「離ればなれになっても」若い頃の自分とは変わっていくけど、その気持ちはそれほど変わらないんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「離ればなれになっても」

 

を観てきました。

Fan's Voice独占最速試写会に参加させていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

1982年。ローマで暮らす16歳の少女ジェンマは同級生の少年パオロと恋に落ち、彼の親友ジュリオやリッカルドとともに青春を謳歌していた。しかしジェンマは母を亡くし、ナポリで暮らす伯母のもとへ引き取られることに。1989年。それぞれ教師、俳優、弁護士として社会に出た3人の男たちはジェンマと再会するが、彼女はまるで別人のように変わってしまっていた。

というお話です。

 

 

1982年ローマ。パオロとジュリオ、リッカルドは、青春を謳歌していた。3人はあるデモに巻き込まれ、リッカルドが撃たれ、パオロとジュリオが病院に連れて行き命が助かった。その日から、3人は仲良くなり、パオロとジュリオ、そしてリッカルド=イキノビと呼ばれるようになる。

 

パオロは同級生のジェンマと知り合い、恋に落ちる。そして3人にジェンマが加わり4人でつるみ、いつも遊ぶようになっていた。その幸せはいつまでも続くと思っていたのだが、ジェンマの母親が亡くなり、ジェンマは伯母と共にナポリへ行くか、施設に入るかという選択を強いられる。施設暮らしは嫌だったジェンマは、仕方なく伯母と共にナポリへと行くことに。パオロとジェンマは、分かれていても愛している事を確認し、離ればなれとなる。その後、何度も連絡を取り合おうとするが、お互いに出来ずに何年も経ってしまう。

 

 

1989年、教師、俳優、弁護士と、社会への一歩を踏み出した3人の男たち。パオロは教師となるが、非常勤講師の職しかなく、母親の面倒を見ながら暮らしていた。リッカルドは映画関係の仕事をする為に、エキストラの仕事をしながら、脚本を書いていた。ジュリオは猛勉強をし、弁護士資格を取って、貧しい人の為に戦う弁護士となる。

 

ある日、パオロが街を歩いていると、すれ違った女性がジェンマだと気が付く。見た目はとても変わっていたのだが、ジェンマだった。男と一緒で、懐かしいという言葉を交わし別れるのだが、お互いに思いが蘇り、ジェンマは居ても立っても居られなくなり、男と住んでいた家を飛び出し、パオロの家へと向かう。

 

寄りを戻したパオロとジェンマは、一緒に暮らし始め、幸せな生活を送れるかと思うのだが…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、面白かったです。イタリアで大ヒットするハズです。面白かったというか、とても良い映画でした。4人の仲の良かった高校生が、成長し、それぞれの道を歩き始め、全く違った生き方をして行くのですが、どんなに年を取っても、友情は無くならないというような内容で、私は感動しました。最後には、本当にしあわせな気持ちになりました。

 

高校生の4人は、まだ初々しくて、本当に子供のようでした。まだまだ、社会の辛さや苦しみを知らず、今の幸せは、ずっと続いて行くと思っているんです。でも、ジェンマとの別れがあり、それぞれの生活にも変化が訪れます。この若い頃のかわいい4人が描かれているからこそ、後からの大人の関係が重く見えてくるんです。若い頃の雰囲気を保ちつつ、ちゃんとそれぞれゴリゴリのオッサンになっていくので、その変化も楽しめたなぁ。

 

 

大人になってからは、ジュリオが一番、波がある人生だったのかな。あ、ジェンマが一番か。でも、男3人の中では、ジュリオが一番、弁護士になって、そこからどんどん成り上がっていくという姿が、キツかったというか、変わっていくんだなぁと思いました。やっぱり、力を持つと欲が出てくるんですかね。弱い人の味方だった弁護士なのに、ある時から、ガラッと変わるんです。それが、ちょっと嫌だったかな。人間らしいとは思うんですけどね。

 

パオロはホントにイイ奴なんです。優しくて、生き方はそんなに上手くないけど、誠実で、子供たちに色々な事を教えたいと思っているんです。こんな優しい人だったら、一緒にいたら幸せに慣れそうだなと思えるような人物なんです。だけど若い頃は、パオロみたいな人だと刺激が無くて、あまり楽しくないのかもしれません。大人になると、彼の良さが解るけど、若い時には、それに気が付かないのかなと思いました。鳥が好きっていうのも、良い要素だなと思いました。

 

 

リッカルドは、何ていうのかなぁ。ちょっと軽くて、思った事を直ぐにやってみる人物ではあるんだけど、深く考えていないので、周りからは、あまり信頼されないんです。信頼されないから、仕事も上手く行かず、何をやっても中途半端で、色々と失敗しちゃいます。年を取って、落ち着いてからは、少し良くなっていくのかな。でも、何をやっているのか、ちょっと解らない人物ではありました。

 

ジェンマは、若い頃は本当に眩しいくらい綺麗で、素直な女の子なんです。パオロとジェンマは、直ぐに恋に落ちて、誰もが羨むようなカップルになるんですけど、別れが来ます。それから、ジェンマは随分と苦労をしたようで、高校を卒業して、直ぐに伯母の家から独立したみたいでした。この時代ですから、女性が一人で生きていくのは、結構、大変だったのだと思います。悪い男と付き合い始めて、身なりも何も、派手になってしまい、パオロは、会っても直ぐに解らないくらいでした。

 

 

そんな風に、4人は成長し、運命が絡んで行きます。この大人になってからが、またいくつも山があって、みんな、それぞれに苦しみます。人生って、そういうもんですよね。お金持ちだから幸せとは限らないし、かと言って、お金が全く無いと苦労をすることになる。人それぞれ、色々な苦しみがあって、4人は、それぞれの大切なものを見つける為に奔走します。

 

全員が、大切なモノを見つけられたのかは、映画を観て、確認してください。しあわせとは何なのか。若い頃の苦労は、きっと、いつか良い思い出になって、その人の経験として身になっていきます。友達と離れていても、きっと、いつか、一緒に笑える日が来るという、そんな素敵な映画でした。これは、誰もが感動すると思います。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。イタリア映画にしては、ちょっと長いけど、その長さを感じさせないほど、共感出来て、感動する作品です。どんな年齢の方にも、それぞれに感じることがあると思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「離ればなれになっても」