「あつい胸さわぎ」舞台の映画化です。母と娘の気持ちが痛いほど伝わってきました。舞台も観てみたいな | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「あつい胸さわぎ」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

港町で暮らす、母・昭子と2人で暮らす千夏。芸大に合格し、大学から出された創作小説の課題「初恋の思い出」に取り組んでいる。ある日、昭子は千夏の部屋で、乳がん検診の再検査通知を見つけ、本人以上にネガティブになってしまう昭子。千夏は再検査に訪れた病院でも気が乗らない様子。やがて、2人の日常にある変化が訪れる。

というお話です。

 

 

港町の古い一軒家に暮らす武藤 千夏と、母の昭子は、慎ましくも笑いの絶えない日々を過ごしていた。

小説家を目指し念願の芸大に合格した千夏は、授業で出された創作課題「初恋の思い出」の事で頭を悩ませている。千夏にとって初恋は、忘れられない一言のせいで苦い思い出になっていた。その言葉は今でも千夏の胸に“しこり”のように残ったままだ。だが、初恋の相手である川柳 光輝と再会した千夏は、再び自分の胸が踊り出すのを感じ、その想いを小説に綴っていくことにする。



 

一方、母の昭子も、職場に赴任してきた木村 基晴の不器用だけど屈託のない人柄に興味を惹かれはじめており、20年ぶりにやってきたトキメキを同僚の花内 透子にからかわれていた。親子ふたりして恋がはじまる予感に浮き足立つ毎日。

そんなある日、昭子は千夏の部屋で“乳がん検診の再検査”の通知を見つけてしまう。娘の身を案じた昭子は本人以上にネガティブになっていく。だが千夏は光輝との距離が少しずつ縮まるのを感じ、それどころではない。「こんなに胸が高鳴っているのに、病気になんかなるわけない」と不安をごまかすように自分に言い聞かせる。



 

少しずつ親子の気持ちがすれ違い始めた矢先、医師から再検査の結果が告げられる。初恋の胸の高鳴りは、いつしか胸さわぎに変わっていった。 (公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。

 

この作品は、舞台で上演されていた戯曲の映画化です。女性の微妙な心情の変化を、よく描いている映画だなと思いました。大学生で、いきなり乳がんの疑いがあると言われたら、本当に地獄に突き落とされたような気持ちになるんじゃないかな。だって、これから恋愛をして、結婚もしたいと思っていたとしたら、その未来が消えてしまったような気持ちになると思います。

 

 

手術すれば良いとか、再建手術があるからと言われても、それは無理ですよ。まだ、若いんですから。私のようなオバサンでも、やっぱり胸を手術すると言われれば、ショックだと思います。命を無くすより良いけど、それでも胸は、女性にとっては大切なシンボルなんです。

 

千夏は、今まで誰とも付き合ったことが無くて、ちょっと恋愛に対して臆病になっています。その理由が、思春期に、好きな子に”胸が大きくなった”と言われたこと。ただ、それだけ?って言われるかもしれないけど、それって、女子にはショッキングな事なんです。まだ子供で、恋に憧れているけど、それがまだSEXと結びついていない時に、”胸が大きい”と言われると、恋愛が一気にSEXと結びついて、嫌らしい汚い事に見えてしまうんです。

 

 

そして、自分自身がその対象になっていると感じて、恐くなっちゃったんじゃないかな。大体の子は、その内に恋愛を経験して、汚さを感じなくなっていくんだけど、千夏は、恋愛に進めずに足踏みをしちゃってたみたいです。なので、ずーっと片想いをしている状態で、この乳がんの知らせを聞いたので、もう茫然としてしまい、頭の中がぐちゃぐちゃだったのかなと思いました。

 

母親の昭子は心配で心配で、ああだこうだと言ってしまうのも解るんです。そりゃ、そうですよ。母親ですもん。娘が心配で、どんなことをしても、絶対に助けるという気持ちになっていたんだと思うんです。なので、昭子が慌ててしまうのも、よく解るんだけど、それでも、千夏の気持ちは着いて行かなくて、喧嘩になっちゃうんです。誰も悪くないんだけど、こういう時って、どうしようもないですよね。

 

 

だけど、どこかでしっかり向き合って、病気の治療をしなければいけないし、千夏はこれからも生きていかなければならない。そんな姿が、よく描かれている映画でした。最後の場面に感動しちゃって、涙が出そうになっちゃいました。

 

ちょっと障害を持つ、崇くんという同級生がいるんだけど、それを佐藤緋美さんが演じていて、彼がイイんですよ。ネタバレ出来ないけど、彼の一言で、本当に救われるんです。色々とごちゃごちゃ言っているよりも、彼のように行動してしまうことが、人を救う事ってあると思います。人って、考え過ぎちゃって行き詰っちゃう事って、結構多いですよね。うーん、良いお話でした。

 

 

千夏の病気が発覚して騒ぎが起きますが、この映画では、もっと色々な事が起こります。昭子が会社に入ってきた新人の木村とちょっとイイ感じになって、もしかしたら恋愛に発展するかもなんて期待したり、昭子の友達の透子はイケてる女性で若者を虜にしたり、千夏の幼馴染の光輝は素敵な年上女性にメロメロにされたり、それぞれに、色々な事が起こるんだけど、どれも日常に普通に起こる事で、誰もが、それに対処して、何となく過ごして行く。それもまた、人生なんですよね。

 

主人公の千夏も良かったけど、昭子を演じている常盤さん、良いお母さんでした。そして透子の前田さん、マジで凄い役者になってきましたね。やっぱりこの、常盤さんと前田さんのお二人が、凄く上手いので、映画がブレずに安心して観ていられました。良かったです。そして、佐藤緋美さん、先日も「少女は卒業しない」で良かったけど、この映画でも、その存在感は素晴らしいです。これから楽しみですね。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。面白かったです。少女から女性になり、自分の身体の変化や、性に対しての気持ちの変化に戸惑う姿が、よく描かれていたと思います。とても気持ちが理解出来ましたもん。そんな気持ちを抱きながら、大人になった昔を思い出しました。良い映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「あつい胸さわぎ」