「ファミリア」
を観てきました。
ストーリーは、
山里でひとり孤独に暮らす陶器職人・神谷誠治のもとに、一流企業のプラントエンジニアとしてアルジェリアに赴任中の息子・学が婚約者ナディアを連れてやって来る。学は結婚を機に退職して焼き物を継ぎたいと話すが、誠治は反対する。一方、隣町の団地に住む在日ブラジル人の青年マルコスは、半グレ集団に追われていたところを助けてくれた誠治に亡き父の姿を重ね、焼き物の仕事に興味を持つように。そんな中、アルジェリアに戻った学とナディアを悲劇が襲う。
というお話です。
陶器職人の神谷誠治は妻を早くに亡くし、山里で独り暮らしをしている。ある日、アルジェリアに赴任中の一人息子の学が、アルジェリアで暮らす難民出身のナディアと結婚し、彼女を連れて一時帰国した。しあわせそうな学の姿を見て、誠治もしあわせな気持ちになる。異国の地から日本に来て、不安が一杯だろうに、いつも笑顔を見せてくれるナディア。難民となり、目の前で両親を殺されるような地獄を味わってきているのに、今の幸せを本当に喜んでおり、誠治は安心していた。
すると学は、結婚を機に会社を辞め、焼き物を継ぐと誠治に宣言をする。今のアルジェリアの現場はもう少しで終わるらしい。しかし、焼き物は儲からず、安定した収入も無いので、誠治は学の決断に反対をする。自分が焼き物をやっていたせいで、学の母親は、ずっと働かなくてはならず、身体を壊して亡くなってしまったのだ。しかし、学は帰ってくると言い残し、最後の仕事へとアルジェリアへ帰って行った。
一方、隣町の団地に住む在日ブラジル人青年のマルコスは半グレに追われたときに助けてくれた誠治に亡き父の面影を重ね、焼き物の仕事に興味を持つ。マルコスを追う半グレは、ブラジル人にある事件の事で恨みを持っており、ブラジル人なら誰でも潰したいと思っている奴らだった。それに、彼はこの町の有力者の息子であり、警察でさえ簡単に手が出せないという難物だった。
そんなある日、アルジェリアに戻った学とナディアを悲劇が襲い、誠治は、何も出来ない苛立ちを隠せず、とうとう霞が関まで出向いて行くが、政府からは良い回答は得られない。そして…。何も出来ないまま、事件は終わってしまう。
落胆する誠治の所に、マルコスの従姉妹の女性が現れ、マルコスが狙われて、今度こそ殺されるかもしれないという。誠治は幼なじみの警察に話しをするのだが…。
後は、映画を観てくださいね。
悲しい事が起こる映画なんだけど、ちゃんと未来も感じられるように作られていて、感動でした。まず、愛知県豊田市という場所が舞台なんだけど、こんなにブラジル人の方が沢山住んでいるんですかね。実際もそうなのかしら。ちょっと驚きました。だって、団地らしきところに、全部ブラジル人が住んでいるみたいで、一つのブラジル人の町が出来上がっているみたいでしたもん。それだけ働く場所があるってことなのかな?
沢山住んでいれば、ブラジル人が事故だって、事件だって起こす訳で、その被害にあった、ある日本人は、たった一人の悪いブラジル人がいただけで、ブラジル人全員が悪い奴らと思って憎み始め、酷い差別を行っていくという場面が、この映画の中でありました。
差別はいけないけど、でも、自分の家族が殺されたら、やっぱり許せなくなると私は思います。だって、ブラジル人が日本に来なければ、その事故は起きなかったということでしょ。逆恨み的な感じだけど、でも、許せと言っても、それは無理でしょ。これ、中国や韓国が、いつまで経っても日本を悪者って言うのと一緒だと思うんです。一部の酷い事を行った日本人がいたから、どうしても許せなくて、今も言うんでしょ。中国・韓国は長すぎるけど、こうなったら、もう、どうしようもないんです。
そんな日本国内の問題を描きながら、誠治の息子・学が、赴任先のアルジェリアで悲劇に遭うことが絡んでくるんです。学は、アルジェリアの女性と結婚し、本当にしあわせそうなんだけど、アルジェリアでテロ事件が起きて、被害に遭ってしまうんです。誠治は、息子の為に何かをしたいんだけど、あまりにも遠い地での出来事で、政府が対応するしかなくて、どうしようもないんです。アルジェリアを憎みたいけど、息子の妻はアルジェリア人で家族でしょ。
そんな事もあって、ブラジル人を憎む気持ちを誠治は理解出来るんだけど、それでも、それは違っているということを力づくで訴えるんです。自分には、全く関係無いブラジル人の青年なんだけど、慕ってくれて、頼られたので、全力で助けるという、男気のある誠治でした。
良い映画だとは思うんだけど、イマイチ、観にくい映画でした。誠治の息子が、アルジェリア人と結婚して、二人で里帰りするという部分は、とっても暖かいし、人種が違っていても、人間はそんなに違わないんだということも描かれていて、ほっこりして、しあわせな雰囲気で終るんです。
それとは別に、ブラジル人の、この地域での問題が関わってきて、誠治も巻き込まれていくんです。彼らの問題は彼らでやれば良いのに、たまたま、頼りになる日本人だと思って、頼られちゃうんです。はっきり言って、こいつら、マジで調子イイなぁと思っちゃいました。自分たちの事は、自分たちで解決しなくちゃね。何でも人に頼る事を覚えちゃったら、ろくな人間になりません。一人で頑張っているからこそ、誰かが手を貸してくれるんです。
なんか、ごめんなさい。凄く、この映画、感想が書きにくいんですよ。一貫しているところが無くはないんだけど、全体的にバラバラしているように見えて、上手く話しをまとめられないんです。役所さんの演技は、もちろん素晴らしいし、吉沢さんも良かったし、他も、豪華なキャストの皆さんが出演されているんだけど、どーも、私はダメだったなぁ。成島監督だから、観やすいかなぁと思っていたんだけど、今回は、ちょっと難しかったかな。良い映画なんですけどね。私が、上手く理解が出来なかったという事だと思います。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。良い映画ではあります。でも、私には観にくかったです。話し自体はつながっているんだけど、家族はそれぞれにブツブツと描かれているように見えて、うーんという感じでした。でも、キャストを観るだけでも満足出来るので、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ファミリア」