「ノースマン 導かれし復讐者」北欧伝説を映画化ですが、これがハムレットの原作だそうです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ノースマン 導かれし復讐者」

 

を観てきました。

Fan's Voice独占試写会に参加させていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

9世紀、スカンジナビア地域のある島国。10歳のアムレートは父オーヴァンディル王を叔父フィヨルニルに殺され、母グートルン王妃も連れ去られてしまう。祖国を脱出したアムレートは、父の復讐と母の救出を心に誓う。数年後、アムレートは略奪を繰り返すバイキングの一員となっていた。預言者との出会いによって己の使命を思い出した彼は、宿敵フィヨルニルがアイスランドで農場を営んでいることを知り、奴隷に変装してアイスランドへ向かう。

というお話です。

 

 

9世紀、スカンジナビア地域にある、とある島国。若き王子アムレートは、旅から帰還した父オーヴァンディル王とともに、宮廷の道化ヘイミルの立ち会いのもと、成人の儀式を執り行っていた。そこで王は予言のように、自分が死んだら復讐を遂げるのだと息子に言い聞かせる。

儀式の直後、叔父のフィヨルニルがオーヴァンディル王をアムレートの目の前で殺害し、アムレートも殺そうとする。彼は追手をかわし、隠れて逃げることに成功。しかし、フィヨルニルはグートルン王妃を連れ去ってしまう。アムレートは殺された父の復讐と母の救出を誓い、たった一人、ボートで島を脱出する。



 

数年後、立派な青年に成長したアムレートは、東ヨーロッパ各地で略奪を繰り返す獰猛なヴァイキング戦士の一員となっていた。ある日、略奪に入った村で、何かに呼ばれるように建物に入ると、祭壇のような場所にスラブ族の預言者が待っており、己の運命と使命を思い出せと告げる。

父の”復讐せよ”という言葉を思い出したアムレートは、仲間から、フィヨルニルが兄王を殺した後、直ぐに、ノルウェーに侵略され、追われて、アイスランドで農場を営んでいることを知る。

奴隷に変装して奴隷船に乗り込んだアムレートは、親しくなった白樺の森のオルガの助けを借り、叔父の農場に潜り込むことに成功する。そして…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

北欧に昔から伝わる伝説を映画化したものです。このアムレート伝説は、シェイクスピアがハムレットの原作としたもので、話しは、ほとんど同じような感じです。私は、前もって勉強をしていかなかったので、観ていて、ハムレットと一緒だなと思っていたら、終わってから、こちらが原作だと知り、反対だったんだー!と驚きました。

 

北欧の神話というと、オーディンとかロキとか、宇宙樹ユグドラジルとなると思いますが、このお話は、もっと後。人間が、世界に生まれて、神々を崇めている時代に、おとぎ話として伝えられたお話のようです。日本でいれば、桃太郎とか浦島太郎とか、そんな感じかしら。

 

 

偉大な王の息子アムレートは、自分の父親を叔父に殺され、母親を奪われ、復讐を誓います。でも、まだ10歳ほどなので、直ぐには無理ということで、一旦逃げて、成長してから復讐に動き出すんです。弱々しい少年だったアムレートは、数年後、もう、ムッキムキの身体のイケメンに成長します。あれが”これ”?って感じの変化で、どんな鍛え方をしたらそうなるんだよって聞きたくなりました。胸板厚っ!で、腕も凄い筋肉なんですよ。重いだろうなぁ。アレクサンダー・スカルスガルドさん、素晴らしい身体でした。「鎌倉殿の13人」で筋肉見せ合いっこして欲しかったくらいです。
 

フィヨルニルは国を取られてしまい、逃げて来たアイスランドで農場をやっているのですが、先代の兄王なら、国を取られるような戦いなら、その場で殺されることを願うような人物だったんです。それなのに、逃げてきて農場をやってるとか、あまりのギャップに驚きました。アムレートも、そんな男に殺られたと思うと、ムカついたんじゃないかな。

 

 

その牧場に奴隷として潜り込み、復讐の時を待ちます。そこで、オルガという女性と出会います。二人は惹かれ合い、恋におちます。彼女は、女性ながら強い意志を持ち、アムレートの復讐を手伝います。オルガ、カッコいいですよ。アニヤ・テイラー=ジョイが演じていて、素敵です。

 

そして、とうとう復讐の時がやってきます。ここからは、映画で観て欲しいのですが、迫力があって、凄いです。結構、残酷で、ロバート・エガース監督っぽい、暗い中に強い意志が浮かび上がるという感じで描かれていました。重量系の人たちの戦いだから、一発が重そうなのよ。面白いですよぉ。なんたって、バイキングだからね。

 

 

私、バイキングというと、「小さなバイキングビッケ」を思い出すのよねぇ。小さな頃に観ていたと思うけど、こんな残酷じゃなかったんだけどなぁ。子供向けだからかしら。今回のバイキングは、ごっつ残酷な人達でして、ちょっとスプラッターしてました。腸が出てたもん。迫力満点のアクションが見れます。

 

映像も綺麗でした。この映画、カメラを何個も使わず、ひとつのカメラだけで撮影したそうです。それで、この迫力が出ているのですから、構成が素晴らしくしっかり出来ていたんでしょう。ロバート・エガース監督、前作の「ライト・ハウス」でも、しっかりと計算されたような絵でしたもんね。今回も、良かったです。

 

 

父王役で、イーサン・ホークが出演しています。最初の方だけで殺されてしまいますが、強い印象を残します。なので、アムレートが長くかかって復讐をしても、理解が出来るように描かれていました。オーヴァンディル王は、鴉王とも呼ばれていました。北欧の神・オーディンはフギンとムニンという鴉をいつも肩に乗せていて、彼の思考と記憶をワタリガラスたちが受け持っていたんです。なので、アムレートが危機に陥ると、ワタリガラスが助けに駆けつけます。可愛かったし、上手く演技していました。CGだったのかな?確か、”ライト・ハウス”の時も、鳥を上手くつかっていましたよね。

 

この一族、フレイ(北欧神話の豊穣の髪)を崇めていたようだけど、父王を助けていたのは、オーディンだったような気がします。それに、途中でヴァルキリーらしき姿も、アムレートの夢に出てきたので、彼は神々に助けられていたのかなと思いました。原作を、少し読んでみましたが、映画は、原作とちょっと変えてあるようですね。原作だともっと長いです。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。北欧伝説を、スペクタクルアクション映画に仕上げていながら、暗くてジメジメした感も忘れずに取り込み、信仰や予言など、ファンタジー色も入れていて、面白かったです。よくある明るく楽しいファンタジーとは、一味も二味も違うので、映画好きにはたまらない面白さがあると思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ノースマン 導かれし復讐者」