「ひみつのなっちゃん。」友人の死を見つめ、自分たちのこれからを見つめ直す姿が素敵でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「ひみつのなっちゃん。」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

ある夏の夜、新宿2丁目で食事処を営む元ドラァグクイーンのなっちゃんが急死した。友人のモリリン、バージン、ズブ子の3人のは、なっちゃんが故郷の家族にはゲイであることを隠していたと知り、慌ててなっちゃんの自宅アパートに忍び込んで証拠隠滅を図る。そこでなっちゃんの母・恵子と鉢合わせした3人はどうにかその場を誤魔化すが、恵子から葬儀に参列するよう誘われ、なっちゃんの故郷である岐阜県郡上市を目指すことになる。

というお話です。

 

 

ある夏の夜、なっちゃんが死んだ。
つまらない冗談を言っては「笑いなさいよ!」と一人でツッコミを入れていたなっちゃんは、新宿二丁目で食事処を営むママをしていた。店で倒れて亡くなったらしい。

その店で働くモリリンはドラァグクイーン仲間のバージンに連絡を取り、二人でなっちゃんの遺体確認をする。そこで、なっちゃんの本名や自宅を確認しようとするが、二人ともなっちゃんの情報を何も知らない。バージンがズブ子を呼び出すが、彼女も知らないという。



 

結局、ドラァグクイーン仲間を訪ね、情報を辿って行くと、なっちゃんの履歴書なるものが手に入る。彼らが心配したのは、なっちゃんが家族にオネエであることをカミングアウトしていなかったこと。証拠を隠すためなっちゃんの自宅に侵入した3人は、
なっちゃんの母・恵子と出くわしてしまう。

何とかその場を取り繕った彼らだが、恵子から岐阜県郡上市の実家で行われる葬儀に誘われてしまい、なっちゃんの“ひみつ”を隠し通すため”普通のおじさん”に扮し、一路郡上八幡へ向かうことになる。そして…。後は、映画を観てくださいね。


 

この映画、面白かったぁ~!確かに、ゲイやオカマとカミングアウトしていない方たちは、突然亡くなったりしたら、周りの人が本当に困るだろうなと、真剣に考えてしまいました。通り名でやっているのは良いけど、もしもの事も考えて、誰かに、何かあったらここを開けて手配をして欲しいとか、又は、前もって、覚書的なものを渡しておくとか、何か考えておかないとね。彼らみたいに、家族がオネェだという事を知らなかったら、大変なことになっちゃうでしょ。最近は、コロナの事もあって、大きな葬儀をしないから良いけど、昔だったら、大変だったろうなと思います。

 

なっちゃんは、飲食店を経営してたみたいですが、あのお母さんが後片付けを全てするのは大変そうだなと思いました。もちろん、業者さんに頼むんだろうけど、経理の事や、従業員の事もあるし、何も知らずに、オネェがやっていた店をたたむのは、大変そうだと思いました。モリリンは、従業員だったらしいので、彼がお手伝いをして片付けるのかしら。

 

 

モリリンとバージンがなっちゃんの遺体に会いに行って、それでカミングアウトしてなかったらしいって事になるんだけど、そこから、なっちゃんの素性を知るのが大変そうでした。古いオカマの人が履歴書を持っていたから良かったけど、あんなの、普通、判らないでしょ。それよりも、お店をやっていたんだから、店の契約書とかを見れば良かったのにね。そこには、本名と住所を書いてあるはずなので、それが一番手っ取り早いかと思ったんだけど、そこには行き着かなかったです。

 

映画の前半は、東京での彼らの奮闘を描いていて、後半は、彼らが岐阜県郡上市を訪ねて行って、なっちゃんのお葬式に参列するまでが描かれています。なので、後半はロードムービーになってました。3人が行くところで、色々と事件が起こり、笑ってしまうエピソードが描かれていました。

 

 

何か、パーキングエリア的なところで、お手洗いにいったら、ゲイらしき人が沢山いて、モリリンが逃げるという場面があったんだけど、あれは、モリリンの妄想だったのかしら。それとも、ゲイの方々が集まるパーキングエリアってあるのかな。あまりにも面白い反応で、吹きましたよ。アイスクリームで釣られちゃうってどーいうこと?(笑)

 

よく解らず、笑っちゃったのが、喧嘩しちゃダメだよっていう、スーパーの店員のお兄さん。イケメンだから何しても大丈夫みたいな、あの自信ありげな姿は何だったのかしら。だって、仲直りさせただけの人だよね。無駄なイケメン使いだけど、可愛かったから許します。あの店員、みんなタイプだったのかな。3人とも、無理無理な設定なのに、楽しそうに納得していましたよね。笑っちゃいました。

 

この映画、結構、無駄なイケメンを沢山配置してあって、目の保養にはなったかしら。あ、そうそう、イケメンでマッチョね。スマートなイケメンじゃないところが、また、笑いを誘いました。なんで、ゲイの人たちって、マッチョ好きなのかな。

 

 

そして、郡上八幡に着いて、お葬式に出席するんだけど、彼ら3人がスーツで出てくるんです。これがカッコいいのよ。惚れるほどのイイ男なんです。この時、思ったんですけど、やっぱり元がカッコいいからこそ、ドラァグクイーンに変身しても美しいんですね。いやぁ、マジでカッコ良かったもん。滝藤さんに、マジ惚れしたもん。

 

そんなイケメン3人がお葬式で男らしくしているんだけど、どうしても仕草にオカマが出てしまうという姿が、よく描かれていたと思います。ホント、3人とも、上手かったです。よく、ここまで繊細に演技をしてこれたと思うと、脱帽です。滝藤さんとか、頭の先から足の指さ先まで、全部に神経を張り巡らせて演技をしているように見えて、ビックリでした。

 

カッコいいオッサンが、あの美しいドラァグクイーンになるんです。3人とも、本当に美しいんですよ。滝藤さんは、本当に美女という感じで、オーラが凄いんです。渡部さんも、可愛くて美しくて、こんなコケティッシュな女優さん、ハリウッドで受けるだろうなという感じでした。前野さんは、ちょっとお遊びしていたけど、動きは女性だし、驚くほどしなやかでした。

 

 

そして、お母さんの松原さんも素敵でした。きっと、子供の頃からスカートがはきたいとか、色々とあったんじゃないかな。だから、カミングアウトしていなくても、何となく感じていたんじゃないかと思うんですよ。どんな姿でも、愛する息子は変わらないという思いがあったんだと思います。本当に愛していたんだなという事が、伝わってきました。

 

みにくいアヒルの子のエピソードは、映画を観て、確認してください。小さいコンパクトの意味も、そこで解ります。私、この部分は感動でした。そうよね、自分に自信を持って、人と違っていたって、気にする事なんて無いんです。それが自分なんだし、誰にも負けていないと思えばいいんですもん。

 

私も、ある時から、周りなんて気にならなくなりました。若い頃は、美しいとか、スタイルが良いとか、そんな事ばかりを気にしていたけど、自分の中身が大切なんだと気が付いて、磨いてからは、周りが全く気にならなくなりました。周りがどう見ようと、私は白鳥なのだと思えるようになりました。要は自分自身なんです。そんな事を教えてくれる映画でした。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私は好きでした。彼らの心も、お母さんの気持ちも伝わってきて、痛いほど解りました。自信を持って、踊れば良いんです。素敵な映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ひみつのなっちゃん。」