「母の聖戦」自分の娘が誘拐されたら必死になるだろうと思います。メキシコは酷い事が起きるんですね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「母の聖戦」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

メキシコ北部の町で暮らすシエロは、10代の娘ラウラを犯罪組織に誘拐されてしまう。犯人の要求に従って身代金を支払うも娘は返してもらえず、警察にも相手にされない。自らの手で娘を救うべく立ち上がったシエロは、軍のパトロール部隊を率いるラマルケ中尉と協力関係を結んで調査していく中で、誘拐ビジネスの血生臭い実態を目の当たりにする。

というお話です。

 

 

メキシコ北部の町で暮らすシエロ。彼女のひとり娘である十代の少女ラウラが犯罪組織に誘拐された。直ぐに別居中の夫に連絡をし、誘拐犯からの身代金要求を伝え、冷酷な脅迫者に従い、20万ペソの身代金を支払ったのだが、ラウラは帰ってこない。

娘を待っていると、今度は違う男から連絡があり、再度、身代金を払えば、必ず返してやると言われ、また5万ペソを払うが、それでも帰ってこない。

警察に相談しても、全く相手にしてもらえないシエロは、自力で娘を取り戻すことを胸に誓い、犯罪組織の調査に乗り出す。自分と同じように、子供を誘拐された雑貨店の女性に話しを聞き、誘拐犯の車に描かれていたマークのある店を見張ることにする。すると、女性がボスの誘拐集団が見えてくる。



 

ある日、軍のパトロール部隊を率いるラマルケ中尉と出会い、協力関係を結び、組織に関する情報を提供したシエロは、軍と一緒に、誘拐ビジネスの闇の血生臭い実態を目の当たりにしていく。最初の組織を潰し、娘を探すのだが、あまりの死体の多さに驚いてしまう。

 

1つ目の組織からは、娘は発見出来ず、今度は次の組織の関係先を当たっていく。すると、夫の関係者が誘拐に加担していた事実が発覚していく。人生観が一変するほどのおぞましい経験に打ち震えながらも、行方知れずの最愛の娘を捜し続けるシエロは、いかなる真実をたぐり寄せるのか。 後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、実話を基に作られているそうですが、メキシコでは、誘拐でビジネスが成り立っているという事自体に驚いてしまいます。ある日、突然に、普通の少女が誘拐され、身代金を要求されるんです。家が金持ちだろうが何だろうが関係無く、ただ気分で誘拐して、身代金を要求。お金を回収しても、返すか返さないかは、彼らの気分次第。快楽で人を殺しているようにも見えました。

 

突然に娘を誘拐されたシエロは、別居中の夫に相談して、身代金を用意して払うのですが、娘は帰ってきません。犯人に娘を返して欲しいというと、”必ず返す”と言うのですが、それは嘘です。2度も身代金を要求され、払っても、娘は帰ってきません。

 

 

夫は雑貨屋を営んでいますが、シエロの他に女性が出来て、家を出て行き、別居しています。身代金を払うのに、雑貨店の商品を担保にしたりしてお金を借り、何とか払ったのに、娘は帰ってこないんです。家に一人で娘を待つシエロは、もう、気が狂いそうで、とうとう自分で誘拐犯の調査を始めてしまいます。

 

もちろん、素人ですから、彼女が動き出した事に気が付いた誘拐犯が、家に投石をして嫌がらせをしたり、車を燃やしたりしましたが、シエロは諦めません。警察は、一応、事件を受け付けますが、全く捜査をする気配はありません。何故なら、あまりにも誘拐ビジネスの組織が多く、手が付けられないというのが現状のようでした。

 

 

そんな時、街を回っていた軍パトロール部隊を見つけて、自分が調査をした資料を渡すから、娘を探して欲しいと懇願します。マルケ中尉は、シエロの話しを聞き、情報を元に誘拐組織の逮捕に動いてくれます。軍が、一般女性の話しを聞いて、一緒に動いてくれるという事に驚きました。普通は危ないから、資料だけを貰って、軍だけで動くでしょ。でも、このマルケ中尉は、シエロに話しを聞きながら、現場で組織のボスを逮捕をするんです。ビックリしました。

 

逮捕された組織のボスの尋問も、シエロの前でやるので、それ、一般市民に見せていいの?と思ってしまいました。拷問する場面も何もかもを、シエロの目の前でやり、シエロにも娘の行方を訪ねなさいと言うんです。通常は、写真を持って行って、軍の人が聞くんじゃないの?あまりにも強引だし、こんな事をしても怒られないのかなと思いました。軍の活動って、秘密が多いでしょ。


 

幾つかの組織関係者を捕まえて、尋問をするんだけど、シエロの娘は見つかりません。どの組織のアジトに行っても、凄い拷問の跡が残っていて、ここまでするか?っていうほど残虐でした。サイコパスでさえ、ここまで大量の人間を拷問して殺すことはないんじゃないかしら。死体の山という言葉が、そのまま当てはまるほどでした。きっと、誘拐してしばらくすると、みんな、拷問して楽しんで、殺していたんでしょうね。

 

そんな残酷な事が出来る犯人って、どんな人間なんだろうと思いますが、普通に街を歩いていて、家族もいて、子供を可愛がっているんです。驚きますよ。同じ人間なのに、人質は人間と思っていないのだと気が付きました。彼らにとっては、商品なのでしょう。全く、”情”というモノが無いんです。シエロが、どんなに犯人に情を訴えても、全く動じないのも理解出来ます。彼らにとって、自分以外はモノなんです。その意識に驚きました。どうしてそんな国になってしまったんでしょうね。

 

 

この映画は、実際の事件が基になっているので、本当にメキシコの現状は、こんな感じなのだと思います。酷い状況なのでしょう。これでは、メキシコから出て行きたいと思うのも理解出来ます。

 

本当は、ラストに関して、皆さんに意見を聞きたかったんだけど、ネタバレ出来ないので詳しくは書けないんですが、もし、観た方がいらしたら、どちらだと思うか教えていただきたいなぁ。最後に、シエロの前に来たのは、誰だと思いましたか?しあわせな結末なら娘だと思うけど、悪い結末だと組織の人間が報復に現れたと思うし、それとも夫が帰ってきたとか、警察が何か資料を持って訪ねて来たとか、幾つかのラストを考えました。だって、この結末だと、シエロは諦めないだろうし、観た人によって、結末は考えてくださいという事だと思うんです。

 

 

凄い映画でした。あまり気持ちの良い映画ではないですが、同じ地球でも、国によって、こんな事もあるのだと知ることが出来ました。私は、この映画、お薦めしたいと思います。但し、あまりスッキリする映画ではないので、メキシコという国が、現状ではどうなっているのかという事を知るには良いと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

P.S : 公式HPに、何故かシエロがシングルマザーと書いてあり、あらすじを書いた人は映画を観ていないと思いました。映画の中でシエロが別居と言っているし、夫もシエロの家が自分の家と言っています。さすがに宣伝する人は映画を観てからあらすじは書いて欲しいです。

 

 

「母の聖戦」