「丘の上の本屋さん」
を観てきました。
ストーリーは、
イタリアの風光明媚な丘陵地帯を見下ろす丘の上にある、小さな古書店。店主のリベロはある日、店の外で本を眺めていた移民の少年エシエンに声を掛ける。好奇心旺盛なエシエンを気に入ったリベロは次々と店の本を貸し与え、エシエンは、リベロが語る読書の素晴らしさに熱心に耳を傾ける。本の感想を語り合ううちに、2人は年齢や国籍を超えた友情を築いていく。
というお話です。
詳しいあらすじを書こうと思ったのですが、この映画、上記に書いてあるあらすじで十分に全てを説明しているんです。驚くほど、雰囲気だけで描いている映画でして、詳しい説明とかは、必要無いんです。良い映画でした。
リベロという古書店の店主。丘の上にお店がありまして、いつもよいしょよいしょと登ってきます。もう随分な年齢だと思います。あまり買いたくない古本でも、頼まれれば買ってしまうような人で、良い人なんだろうなということが伝わってきます。
ある日、病院へ行くから店番をお願いしたいと、隣のカフェの店員のニコラに頼みます。そして、いつもより遅れてきたリベロは、検査結果の書類を見て暗い顔をしています。ここで、きっとリベロは身体の状態が悪いんだなと想像が出来ました。でも、そのことは誰にも言わないんです。友達にも、身体は大丈夫って言ってました。
それから数日後、店頭に見かけない子が来ているのに気が付きます。声をかけると、移民の子でエシエンという名前だと言います。リベロが、読みたい本があるなら貸してあげるから持って行って良いというと、嬉しそうにコミックを持って行きます。そして、後日、返しに来ると、また、本を借りていきます。そうして、何度も何度も、本を借りていき、リベロが薦める、最後の本を渡します。
この映画、古本屋のオヤジさんが、暮らすのに精一杯の移民の子に、本という知識を分け与えて、どんな場所でも、誰にでも、権利はあるんだという事を教えていきます。それだけなんだけど、何か大切な事を教えてくれているようで、ジーンとするんです。誰にでも分け隔てなく、顔を見て、本の売り買いをしていたリベロ。彼の過去は、全く解りませんが、丘の上の狭い古本屋を一人で営んでいて、きっと、沢山の苦しい事を経験してきて、最後にここに辿り着いたんじゃないだろうかという感じに見えるんです。
古本には、哲学書が多く、これもきっとリベロの過去に関係があるのだと思います。頭を使う仕事をしていたんじゃないかな。過去は一切解らないけど、でも、ニコラは知っていたのかな。ニコラはリベロが具合が悪そうなのも気づいていて、随分と世話をやいていました。ニコラだけが、リベロに近い人だったように思えます。きっと、リベロには彼以外に、誰も身内がいなかったんじゃないかな。
ほとんど説明が無く、情報も少なく、ただ、ブルキナファソからの移民で、イタリアに来て6年たったというエシエンという少年が、古本屋に来て、本を借りていたというお話なんだけど、何とも言えない良さがあるんです。エシエンは、貧困で本を買うお金も無いんだけど、それでも一生懸命、本を読むんです。学校にも行かせて貰えていないかもしれなくて、公園でいつも本を読んでいました。
子供には、貧困で学校に行けない、本が読めないなどという格差のようなモノを感じさせたくないですよね。好きなだけ知識を吸収して欲しいし、元気に走り回って欲しい。大人の都合で苦しんで欲しくないんです。でも、世界には、そういう子供が沢山いる。そんな子供に、少しでも、本を与えたり、食事を与えたりしてあげれたら良いですよね。そんな風に思える映画でした。
なんか、あまりまとまりが無くなっちゃったけど、とにかく、良い映画でした。何事にも代えがたい、子供への奉仕を描いている映画でした。私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。本当に説明の無い映画ですが、その説明の無さが、想像を膨らませて、色々と考えさせてくれる映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「丘の上の本屋さん」