「金の国 水の国」
を観てきました。
ストーリーは、
商業国家で水以外は何でも手に入る金の国と、豊かな水と緑に恵まれているが貧しい水の国は、隣国同士だが長年にわたりいがみ合ってきた。金の国のおっとり王女サーラと、水の国で暮らすお調子者の建築士ナランバヤルは、両国の思惑に巻き込まれて結婚し、偽りの夫婦を演じることに。自分でも気づかぬうちに恋に落ちた2人は、互いへの思いを胸に秘めながらも真実を言い出せない。そんな彼らの優しい嘘は、やがて両国の未来を変えていく。
というお話です。
バイカリ国とアルハミト国は、隣国ながら仲が悪く長年、戦争を繰り返してきた。ある時、国交を開こうとした王が、アルハミトの一番美しい王女をバイカリの嫁に、バイカリの一番賢い男をアルハミトの婿に差し出すという約束を両国で取り交わす。それから長年、その約束は果たされなかったが、今、やっとその約束が果たされることになる。
実は、この約束遂行には裏の思惑があった。アルハミトは水資源が無く、このままでは国が滅亡してしまう。バイカリには豊富な水資源があり、戦争をしてバイカルに移住しようと考えていたのだった。
アルハミト国の100人ほどいると言われる王女の中の末娘・サーラは、バイカル国から来る夫を待っていた。一番おっとりしており、何も言わなさそうな彼女の元に来た夫は、なんと“犬“。バイカルは、賢い男ではなく、犬を送ってきたのだ。一方、バイカル国のナランバヤルは、アルハミト国からくる嫁を待っていた。賢い男として隣国の美しい姫と結婚してするようにと言われたのだ。しかしやって来たのは“猫“。
ある日、サーラは姉姫たちに呼ばれ、バイカルから来た夫に会わせるようにと言われてしまう。犬を受け取ったサーラは、犬だったとは言えずに困っていたが、犬と散歩に出かけた先で、バイカル国のナランバヤルに出会い、自分の夫の役をして欲しいと頼み込む。
不思議な運命で出会ったサーラとナランバヤルだったが、お互いに惹かれ合う。ナランバヤルは、水不足のアルハミトを見て、バイカルと国交を結び、水を引けば、これからも安定した国力を維持出来ると考え、国を動かす左大臣に話をするが、アルハミトは王派と王女派で意見が割れていた。
はたしてサーラとナランバヤルの願いは叶うのか。平和な世の中は続くのか。二人の運命は…。後は、映画を観てくださいね。
素敵な映画でした。こんな寒い冬には、こんな暖かいお話がぴったりです。ほのぼのして、なんて言うのかな、本当に幸せな気持ちになりました。これ、漫画原作なんですね。読んだことがなかったので、これから読んでみようかと思います。
王女と建築士のラブストーリーです。二人ともが、国の陰謀に巻き込まれ、政略結婚を強いられますが、開けて見れば相手は犬と猫。素直で優しい二人は、戦争になっては困ると思い、動物が送られてきたことを内緒にし、お互いに嘘の結婚相手として、お互いを紹介します。
ナランバヤルはとても賢く、サーラの姉レオポルディーネが用意した難題を解き、王女の愛人であり左大臣サラディーンが政治の中枢をになっていることを見抜き、彼と話がしたいと申し出ます。このサラディーン、ふざけた態度を取っていますが、実は頭が良く、レオポルディーネに見込まれた人物でした。
この映画、最初は、ただのラブストーリーかと思いましたが、実は、社会派的な側面があり、よく考えられているお話でした。アルハミト国は、とても裕福な国ですが水が無い。きっと土地に水脈が無いんです。どんなに技術があっても、無いモノは生み出せません。国は段々と砂漠化しています。王・ラスタバン三世は、このままでは滅亡となるので、バイカルを攻めて、そこに移住しようかと考え始めます。それは、王の部下である右大臣からの吹き込みのようでした。
一方、王女レオポルディーネは頭の良いサラディーンを愛人とし、国の安定を模索しています。戦争は起こしたく無いと考えていて、王の企みを止めようと考えているんです。そんなところに、ナランバヤルが現れ、バイカルから水路の建設が出来るはずだという話を聞き、王女派は動き出します。戦争ではなく、国交を結ぶようにと考え始めるんです。
たまたまですが、賢い男ということでナランバヤルが選ばれ、彼がサーラと出会ったことで、2国の運命が変わっていくんです。サーラは、ナランバヤルの優しさに惹かれ、建築技師としての考えが素晴らしいと尊敬して、彼を応援し、助けていきます。しかし、ナランバヤルがアルハミトから来た嫁を娶ったと聞いて、奥さんがいるのだと思い、好きな気持ちを抑えます。
でもね、ナランバヤルのところに来た嫁は猫なんですよ。相手が犬を送ってきたと同じように、猫だったんです。それを知らないサーラは思いが強くなっていき、とても悩みます。好きなんだけど、思いが伝えられないと苦しみますが、ナランバヤルの方は、もうサーラが好きで、何とか彼女のために、国交を開いて、平和な国にしようと頑張ります。
あまりにかわいい二人に、観ていると釘付けになってしまうんです。応援したくなっちゃう。こんなに真っ直ぐにお互いが好きなのに、それが言えないというのが、もう、じりじりしちゃって、おせっかいオバさんが出ていきたくなっちゃいました。可愛かったなぁ。
それにしても、ナランバヤル、建築士と言っていたけど、これ土木ですね。映画の中では、建築技師と言っていたので、こういう計画を立てて、建築士に最終的な設計をしてもらう人ですね。水路を引くのは、大変だろうなぁ。でも、アルハミトには、エレベーターなどの技術が既にあるので、50年と言っていたけど、もっと早く出来るんじゃ無いかな。ナランバヤルも、頭が良さそう立ったしなぁ。
主役の二人の声を賀来さんと浜辺さんが演じているのですが、とても合っていて、上手かったです。他の声優さんとやっていても、まったう違和感がありませんでした。演技が上手い役者さんは、声優も上手いのかしら。驚きました。
この映画は、王道のラブストーリーであり、国の存亡をかけた社会派ドラマでした。素敵だったなぁ。観ていて、しあわせになったもん。私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。他のどの映画を観るより、恋愛映画を観たいなら、この映画を選ぶべきです。私は、原作を読んで、また観に行きたいなと思っています。素敵な映画でした。子供さんと行っても、良い勉強になるような映画ですよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「金の国 水の国」