「ベネデッタ」修道女だって人間です。欲も妬みも憎しみも持っていて、それが身を滅ぼして行くんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「ベネデッタ」

 

を観ました。

Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

17世紀、ペシアの町。聖母マリアと対話し奇蹟を起こすとされる少女ベネデッタは、6歳で出家してテアティノ修道院に入る。純粋無垢なまま成人した彼女は、修道院に逃げ込んできた若い女性バルトロメアを助け、秘密の関係を深めていく。そんな中、ベネデッタは聖痕を受けてイエスの花嫁になったとみなされ、新たな修道院長に就任。民衆から聖女と崇められ強大な権力を手にするが…。

というお話です。

 

 

17世紀イタリア。幼い頃から聖母マリアと対話し奇蹟を起こす少女と言われていたベネデッタは、6歳で修道院に入る。その時代の修道院は、子供を預かるという名目でお金を取っており、ベネデッタの両親も大金をはたいて、娘を修道院へ入れる。

それから時が経ち、純粋無垢なまま成人したベネデッタは、ある日修道院に逃げ込んできた若い女性と出会う。修道院に入れてくれと言うが、お金を持っておらず、追い出されそうになるが、ベネデッタが両親に懇願してお金を出してもらい、その女性も修道院の一員となることに。

女性の名は、バルトロメア。家族から性的虐待を受けており、逃げて来たのだった。バルトロメアは、女性ばかりの修道院の中で美しいベネデッタに惹かれ、彼女に肉体的な欲望を抱き、ベネデッタの方もバルトロメアの気持ちを受け止めていく。



 

様々な心情が絡み合い2人は秘密の関係を深めるが、同時期にベネデッタが聖痕を受け、イエスに娶られたとみなされる事件が発生。ベネデッタが新しい修道院長に就任したことで周囲に波紋が広がる。

民衆には聖女と崇められ権力を手にしたベネデッタだったが、彼女に疑惑と嫉妬の目を向けた修道女の一人の身に耐えがたい悲劇が起こる。その悲劇を許せなかった前修道院長は、ベネデッタが神に背いているという訴えを教皇に伝えに行ってしまう。

ペスト流行にベネデッタを糾弾する教皇大使の来訪が重なり、町全体に更なる混乱と騒動が降りかかろうとしていた。後は、映画を観てくださいね。

 

 

17世紀に実在したシスターの伝記映画です。内容はフィクションだと思いますが、実話に基づいて作られているようでした。ベネデッタには、子供の頃から不思議な力があり、それもあってなのか、両親は6歳でベネデッタを修道院に入れます。

 

ここで驚いたのが、修道院に入りたい子供は沢山いて、寄付の多い家の子供を入れるというんです。誰にでも門を開いていて、信じる者は無償で助けるというのが宗教じゃないの?もー、”地獄の沙汰も金次第”って感じですよね。ほっんと、イヤな教会だなと思ったけど、まぁ、修道院長を観ていたら、全く”神”を信じていないように見えたし、慈悲の心で~なんて事は、一切無さそうだったので、仕方ないのかなと思いました。

 

 

そんな修道院に入ったベネデッタですが、無垢なまま成長し、神を信じて疑わない子に育ちます。そして、何度も主イエスを見たと信じていて、自分は神に選ばれたと思っているんです。それが、妄想だったのか、真実だったのかは解りません。突然、夢にイエスが出てきたり、ぼんやりしている時にイエスからの教えがあったり、それを本当に神からのお告げだと信じているんです。

 

そんな事が何度もあり、とうとう聖痕と思われるような傷が、ベネデッタの身体に現れます。それは、自分で傷つけたのか、自然となったのかは解りません。でも、ある時、突然にその傷は出来ていて、血が溢れてきます。イエス・キリストが、磔けに遭った時の傷と同じ位置に傷が出来ているんです。

 

 

何人かは信じていましたが、修道院長は疑っているようでした。しかし、その教区の神父たちは、自分たちの権威を強くするために、ベネデッタの聖痕を利用しようと考えて、その傷は本物だと上に報告をし、公にベネデッタを聖女として認め、彼女を修道院長に任命します。

 

ここら辺は、権力争いに見えました。ベネデッタは、それを望んでいたのかは解りませんが、修道院長になり、広い部屋を貰い、自分が先頭に立って、神への祈りを捧げられるのは幸せだったのではないかと思います。神父たちも、聖女が現れたとなれば、カトリック教会の中でも注目され、教皇にも一目置かれることになります。只一人、前修道院長だけは、憎しみを持っていたように見えました。でも、修道女が憎しみを持つなんて、本当は許されませんよね。神の下では平等なんですから、どんなことになろうとも、人を憎むなんて、教会の中では、あってはならない事なんです。

 

 

そんな憎しみが渦巻く教会に、悲劇が起き始め、ペストも近づき、教皇までもがやってくるのですが、まぁ、何が起きるかは、映画を観てください。ベネデッタは、神がお告げをしていると言い切るんですが、周りは、それを信じて良いのか、本当に戸惑います。そりゃそうですよ。いくら教会に仕えている人たちでも、そんな夢のような事が起きているなんて、信じられませんよ。

 

バルトロメアという女性が修道院に入ってきて、ベネデッタと恋仲になります。私には、このバルトロメアという女性が、サタンの手先に見えました。見た目も、目がギョロッとしていて、ちょっと不気味なんです。ベネデッタに近づき誘惑するので、姦淫してしまいます。修道女は全てを神に捧げているので、姦淫は大罪なのに、それを楽しんでしまい、見つかってしまうんです。

 

 

ベネデッタは、彼女との関係を恥じと思っていないようで、不思議に見えました。何が彼女を、そんなに自信溢れた態度にしていたのか、謎でした。聖書を読んでいれば、姦淫は大罪だと解っていたはずだし、色々な部分が、聖女というにはズレているんです。それでも、自信に満ちた態度で、自分は神のお告げを聞いたと言い、真実だと言い続けるんです。裁判にかけられても全く動じない。この彼女の精神構造は、どこまでも謎でした。

 

この映画は、そのレズビアン裁判記録から作られたそうで、ベネデッタの証言から、このお話は出来たのかなと思います。色々な宗教の映画が作られますが、私のような無宗教の人間からすると、本当に不思議な世界だと思います。神を信じるのは悪いことではないと思いますが、その信心を利用して、権力を手に入れたり、利益を手に入れたり、そんな事が、歴史上で沢山起こっているというのに、それでもまだ、宗教がらみで戦争が起きている。人間は、マジで進化しないんですかね。嫌になります。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。ちょっと古いイメージで作られていて、歴史的な映画っぽく観られます。映像も美しく、修道女同士のベッドシーンなど、衝撃的な場面もあり、カンヌで話題になったのも理解出来るなと思いました。話としても面白いです。最後まで、どうなるのか解らないというのが上手いと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ベネデッタ」