「エスター ファースト・キル」
を観てきました。
ストーリーは、
オルブライト家の一人娘で6歳のエスターが行方不明になってから4年。ある日、エスターが見つかったという朗報が警察から届けられる。父、母、兄は数年振りの再会という奇跡にこの上ない喜びを感じ、10歳に成長したエスターを迎え入れる。しかし、4年ぶりに戻ってきたエスターは何かが変わってしまっていた。
というお話です。
2007年エストニアの精神病患者リーナ・クラマーは、下垂体機能低下症と呼ばれるまれなホルモン障害を持ち、10歳ほどで成長が止まり、現在は31歳になる。警備員を騙し、セラピストの車に隠れて、ザールネ研究所からの逃亡を図り、まんまと逃げおおせた。ネットで行方不明者のリストを調べ、エスター・オルブライトという名の少女として警察に保護される。
2007年、アメリカで暮らすオルブライト家は、4年前に6歳で行方不明となった愛娘エスターの失踪事件に今なお心を痛めていた。そんなある日、エスターが保護されたという思いがけない知らせが夫妻のもとに届く。この奇跡のような出来事を手放しで喜ぶ一家。
母親トリシアは、エストニアに迎えに行き、驚くほど成長したエスターに再会します。トリシアは困惑しながらも、聡明で才能も豊かなエスターを連れ帰ります。話をすると、祖母が亡くなったことを知らなかったり、以前は描かなかった絵を描くようになり、とても上達していました。本当にエスターなのか、トリシアは疑い始めます。画家の父親アレンには、昔以上にべったりになり、一緒に絵を描く時間も増えました。
エスターを疑い始めたのはトリシアだけではなく、彼女を捜索していたドナン刑事も彼女を疑い始め、周りを調べ始めます。そんなドナンに、エスターは牙を向け始め…。後は、映画を観てくださいね。
あの「エスター」は、何処からどうやって来たのかという事を描いています。ファースト・キルという副題が付いてるけど、本当のファースト・キルは何十年も前に起こしていて、とんでもない数の人間を殺しているんだろうけど、”エスター”という名前になってからの、最初の殺人ということで、この名前が付いたようでした。だって、エスターになる前に、凄い数の人を殺してるんだもん。
最初は、エストニアの精神病院というか、研究所に入っていて、そこでは、本名のリーナ・クラマーという名前で呼ばれているんです。診療記録があるようで、成長が止まっているだけで、既に31歳らしいんです。で、その研究所から抜け出すんだけど、結構、簡単に抜け出しちゃいます。警備員がボンクラで、つい、彼女に騙されたりして、強固なシステムも人間がダメダメじゃ、意味が無いんです。
そして、ネットを使って、アメリカで捜索願が出されている少女の写真を検索して、自分に似ている「エスター」という少女に成り代わるんです。これは、結構、無理があるなぁと最初は思ったのですが、後から、こういう理由があるなら、確かに入れ替わっても、上手く行っちゃうだろなと思いました。色々と、裏があるんです。
沢山の殺人を犯して、エストニアからアメリカへ抜け出したエスター。そこから、恐ろしい話が始まります。これは、よく考えられているなと思いました。これ、2007年という設定だから上手く出来たけど、現代だと、至る所に監視カメラがあるから、これほど、色々な事が、エスターが望む通りには行かないだろうなと思いました。何処かの監視カメラに映るから、子供だから悪い事しませんって言っても、解っちゃうよね。
それに、DNA鑑定とかをすれば、親子関係だけじゃなく、ホルモン異常の病気だという事も解ると思うんです。遺伝子の何処かがおかしくないと、成長ホルモンが止まるなんてあり得ないですから。なので、ちょっと昔のストーリーだから出来る事なのかなと思いました。
それにしても、恐かったなぁ。だって、まさかという所にひょっこり現れるんだもん。子どもっぽく見えるけど、時々、すごくオバさんっぽく見えたりして、その変化が怖いんです。でも、以前にエスターを演じた女優さんが、よく同じキャラクターを演じたと思って、ビックリしました。10年以上も前の映画なので、12歳だった彼女は、25歳になって演じていたんです。身体も大きいし、どうしたんだろうと思ったら、子役が演じている部分も多かったみたいですね。顔だけ差し替えかしら。
ストーリーは、よく考えられていたと思います。エスターが入り込むオルブライト家にも色々と問題があって、でも、エスターが帰ってくることで、画家なのに絵が描けなくなっていた父親のアレンは、元気になります。それを見て、母親のトリシアは安心するのですが、やっぱりエスターは何か違うと感じています。兄のグンナーも、あまり興味が無さそうで、遠巻きに見ている感じ。何でトリシアとグンナーが、ちょっと距離をおいているのかなということは、段々と解ってきます。ここに、重要な秘密があります。うーん、面白かった。
エスターは、父親のアレンを気に入り、自分の恋愛対象として見始めます。そりゃ、そうですよね、だって、31歳の女性なんだから。そして、母親のトリシアと対立するようになっていきます。エスターも怖いけど、トリシアも段々と怖くなっていきます。女の戦いは、何となくねっとりしているから、本当に怖いです。
ネタバレは出来ないけど、まぁ、ファースト・キルだから、殺すのは確定でしょ。誰が殺されて、誰が残るのかは、映画を観てください。結構、最後の方は、アクションが凄くて、壮絶な殺し合いが展開します。まぁ、1作目の「エスター」を観ていれば、このエスターが、どれだけ残酷で狂暴なのかは、知ってますよね。今回も、その凶暴さが全開です。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。お話としては面白く出来ているのですが、やっぱり怖い。幽霊とかの怖さじゃなくて、人間の怖さが凄いんです。子供の姿をして襲って来て、力も強いので、大人でもやられちゃうんですよ。本当に怖かったです。なので、ホラー映画がダメな人は、止めた方が良いかもしれません。でも、ちょっとなら我慢出来るかなと思ったら、観て欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「エスター ファースト・キル」