「恋のいばら」
を観てきました。
ストーリーは、
図書館に勤める富田桃は、自分をフった元カレ・湯川健太朗のSNSを見て、彼に真島莉子という新しい恋人がいることを知る。自分とは正反対の洗練された莉子に興味を抱いた桃は本人を特定し、ある理由から彼女に直接会いに行く。桃は莉子に、健太朗が撮った自分との秘密の写真データを取り返したいと話し、桃と莉子は秘密の共犯関係に陥っていく。
というお話です。
桃は、図書館に勤務する 24歳。最近、カメラマンの健太朗にフラれ、関係が終わったところ。会えなくなってからも健太朗のことが気になり、健太朗のインスタを見ていると、どうやら新しい恋人ができたらしい。
そこから、今カノのインスタを発見。検索していくと、今カノは地味な自分とは対照的な洗練されたダンサー・莉子だと知る。桃は、インスタを頼りに莉子を調べ、直接会いに行くことにする。莉子と対峙した桃は、ある事に協力して欲しいと頼む。
「リベンジポルノって知ってますか?」
「健太朗のパソコンに保存されている自分の写真を消して欲しい」
そんな桃を最初は相手にしなかった莉子だったが、自身も健太朗にプライベートな写真を撮られた事があり、徐々に不安を覚え始める。そして二人は再会し、写真データを消すため、健太朗の家の鍵を盗み、合いカギを作って、家に忍び込む作戦を立てる。
莉子は相変わらず桃に対してクールでありながらも、健太朗の部屋に忍び込む作戦を練るために、二人でサウナや公園に言ったり、桃の部屋を訪ねたりしていく内に、その距離は縮まっていく。
作戦を決行した二人は、健太朗の部屋に潜入し、PCデータや彼の写真ファイルから、健太郎のだらしない女性関係を知ることになり、莉子は健太朗の本当の姿を知り、気持ちが冷めていく。
カレと、出会うはずのなかった元カノと今カノ。 いびつな三角関係から、今後、待ち受ける“恋のいばら”の道とは。後は、映画を観てくださいね。
この映画、元カノと今カノが対峙するという内容だと聞いて、ドロドロした内容なのかなと思っていたら、途中から、向かう方向が変わっていき、ほんわかした明るい映画に変わっていきました。最後は、とってもスッキリしちゃうような、そんな気持ちになりました。
健太朗と莉子は付き合っていて、とっても順調なように見えるんだけど、何故か、最初の場面で、健太朗の持っている写真集を、自分が持ってきた同じ写真集と取り換えて、カバンに入れた健太朗の写真集をゴミに出すんです。ここで、ん?何故、同じ写真集なのに、取り換えるんだろうと不思議に思うのですが、その謎解きは、最後の最後まで解りません。既に、最初に莉子は、健太朗に不信感を抱いていたんです。
そんな莉子の前に、桃が現れて、元カノですと言って近づきます。なんか、おどおどしているし、ちょっと不気味な感じもあり、何をするつもりなんだろうと思うけど、段々と悪意は無いんだなということが解かってきます。元カノが今カノの前に現れたら、大体、悪意がありそうに思うけど、今回は、そーじゃないんです。
健太朗に撮られた写真を消す為に、協力関係になった二人は、段々と、普通の友達のように、一緒に行動するようになっていきます。そして、莉子は、自分の弱い部分を助けてくれた桃に心を許して行きます。この二人の距離が縮まる雰囲気は、とってもリアルな感じがしました。女子通しって、結構、最初は遠慮しているんだけど、仲良くなっていくと、急激に距離が縮まるってあるんです。私も、こんな時代があったなぁと思って、懐かしくなりました。ホントに女の子たちって感じが良かったです。
そして二人の復讐というか、データ消去の計画が動くのですが、この健太朗、とても良さそうな男性に見えるんだけど、付き合った彼女のハズかしい写真をコレクションしているというのが、キモかったなぁ。こういう男はダメでしょ。でも、お祖母ちゃんと一緒に住んでいるというところは、好感が持てたかな。お年寄りを一人で暮らさせておくのは、やっぱり心配ですもんね。そこは優しいんじゃないかな。だけど、写真はダメよ。
莉子と桃は、健太朗を介して知り合い、仲良くなっていくんだけど、最初は、二人とも思いが健太朗に向いていて、それでお互いを見ているという風に見えるんです。だけど途中から、健太朗を介さないで、お互いを見つめ始めるという展開になっていき、今度は、健太朗を敵として共同戦線を張る同士のように見えてくるんです。その変化も、面白いと思いました。上手く3人の心を描いていて、面白いなと思いました。最後には、また違う展開になって、私は驚いて、嬉しくなりましたが、それは、ネタバレになるので書きません。
この映画、面白かったな。思っていたような恋愛映画ではなく、もっと人間の色々な感情が描かれていて、とても城定監督っぽい作品かなと思いました。この雰囲気、良かったです。松本穂香さんと玉城ティナさんのお二人がとても可愛くて、演技も出来る若手トップだろうなと感じました。渡邊圭祐さんも、イケメンだけど惚けた感じが良いですね。この3人ともが光っていて、良かったです。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。好き嫌いがありそうだし、あまり凄い展開がある作品ではありませんが、「アルプススタンドのはしの方」とか「愛なのに」が好きな方には、喜んで貰えそうな映画だと思いました。私は好きでした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「恋のいばら」