱北してきた数学者です。ある数式を解いて、世界一の天才数学者と呼ばれるほどなのですが、脱北してきたので、あまり表に出ることを嫌がり、警備員の仕事をしているんです。4年前に脱北して、その後、ある事件が起こり、人生を諦めているというか、生きる気力を失っているんです。そんな所に、ジウという青年と出会い、数学を、また、始めていくんです。

 

 

北朝鮮と韓国の微妙な関係も描かれているのですが、これ、自国の人々には、よく解るのかもしれないけど、私はイマイチ、理解が大変でした。北朝鮮から亡命したら、もう無事なのかと思ったら、何となく、いつでも連れ戻すことが出来そうなことを言っていたし、命の危険もあるように見えました。暗殺されることもあるのかも。

 

北朝鮮はTVで、天才数学者を拉致されたから帰せと騒いでいて、それなら韓国側は、もう少し、保護して助けてあげるようにすればよいのに、全然、野放し状態なんですよ。そんな重要な人が脱北したなら、政府が保護して、それこそ証人保護プログラムのように、解らないようにするべきじゃないの?ハクソンは、普通に学校の警備員とかしていて、それって、とっても危険じゃないのかなと思いました。

 

 

ハクソン役のチェ・ミンシクさんが、やっぱり素敵です。私、オールドボーイで彼が好きになり、彼が出演する作品は、出来るだけ観たいと思っているのですが、あまり全国公開される作品が無くて、ここ最近は観ていなかったんです。でも、オールドボーイが、4KリマスターBlu-rayで再販されたので、それを観て楽しんでいたんです。この作品で、やっと、久しぶりにちゃんとチェ・ミンシクさんが観れました。嬉しかったな。

 

ジウ役の青年は、オーディションで抜擢されたキム・ドンフィさん。抑えた演技で、良い雰囲気を出していました。ガチャガチャするグノがいる分、ジウや抑え目で、静かな雰囲気がとても良かったです。いかにも、数学をやりそうなタイプの人に見えて、良いキャスティングだったなと思いました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。数学の魅力を、よく描いてくれていて、チェ・ミンシクさんの魅力も良く出ていたと思います。あの、ちょっと寂しそうに笑う顔がイイんですよねぇ。素敵でした。全体的にもまとまっていて、誰が観ても楽しめる作品だと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「不思議の国の数学者」