「Sin Clock」平凡なタクシー運転手が奇跡的なシンクロにより大きな夢を見てしまいます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「Sin Clock」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

理不尽な理由で会社をクビになり、妻子からも別れを突きつけられた高木は、タクシー運転手として働いていた。ある日、タクシーに乗せた政治家・大谷が、数億円もする幻の絵画につながる手がかりを漏らす。高木は驚異的な記憶力を持つ番場や裏社会に通じる坂口らと共に、絵画強奪計画に乗り出す。しかし想定外の出来事が連鎖し、事態は思わぬ方向へと転がっていく。

というお話です。

 

 

高木は鬱憤を溜め込んでいた。理不尽な理由で会社をクビになり、妻子から突きつけられた三下り半。ようやくありついたタクシードライバーの仕事では、客から蔑ろにされる最低の日々。

そんなある日、高木のもとにどん底の人生を変えるチャンスが舞い込んだ。“偶然”客として乗せた政治家・大谷が漏らした、数十億円もの価値を持つ“幻の絵画”につながる手がかりだった。



 

高木はサヴァン症候群により驚異的な記憶力を持つ番場、裏社会に通じる賭博狂の坂口と共に、ある計画を思いつく。たまたま、同じ時期に中途採用として入社した3人が、何故か3月3日生まれという、【3】という数字に奇妙な共通点を持っていたのだ。これを偶然と呼ぶか、必然と呼ぶか、奇妙な縁のある3人は手を組み、欲に群がるヤクザ、アウトロー、闇ブローカー、ホステスらを巻き込んだ絵画強奪計画を画策することになった。

たった一夜での人生逆転を賭けた“完璧なプラン”だったが、【3】という数字がもたらす想定外の“偶然の連鎖”に翻弄され、高木の思惑をはるかに超えた結末へと走り出していく。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。

 

 

題名のSin Clockが、内容を全て表しているという、面白い映画でした。Sin Clockというのは、”罪なる時計”という意味らしいのですが、それ以外に、シンクロニシティという”不思議な偶然の一致”という内容も含んでいます。

 

偶然により、有名絵画の強奪を画策する高木たち。たまたま、偶然と言いながら、何かに導かれるように集まり、それに群がる人間も集まり、完璧な強奪計画を立てたハズなんです。ヤクザや闇ブローカーなどが、たとえ失敗したとしても、高木たちは、上手く逃げおおせるような計画になっていて、何の抜かりもなかったハズなんです。それが、この映画の題名となっている、”時間”と”シンクロ”によって、崩れていくというのが、良く出来ていると思いました。

 

 

最初も、時間とシンクロによっての偶然の出会いだったのに、彼らが実際に動き出すと、今度は時間とシンクロが邪魔をするという、何とも悩ましい展開になりました。そこに神様が介在したのか、どうなのか。でも、私は、こういうシンクロって現実にもあったりして、偶然とは思えない時は、神様が何かやっているんだと思うようにしています。その方が面白いし、自然に受け入れられるでしょ。

 

高木は、何をやっても上手く行かず、諦め気味だった時に、代議士の大谷をタクシーに乗せることになります。ホステスと一緒に乗ってきて、只のエロジジイでした。そこで話していたヌニェスだか、ノニュスだか、という単語を、高木が会社に戻って、仲間と客の話しをしていた時に出すと、番場が、それ画家の名前だと思うと言います。それが画家の名前だとすると、話していた内容の辻褄があってくるんです。

 

 

そのヌニェスの絵は、幻の絵画と呼ばれ、世界に10点ほどしかなく、時価数十億と言われるモノなんです。ま、実際にそんな画家は知らないので、映画の中の創作だと思いますが、その絵を横取りして、裏社会に売っぱらえば、大儲けが出来ると考えて、絵の強奪を考え始めるんです。

 

ここからはワクワクドキドキでした。だって、それまでうだつの上がらない場面ばかりで、タクシー運転手って、ホントに可哀想だなって思う事ばかり起きているんですもん。ろくなお客がいないし、損してばかりなんです。私、タクシーに乗る時に、そんな酷い態度で乗ってないけどなぁって思っちゃいました。逆に、タクシー運転手さんで、凄く荒っぽい運転の人にあった時は、さすがにタクシーカードを取ってきた覚えがあります。

 

 

話を戻して、ネタバレ出来ないから、感想を書くのが難しいんだけど、この映画のトリックは、良く出来ていたと思います。おおー、そういう事だったのかと納得が出来たし、そんな事も出来ちゃうんだって事もあったし、そりゃ、相手が一枚上手だったかなぁって思ったし、色々と、考えさせられました。面白かったです。

 

でも、ここからちょっと文句を言わせていただくと、色々なシーンが、どーもピッと切れないで、もやもや~んという感じで切られるんです。シーンが途切れて、ゆっくり暗転みたいな、そんな感じで、その後どうなったの?という場面が多いんですよ。想像すれば解るでしょと言われればそうなんだけど、全部がそうだと、どーも観ていると、もやもやするんです。歯切れが悪いのよね。

 

 

一部はもやもやでも良いけど、ここは歯切れよくピッとセリフで終るとか、そういうメリハリが無いと、場面の印象が薄れるんです。どれも同じに見えちゃうんです。だから、この場面は美しいし、印象に残したいという部分は強くして、そうでないとこはもやもやでも良いと思うんです。折角の場面が印象に残らないのは、勿体ないなぁと思いました。

 

ストーリーとしては面白いので、もう少し、観せ方を考えて欲しかったです。窪塚さんもカッコいいし、坂口さんや葵さんも良かったし、キャストも良かったということで、もっと褒めたい映画なんだけど、ちょっとメリハリが欲しかったなという感じでした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。映画としては、面白いと思います。ちょっと文句も言いましたが、窪塚さんがイイ味出してくださっていて、これからも彼が観たい!と思わせてくれました。窪塚の代わりは、他にいませんよね。あのオーラは彼独特だと思います。窪塚さんには、金カムに出て欲しいなぁ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「Sin Clock」