「そして僕は途方に暮れる」逃げても必ずいつかは向き合う事になるんです。逃げない事が一番ですよ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「そして僕は途方に暮れる」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

フリーターの菅原裕一には、長年同棲している鈴木里美という恋人がいるが、浮気がバレてしまい、里美と話し合うこともなく家を飛び出してしまう。友人の今井伸二、バイト先の先輩・田村修、学生時代の後輩・加藤、姉・香、母・智子のもとを渡り歩く裕一は、バツが悪くなるとその場を離れ、あらゆる人間関係から逃げ続けていく。そんな中、裕一が出会ったのは、偶然に家族から逃げていった父・浩二だった。父との出会いにより、裕一の中で何かが少しずつ変わり始めていくが…。

というお話です。

 

 

自堕落な日々を過ごすフリーターの菅原裕一は、もう5年以上付き合っている恋人・里美と同棲している。なんでも彼女に頼りっぱなしで、部屋の家賃も里美が払っている。

ある夜、里美に話しがあると言われ、向き合うと、裕一が最近スマホがばかり気にしており、里美は気になって、裕一のスマホを見てしまったという。そして彼の浮気の事実を突きつけてきた。問い詰める里美に背を向けて、裕一は逃げるように家を飛び出してしまう。

その夜は、地元からの友人・今井に電話をし泊めて貰うが、裕一は里美といた時と同じように今井に依存し、嫌がられてしまう。バイトの先輩・田村にしばらく泊めて貰うがそこも続かず、後輩の加藤に頼もうと思うが、自分のみっともなさに泊めて欲しいと言い出すことが出来ない。



 

姉に連絡をし家に行くが、文句を言われてそこでも泊まれず、とうとう実家の北海道に帰ることにし、母親に連絡をする。喜んだ母親は待っていてくれたが、そこでも問題が起きていられなくなってしまう。仕方なくバス停でうなだれていると、たまたま母と離婚した父に出会い、父の家の転がり込むことに。

父親は、一人で暮らしており、好き勝手に生きていた。父親にスマホの電源を切れば全てから逃げられると言われ、スマホの電源を切るのだが…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この曲、昔、好きだったなぁ。オールナイトニッポンとかから流れてくると、食い入るように聞いていた気がします。それが、映画になるとは思いませんでしたが、まぁまぁ、でしたかね。主人公が、あまりにもクズなので、途中でちょっと嫌になりそうになったけど、どうにか最後まで持ち応えました。

 

うーん、こういう人っていますよねぇ。何でも先延ばしにして、何とかあやふやにして回避しようとする人。でも、それって、何の解決にもなっていないし、結局、最後には向き合わなきゃいけなくなるんですよ。まず、彼女の家に住んでいて、ヒモ状態っていうところからして、クズですね。浮気するしない、関係無いと思いました。それに、何でも彼女頼み。お前も動けよって感じですよね。

 

 

主人公の裕一は、根無し草というか、酷い男でした。何でも適当で、責任感というものが無いんです。ファンの方には申し訳ないのですが、私、元々、この藤ヶ谷さんがあまり好きではないので、本当にクズだなと思ってしまって、イラつくほどでした。でも、それだけ藤ヶ谷さんが上手かったって事なのかな。彼の演技、鼻につくんですよね。それが、今回の役にピッタリだったのかもしれません。

 

そんな裕一は、彼女の所から逃げ出し、友人の所から逃げ出し、姉の所から逃げ出し…という、とにかく、少しでも自分に文句を言う人から逃げたいんです。もちろん、それは自分が言われたくないと思っている事だろうからで、自分で自分の悪い所を、ある程度は認識しているんだと思うのですが、それを受け入れられないんです。子供かっ!て言いたくなるけど、そうなんです。

 

 

そして、逃げて、逃げて、スマホの電源を落とせば、完璧に逃げられると父親に言われて、いざ、やってみると、というお話なんですね。でも、この裕一、スマホの電話帳に、たくさん名前が並んでいるけど、きっと、ホントの友達なんて、最初の親友くらいしかいなかったんだと思います。それに、こんなに我が儘で、甘やかされていて、人頼みの人間なんて、誰も好きで付き合ったりしないでしょ。ホント、マジでクズだったもん。私が彼女なら、1日でも持たないでしょうね。

 

きっと、母親が甘やかしたからだと思うけど、甘やかす息子が出て行ってからは、お母さん、寂しかったんでしょうね。会いに行ってみると、お母さんにも、問題が起きていました。うーん、これはダメですよ。早く止めなくちゃ。今なら、まだ間に合うような気がしたけど。

 

極めつけが、裕一の父親ですね。マジなクズで、裕一は、この人の血を受け継いでいるから、こんなクズなんだなって思いました。逃げて、逃げて、どうやってお金稼いでいるんだろう。また、生活保護かしら。それで、毎日、パチンコに行ってって、酷いですよねぇ。

 

 

母親と別れて、次に再婚した人とも離婚して、自分の浮気が原因だから慰謝料を払わなくちゃいけなくて、知り合いにお金を借りまくって、そのままバックレて逃げているらしく、携帯も繋がっていないようでした。これこそ、クズの中のクズ、キング・オブ・クズと言って良いような人物でした。笑えるでしょ。ま、その父親を豊川さんが演じているので、憎めないんですけどね。これ、他の人だったら、死んでしまえっ!て思うと思うね。

 

そんな父親に、スマホの電源を切ればイイんだよって言われて、裕一も切るんですけど、まぁ、そこからどうなるのかは、映画を観て欲しいかな。これ以上は言えないけど、まぁ、嫌な終わり方ではありませんでした。もし、このままクズとして、知らない場所で生きていくなんてなったら、映画として成り立たないですもんね。(笑)

 

キング・オブ・クズと再会して、裕一も、色々と考え直したんじゃないかな。だって、父親と同じようになりたいとは思わないですよね。いくら、嫌な事が沢山あっても、ずっと逃げている事は出来ないんです。どこかで向き合わなきゃいけなくなる。それが、いつかは、自分で決めなくちゃ。でも、早ければ早いほど、良い道は開けるはずなんです。

 

 

誰だって、問題が起きた時に、文句を言われたくは無いし、ガガーっと責められるのは辛いですよね。少しでも言い返せれば良いけど、私、自分も口下手なので、裕一が逃げたくなる気持ちも解るんです。言いたい事を、上手く伝えられる自身が無いんですよ。ちゃんと理由があって、こうだから、こうなっているんだと言いたいとしても、相手にギャギャーって言われてしまうと、詰まって言えなくなっちゃうんです。それが、理解出来たので、逃げたくなるよなぁとは思いました。でもね、それ、ダメなのよ。そこで頑張らなきゃダメなのよ。うんうん。

 

ま、どんな解決になるかは書きませんが、裕一が、自分の道を見つけるまでは描かれているので、最後はスッキリしますよ。大丈夫、問題は残っているとは思うけど、それぞれ、納得出来るような終わり方になっていて、安心出来ました。私は、彼の笑顔を観て、きっと、キング・オブ・クズとは違う道を行くんだなと思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。最初の頃は、主人公の裕一にイライラします。あまりのクズさに、ムカつくと思います。それくらい、酷いんですけど、逃げて、逃げて、を繰り返す内に、段々と変わってくるし、それなりに、自分が悪い事を理解しているし、根本からクズではないのだろうと思える展開になりました。私は、楽しめました。豊川さんの、キング・オブ・クズも笑えますよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「そして僕は途方に暮れる」