「セールス・ガールの考現学」日本と変わらない街ウランバートルにビックリ。面白い映画でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「セールス・ガールの考現学」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

モンゴルの首都ウランバートルで家族と暮らしながら大学で原子工学を学ぶサロールは、頼まれて怪しげなアダルトグッズショップでアルバイトすることに。人生経験豊富な女性オーナーのカティアが営むその店には大人のオモチャが並んでおり、毎日さまざまなタイプの客たちがやって来る。サロールはカティアや客たちとの交流を通して、自分らしく生きることを学んでいく。

というお話です。

 

原子力工学を学ぶ大学生のサロールは、怪我をしたクラスメイトから、彼女が働けない間の代理としてアダルトグッズ・ショップのアルバイトの話を持ち掛けられる。とくべつ仲の良い友だちではなかったが、高給なうえに簡単な仕事だと説かれ、一ヶ月だけ働くことに。

そこは、大人のオモチャが所狭しと並ぶ、街角のビルの半地下にある怪しげなショップ。友達へのプレゼントにとグッズを吟味する女性や、友人同士で訪れる客、人目を気にしながら一人で来店する客もいれば、グッズのデリバリーを頼むお客も少なくない。

ショップのオーナーはカティアという、高級フラットに独りで暮らす謎多き女性。彼女のもとに、一日の終わりに売上金を届けに通ううち、二人の間に不思議な友情が芽生えていく。

カティアはどうやら昔はバレリーナとして有名だったらしく、人生の苦難や試練を数多く乗り越えてきたようで、サロールを色々な所へ連れ出していく。

ショップのお客やカティアと交流する中で、しだいに自分らしく生きていく道を考えるようになるサロールだが、ある日、グッズのデリバリーをした先で、お客にお金で買われそうになり、逃げ帰ってくる。カティアは知っていたのではと、不信感を抱き、バイトを辞める事にするのだが…。後は、映画を観てくださいね。


 

この映画、面白かったです。モンゴル映画とは思えないほど進んでいて、ウランバートルの街は、まるで日本の渋谷や原宿のように発展しており、路地にはおしゃれな店も並んでいました。まぁ、実際は、結構、危ない街らしいんですけどね。そんな街に住み、大学に通うサロール。原子力工学を専攻しているのですが、実は、絵を描きたいと思っているんです。原子力工学は親に言われて仕方なく専攻したんです。モンゴルは、硬い職業に就くために理系を専攻した方が良いと思われているようで、サロールの親も、良かれと思ってそうさせたんじゃないかな。

 

ある日、バナナの皮で滑って転んで足を骨折した同級生が、サロールに自分の代わりにバイトをして欲しいと頼んできます。サロールが他に友達いないの?言うと秘密のバイトだから、口の堅そうなサロールに頼みたいらしいんです。そのバイトとは、アダルトググッズショップの定員。いやぁ、モンゴルにもあるんですね、アダルトショップ。

 

 

お給料も良いし、引き受けたサロールは、初めてのアダルトグッズショップに興味深々で、不思議の国のアリス状態になっていました。そして、店を閉めると、売り上げを持ってショップオーナーのカティアの家に行くのがその日の最後の仕事です。初めて会うカティアは、ちょっと怖そうなオバサンですが、綺麗な人でした。

 

そこから二人の関係が始まって行きます。サロールは、大学生なんだけど、まだまだ親にべったりで、親の言う事を聞く”良い子”なんです。でも、カティアは、自分の未来は自分で決めなくちゃと言わんばかりに、意志を持ちなさいと言います。大学の専攻の事も、未来への考え方も、今までサロールは、何も考えずに来ちゃったんです。

 

 

そんなサロールの目を開かせようとするカティアは、詳しくは語られませんが、写真などから、若い頃にダンスで有名になって成功を掴んだんじゃないかな。カティアのセリフに、「成功の為に、若さを犠牲にしてはダメ。」というのがあり、もしかしたら成功はしたけど、若さを犠牲にしたから、今一人で暮らしているのかなと感じました。

 

でも、どうなのかしら。若い頃に、脇目もふらずに頑張ったからこその成功で、年を取ってからでは成功は無かったかもしれません。若い頃に仕事を頑張ってしまうと、私もそうですが、子供を産んだり、結婚生活を楽しんだりというという事が犠牲になってしまいます。どちらが良いのかは、自分の選択だと思うんです。だから、どちらを取ったとしても、後悔はしちゃいけません。どちらもしあわせなんです。

 

カティアは、色々と考えて、今、後悔が残っているのかな。それぞれの選択だから何とも言えないけど、でも、精一杯頑張って、成功を手にしたのなら、それで満足して良いと思いますけど。人間、身体は1つしかないから、両方やる訳には行きませんからね。そんなカティアの姿を見て、サロールはどう思ったんだろう。自分の好きなように生きていく決心は出来た様に見えたけど、彼女が何を選択するのかは、まだ、解りません。若いですからね。

 

 

サロールは、良い時期にカティアと出会う事が出来て、未来が開けて良かったんだろうと思います。もし、出会わなかったら、親の言うままに、大学を卒業して、就職して、結婚して、子供を産んでという、決まったレールを走っていたでしょう。時代は変わっているのに、親の価値観は変わらず、それに振り回される子供たちも多いのだと思います。でもね、世界が変わっているのだから、やっぱり意識も変えていかないとね。親がごり押ししてはいけないんです。

 

そうそう、アダルトショップの事を書かなくちゃ。私もそんなに知らないのですが、今どきは、色々な種類があるようですね。バイアグラも、その女性用もあるようでした。バイブレーターやダッチワイフなど、色々なモノが置いてありましたが、さすがにテンガは無かったみたいだな。でも、この店もそうだけど、アダルトグッズショップって、やっぱりちょっとハズかしいから、男性と女性と分けて欲しいですよね。同性同士なら、何となく見てみない振りで良いけど、異性が同じ店舗にいると、ゆっくり選んだり出来ないもん。ま、最近はネットで購入出来るから良いけどね。

 

 

サロールも危険な目に遭ったけど、アダルトグッズのデリバリーはダメですよ。絶対にこういう危険はあると思いました。もし、どうしてもと言うなら、屈強な男性が届けるとかでないと、危なくて。カティアも危険な事はあるかもと思っていたなら、サロールに先に注意しておかないと、連れ込まれてからでは遅いんです。もー、危なかった!

 

モンゴル映画なのに、こんなに攻めてる内容で、凄く面白いと思いました。若い女性の気持ちが、とても良く描かれていて、嬉しかったし、楽しかったし、可愛かったです。サロールを演じているバヤルツェツェグさん、凄く可愛くて、実は脱ぐとスタイルが素晴らしく良くて、顔はちょっと若い頃の堀北真希さんに似ていました。可愛いの解るでしょ。まだ、学生さんの様です。

 

一方のカティア役のエンフトールさんは、モンゴルで有名な俳優さんだったそうですが、今はドイツに住んでいて、映画への出演は30年ぶりだそうです。でも、30年ぶりとは思えない、素晴らしい俳優さんでした。この役と現実が、ちょっとリンクしていたから、良かったのかな。オーラがとてもある女優さんでした。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。新しいモンゴルの魅力も満載だけど、二人の女優さんの魅力も素晴らしかったし、人間ドラマとしてのストーリーも良かったです。日本でリメイクしてくれたら、凄くウケそうな内容だと思いました。だって、日本も若い子たちが未来を見れなくなっているし、親たちが古い固定概念に囚われていて子供が犠牲になっていたりするでしょ。自由に生きなさいって、誰かが言ってあげないとね。良い映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「セールス・ガールの考現学」