「レッドシューズ」ボクシング映画だけどモデルさんがボクサーをしてました。リアル感が一切ありません | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「レッドシューズ」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

真名美は娘と2人で暮らしているが、女子ボクシングに打ち込む彼女の経済状況は悪く、娘の養育を義母に任せるべきだという行政の判断に押され気味になっていた。そんな中、老人介護施設での職を得たものの、そこである事故を起こし、ついに娘と一緒にいられなくなる。愛する娘と暮らすため、ボクシングのファイトマネーで生活を立て直すべくリングに立つ真名美だったが…。

というお話です。

 

 

娘と二人で、慎ましくも静かに暮らす真名美は、ある日家庭裁判所に呼び出された。女子ボクシングに打ち込む真名美と娘の経済状況が悪く貧困状態にあり、娘を義母が育てるべきだという行政判断の審議が進んでいたからだった。娘が保育園で栄養失調ぎみで倒れるという事があり、義母も心配していたのだ。

 

ボクシングの練習をしながら働く真名美は、パート先で理不尽なパワハラを受ける同僚を庇って、上司に口答えをしてしまい、職場をクビになってしまう。仕方なく職安に行き、新しい職を探し、新たに老人介護施設での仕事を得る。女性にしては力もあり、嫌な仕事も引き受けて、介護の資格を取ることも考え始めた矢先、そこである事故を起こしてしまい、警察に留置されてしまう事に。誤解ということで釈放されるのだが、娘は既に義母の所へ連れていかれてしまっていた。このままでは、本当に娘とは暮らせなくなってしまう。

 


 

娘を取り戻すためには、ボクシングの試合に勝ってファイトマネーを得て、生活を立て直すしかないと思った真名美は、チャンピオン戦へ挑戦することを決意する。もう真名美には試合に勝って奇跡を起こすしかなかった。そして…。後は、映画を観てくださいね。

 

スミマセン、キツイ事を書いてしまいますが、この映画、酷かったです。こんなに良い俳優さんが出演してくださっているのに、残念です。まず、最初に、主人公の真名美は、プロボクシング選手なんですよね。テストも受かって、認定されていながら、全く身体がボクシングをする身体じゃないんです。

 

 

少し前に公開された「ケイコ 目を澄ませて」で、岸井さんは、ボクサー用のトレーニングを重ねて、肩が筋肉で盛り上がっていたり、痩せていても筋肉はついている身体を作っていました。でも、この映画の朝比奈さんは、全くモデル体型のままでした。映画なんですから、せめて観て判るくらいには筋肉を付けて欲しかった。それに、手も顔もキレイなまんま。凄く強いボクサーで、顔にはパンチを浴びないという方もいらっしゃいますが、通常、顔にパンチを浴びるのですから、腫れあがったりして、傷がついていなければおかしいんです。手も白魚のような手で、ちょっと、あまりにもあり得ないと思いました。

 

 

HPの解説には、トレーニングをしたと書いてありましたが、ボクシングの試合や練習を見ても、全くボクシングの練習を重ねていたとは思えないようなパンチの出し方でした。私の年齢なら知っていますが、ミッキー・ロークがボクシングの試合をした時、”ネコパンチ”で相手を倒して、八百長だと騒がれましたが、その”ネコパンチ”と同じ出し方なんです。いやぁ、そうそう、ステップも足が開いたままで、あれでは素早い動きが出来ないですよね。さすがに、ボクシング映画にして欲しく無かったなと思いました。

 

ボクシングを絡ませた、シングルマザーの感動の作品にしたかったんだろうけど、まず、ボクシングという主題でつまづいています。そして、真名美の仕事に関してですが、パート従業員へのパワハラの場面。あれ、訴えれば直ぐに勝ちます。あの場で、本部に連絡をし、こんな言われ方をして、仕事が滞っていますと言えば、店長がクビになるか、飛ばされます。

 

 

それに、介護施設での事件ですが、あれも、杖を使っての暴行ですから、あちらが暴行罪になり、こちらは過剰防衛とされるかもしれませんが、問題はありません。いくら介護施設のお客様と言っても、暴力を振るったり、セクハラをしたら犯罪です。反対に訴えられます。その辺りが、とてもいい加減で、脚本、構成が悪いなと思いました。現代の常識に当てはまらないことを描かれても、変な話だなと思われるだけになってしまいます。

 

ボクシングのコーチを市原さんが演じられていて、凄くカッコいいのですが、彼が教えていても、役に立ってないので、なんか意味が無いなぁと見えてしまいました。コーチの妹で弁護士の役で、佐々木希さんが出演されていて素敵だったんですが、この彼女も、宝の持ち腐れ的で、勿体ないなと思いました。

 

 

まず、娘を育てているのに栄養失調にさせてしまうなら、義母の力を借りるべきだと思いました。ボクシングをやりたいなら、パートの仕事くらいしか出来ないんだから、それなら割り切って、娘を義母に預けて、週に1回とか会わせて貰って、それでチャンピオンを目指すべきなんじゃないの?ボクシングは、今しか出来ないんでしょ。もう、何年かで引退なんだろうから、それまでは、子供の事を思ったら、預けるべきでしょ。別に、会わせないと言っている訳ではないんだから、もう少し、頭を柔軟にして、色々な事を受け入れるべきです。

 

いやぁ、こんなに良い俳優さんが出演されているし、どんな映画かなと思ったのですが、ちょっと酷かったですね。前に、「ケイコ 目を澄ませて」という、素晴らしいボクシング映画が出来ているので、さすがに、そちらと比べてみてしまうと、あまりにも劣っていて、悲しくなりました。今思うと、岸井さんは、凄い努力をしたんだろうなと感じます。あの映画の時期だけ、あの身体を創り上げたんですから、素晴らしいです。

 

 

私は、この映画、うーん、お薦め出来ません。この中途半端な作り方で、ボクシング映画を作りましたというのが、私には受け入れられませんでした。やはり、作るなら徹底的にボクシングの教育をして欲しいし、身体も作って欲しい。綺麗な顔や手でボクサーですとは言わないで欲しい。これは映画だし、作り物だからというなら、観に行った私が間違っていました。ごめんなさい。それでも気になるなら、観に行ってみてください。私は止めません。

楽しめることをお祈りしています。カメ

 

 

「レッドシューズ」