「エンパイア・オブ・ライト」辛い状況の中から一歩踏み出すのは勇気がいるけど、前に進まなきゃね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「エンパイア・オブ・ライト」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

厳しい不況と社会不安に揺れる1980年代初頭のイギリス。海辺の町マーゲイトで地元の人々に愛されている映画館・エンパイア劇場。そこで働くヒラリーは、つらい過去のせいで心に闇を抱えていた。そんな彼女の前に、夢を諦めて映画館で働くことを決めた青年スティーヴンが現れる。

というお話です。

 

 

1980年、ヒラリー・スモールは、イギリスのケントの北海岸にあるマーゲイトという海辺の町にある「エンパイアシネマ」という地元民に愛される映画館でマネージャーとして働いている。ヒラリーは、辛い過去を経験し、現在も双極性障害に苦しんでおり、医者から薬を処方されていた。そんな状態のまま、映画館の支配人であるドナルド・エリスと不倫関係を続けている。

厳しい不況と社会不安の中、ある日、彼女の前に、夢を諦め映画館で働くことを決意した黒人青年スティーヴンが現れる。スティーヴンは、大学の建築学部の入学を断られ、進学を諦めて、この仕事を始めたのだった。マネージャーのヒラリーは、スティーヴンに映画館の中を案内し、彼に請われて、立入禁止となっている、今は締めているスクリーンへと案内する。海辺が一望出来るエントランスは美しい。そこで怪我した鳩を助け、二人の距離は縮まる。



 

その時代、不況の為に人種差別が広がっており、スティーヴンも嫌がらせを受けることが増えていた。そんな中、職場の仲間たちの優しさに守られながら、過酷な現実と人生の苦難に常に道を阻まれてきた二人は、次第に心を通わせ始める。前向きに生きるスティーヴンとの出会いに、ヒラリーは生きる希望を見出していく。しかし、時代の荒波は二人に想像もつかない試練を与えるのだった。

 

エンパイア劇場で”炎のランナー”のプレミア上映が決まり、市長や有名俳優などが集まる事となった。当日、休んでいたヒラリーが、何故か会場に現れて…。 後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、良い映画だったなぁ~!私、この映画、本当に好きです。生きていれば苦しい事が沢山あって、何で自分ばかりと思うことも出てくるんだけど、それに抗って、自力で前に進まなくちゃ、何も変わらないんですよね。

 

主人公のヒラリーという女性は、子供の頃から、母親に精神的な虐待を受けていたようで、長い間、双極性障害で苦しんでいます。病院にも何度か入り、現在は薬(リチウム)を処方されているようでした。そんなヒラリーの心の弱さに付け込んで、支配人のドナルド・エリスは、支配人室に彼女を呼びつけては、SEXをしています。許せないでしょ。凄くイヤな奴でした。ヒラリーは、嫌だと思いながらも、何となく嫌われたくなくて、彼の求めに応じているようでした。

 

 

そんな悶々とした毎日を送っていたヒラリーの前に、スティーヴンという青年が現れます。劇場に新人として入ってきたんです。本当は、大学で建築を学びたかったようなのですが、入学が認められず、仕方なく仕事に就いたんです。ヒラリーからみたら、夢を持っているキラキラした存在に見えたんじゃないかな。若くて、何にでも興味を持つ、素敵な青年に見えたのだと思います。

 

でも、年齢が離れすぎていると思いました。スティーヴンは、大学に入ると言っているから、20歳前後でしょ。でも、ヒラリーは既に40代だったと思うのよ。スティーヴンの母親と同じ年代なんじゃないかな。今どき、年齢なんて関係無いというけど、やっぱり、スティーヴンの母親はおかしな顔をしていたし、ヒラリー本人も、スティーヴンの母親には会いたくなさそうだったですもん。いくら好きでも、やっぱり年齢の事を思うと、ちょっと躊躇したんだと思います。

 

 

二人の距離が近づき、ヒラリーは、支配人のエリスとの関係を切ろうとします。でも、嫌がらせをされたりして、可哀想でした。でね、もちろん、それで黙っているヒラリーではありません。すんごい仕返しをするんだけど、それは、映画で観てください。きっと、スティーヴンのことが好きなのに、エリスがいつまでも目の端に映るので、精神的に追い詰められて行ったのだと思います。うーん、私がエリスだったら、一番、やられたくない仕返しだと思います。穏便に済ませておけば良かったのにね。

 

スティーヴンは黒人です。母親の時代にアフリカからイギリスに来たと言っていました。この不況の時代、白人たちが、「自分たちの仕事を黒人たちが取っているから仕事が無いんだ。」と言って、黒人を酷く差別して、暴動で黒人たちに暴行をしたりしていました。スティーヴンも、何度も危険な目に遭っていたのですが、その暴動はどんどん酷くなり、貧困層の白人が暴徒化するという事件が起きます。

 

 

なんか、その映像を観ていて、ちょっと今の日本にも通じていると思ったのですが、日本にも、海外から技能実習という名目で外国人が入ってきているでしょ。今のところ、日本人の仕事が無くなることは無いけど、もし、不況が酷くなり、日本人の仕事が無くなったら、同じような事が起きますよね。外国人は出て行けっていう事が出てくると思うんです。どこの国も同じだから、そうならないように、上手く仕事を配分して、景気を良くして欲しいんだけどなぁ。

 

話を戻して、それぞれ、色々な問題を抱えていますが、問題を抱えながらも、新しい一歩を踏み出して、前に進もうという気持ちを持てば、少しづつでも前に進めるんだなという事が、描かれていました。ヒラリーが、エンパイア劇場で初めて映画を観るシーンを観て、なんか、泣けました。そうなんですよ、映画を観て、楽しいって思えると、前に進めるんです。私も同じでした。映画が一歩踏み出させてくれるんです。あの映像の中に、あの光の中に、夢が詰まっているんです。それをとても感じさせてくれるような内容でした。うーん、素敵だったな。映画って、いいですよね。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。私は、凄く感動したんだけど、この感動って、あまり若い人には解らないかもしれません。年を取って、今まで成功も挫折も味わって来た人だと、また一歩進むしあわせを、この映画で味わえるような気がしました。前に進めることのしあわせを感じられる人でないと、この良さは解らないかもしれません。でも、映像も構成も、とても素敵な映画なので、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「エンパイア・オブ・ライト」