「コーンフレーク」コーンフレークはカリカリのうちに食べたいよね。7年同棲はシミシミって感じかな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「コーンフレーク」

 

の試写会にご招待していただきました。Twitterで応募しました。

 

ストーリーは、

同棲7年目になる恋人・裕也と暮らす保険外交員の美保は、音楽の夢を捨てきれない裕也との生活に居心地の良さを感じながらも不安を抱えていた。そんなある日、疲れて帰宅した彼女は、裕也がバイト先の後輩・朱里と連絡を取り合っていることを知り、口論の末に彼を家から追い出してしまう。行き場を失った裕也と、家で1人になった美保は、それぞれの夜を過ごすことになるが…。

というお話です。

 

 

保険外交員として働く美保は、6年間一緒に暮らしている裕也との生活に居心地の良さを感じながらも、このままでいいのかと自問していた。バンドを解散したあと、裕也はすっかり音楽から遠ざかってしまい、最近は、何を思いついたのか、街中で様々な音を録音することに凝っているようだった。レコード屋のバイトは続けているが、生活費は、ほとんど美保に頼りきりのようだった。

美保は、仕事でも中堅となっており、後輩の教育も任されていたのだが、後輩はなかなか独り立ちせず、美保を頼るばかり。そのせいで上司からねちねちと嫌味を言われてしまう。疲れて帰宅した美保は、裕也がしきりにスマホをいじっているのが気になり、目が行ってしまう。



 

いつもならスマホを見せろなどとは言わないのだが、会社の同僚が夫のスマホを見て揉めた話を聞いたばかりだったので、思わず裕也に「スマホみせてや」と叫んでしまう。裕也は、しぶしぶスマホを美保に渡し、ロックを解除すると、そこにはLINEで女性と連絡を取り合っている内容があった。LINEの相手はバイト先の後輩・朱里であることが判明する。二人は口論となり、美保は裕也を家から追い出してしまう。

行き場を失った裕也と、ひとりになった美保。2人は、この日別々の夜を過ごすことになり、裕也は仕方なく、バイト先のレコード店へ向かい、バイト仲間に泊まらせて欲しいと頼むのだが…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

付き合い始めて、同棲して、何となくズルズルと続いて7年目に突入したカップルのお話です。恋愛映画としては、こんなシチュエーションのお話は、結構、あるのかなとは思いますが、この映画、とても雰囲気が良いんです。

 

美保は、保険外交員として堅実に働いているんです。裕也は、音楽をやっていたのですが、バンドを解散してからやる気が出ないようで、曲作りをせずに、街中での音拾いをしているようでした。私はよく解らないのですが、音拾いって、何しているの?映像をやる人は、音拾いが必要だと思うけど、音楽の人って、音を拾って、音楽に組み込むのかなぁ。ギターやピアノだけでいいような気がするんだけど、うーん、色々とあるのかもしれません。


 

そんな二人でぼちぼちやっている感じが、心地良いみたいでしたが、少しづつ、崩れてきてはいたのかな。キッチンにコーンフレークが置いてあって、牛乳に浸して置いてあったらしく、もう滲みちゃってベタベタだったみたいなんです。それを見て、裕也が後で食べようと思ってと言うと、美保は、滲みちゃってるの嫌いみたいな事を言うんです。少しだけどズレてきている雰囲気が出ていて、オッ!?と気づかされました。

 

同棲して7年は長いですよね。それこそ湿っちゃったコーンフレークのようです。もう、事実婚状態と言って良いくらいだけど、経済的な負担は美保がしているようだったから、裕也はヒモ的な雰囲気になっていて、結婚とはならなかったのかもしれません。でも、7年も一緒にいたのなら、そろそろ先の事を考えないと。結婚するなら結婚するで良いけど(事実婚でも。)、その場合は、生活費の事や、子供の問題も出てくるし、ヒモのままでは出来ないよね。


 

二人とも、先はどうしようというモヤモヤした中で、ある日、裕也がバイト先の女性と、浮気ではないけど、こそこそと連絡を取り合っていることが発覚します。美保としては、気分が悪いよね。何も無いと言われても、信用出来ない気持ち、解ります。だって、態度が怪しいんだもん。裕也も、もう少し必死で、何も無いって言い訳しないとダメだよ。

 

で、家を追い出されちゃった裕也は、泊まらせてくれる人を探して、バイト先へ行き、美保は、友達と飲みに行きという、バラバラの夜を過ごすことになります。今まで、一緒だった二人が、相手がいるという束縛を外れて、一人の夜を過ごすのですが、その様子が、凄く解るなぁ~という感じで、リアルでした。いくら喧嘩をしたと言っても、相手の事を直ぐに忘れられる訳ではなく、なんとなーくモヤモヤした感じを引きずって、それでも何かしないではいられないという様子が、よく描かれていました。

 

 

お互いに必要としているんだけど、7年も一緒にいると、今更言い出すのもハズかしいし、かと言って、言葉で伝えないと伝わらないし、でも、言いたくないという雰囲気が良かったです。ホント、長く一緒にいると、そんなもんですよ。一言いえば良いのに、言えないんです。つい、伝わっているだろうと思ってしまう。この雰囲気って、7年同棲したという人だけではなく、夫婦でもこんな感じなんですよね。結婚したと言っても、何か変わる事も無く、一言いえば良いのに言えないんです。同棲でも、結婚でも、一緒にいると甘えてしまって、相手への気遣いが減ってしまうという様子も、よく描いていたと思います。

 

裕也役のGONさんと、美保役の高田さんの雰囲気がピッタリというか、本当に長く一緒に過してきた二人という感じで、素晴らしかったです。裕也は、最初、長髪でもっさりした感じなのですが、美保に髪を切って貰うんです。その二人の雰囲気が、もう、ホントに恋人同士という感じで、良かったなぁ。とてもかわいい二人という感じでした。その辺りから、映画にのめり込んでしまいました。

 

 

一点だけ気になったのが、飲み屋さんのシーンや、他の場面のいくつかで、白いシャツの人物が脇から出てくると、その白のトーンが明るいので、突然、画面の1/3位がシロヌキしちゃったようになりました。黒とか色があるなら良いんですけど、白だと、ん??となるんです。四角い画面のバランスが崩れて嫌でした。そこだけ、気になってしまって、スミマセン。

 

最後に、コーンフレーク、もう何十年も食べていないけど、ちょっと食べたくなりました。朝、二人でコーンフレークって、ちょっとイイですね。観ていて、微笑ましくて、やりたくなっちゃいました。でも、夫には怒られそうかな。(笑)

 

単館系の映画なのですが、本当に素敵な映画でした。監督の磯部さんは、2016年から自主映画製作を始めて、国内映画祭で何度も入選しているそうです。この映画の他にも、今年、何作か映画が公開されるそうです。楽しみですね。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。まだ、大きな映画では無いようですが、自主映画的な映画でも、ここまで出来るんだという感じに驚きました。役者さんも良かったです。今のところ、池袋でのロードショーだけですが、もっと上映が増えて行ってくれたら良いなぁと思いました。もし、機会があったら、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「コーンフレーク」