「奈落のマイホーム」
を観てきました。
ストーリーは、
平凡な会社員ドンウォンは11年の節約生活の末、ソウルにマンションを購入する。念願のマイホームに家族と引っ越した彼は同僚を招いてパーティを開くが、大雨でシンクホールが発生し、わずか1分でマンション全体が沈んでしまう。反りの合わない隣人マンスや同僚たちと共に地下500メートルにまで落下したドンウォンは脱出するべく手を尽くすが、さらなる大雨によって穴は水で満たされていく。
というお話です。
平凡なサラリーマンのドンウォンは、11年間の節約生活を経て、ソウルにマンションを購入した。長年夢見た引っ越し当日は、あいにくの雨。しかも、同じマンションに住む妙な男マンスとひと悶着起きるトラブルも発生。引っ越し祝いに家族で食事に行き、お酒も進んで運転代行を呼ぶと、なんと現れた代行業者はマンスだった。後日、お祝いの写真を撮りに写真館へ行くと、そこの社長もマンスだった。近所のジムへ通おうと覗いてみると、そこのトレーナーもマンスだった。
雲行き怪しい新生活のはじまりだったが、ソウルの一等地の部屋を満喫するドンウォン一家だった。しかし、息子がビー玉を床に転がす様を見て、ドンウォンはとある疑問を抱く。「もしかして、建物が傾いている?」マンションの住民たちを集めて緊急会議を招集するも、皆、身勝手な話ばかりで議論は一向に進まない。
疑心暗鬼のドンウォンだったが、入居してから2週間後、マイホームへ同僚を招き、引っ越しパーティーを開く。お酒も入り、運転代行のマンスも交えて宴席は深夜まで続いた。パーティーの場で思いを寄せる女性が同僚と付き合っている事が発覚し、拗らせた勢いで深酒をしたキム代理はドンウォンの新居に泊まってしまう。一緒にインターン生の女性も泊まってしまう。
翌朝、キム代理は結婚式の司会を頼まれていたため、慌ててタクシーに乗り込むも、カバンを忘れたことに気づいて慌てて引き返す。カバンを持ってタクシーに乗り込んだ瞬間、巨大な地響きが起こり、地面は割れ、巨大陥没穴(シンクホール)が発生。マンション全体をわずか1分で地下深くへと飲み込んでしまう。
ドンウォンは、そりの合わないマンス、タクシーごと落下してしまったキム代理、運悪くドンウォンの部屋に泊まっていたインターン生のウンジュらとともに、地下500mに取り残されてしまう。さらに追い打ちをかけるように大雨が降り始め、穴はどんどん水で満たされていく。このままではマンションごと水の中に沈んでしまう。彼らに助けはくるのだろうか。後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったです。韓国ならではかなと思いました。だって、こんなに酷い事故なのに、警察もレスキューも、呆然と見ているだけなんですもん。ま、セウォル号の時も、梨泰院圧死事件の時も、何もしなかったんですもんね。韓国の行政のレベルの低さが良く表れていると思います。酷いですよね。全部、個々の国民頼みって、どういうことよ。
と、怒っていても仕方ない。映画についてですが、そんな韓国の行政の酷さを描きながらも、突然に出来たシンクホールに落ちたマンションに住んでいた人々の奮闘を描いています。韓国は、このシンクホール、酷いようですね。韓国のマンションの建築については、よく知りませんが、韓国でも地質調査をして、岩盤層を見つけるか、岩盤がなければ摩擦杭など、杭を工夫するなどしていると思うんですけどね。それをしても、その下で地層流れが起きたりするのかな。とても不思議でした。だって、500mも落ちるなんて、一体、下はどうなっているのか、ぜひ、知りたいと思いました。
せっかく、ソウルにマンションを購入したのに、すぐにシンクホールに落ちるなんて、運が悪いとしか言えないけど、怖いですよね。これ、建築会社が責任を取ってくれるのかしら。それとも、シンクホールだから、国が保障してくれるのかな。お金を必死で貯めて購入したのに、これからドンウォン一家はどうなるのか、心配になりました。彼らだけじゃなく、このマンションを持っていた方々、皆さん、ビックリしただろうな。
韓国人の性格もよく出ていたと思うんだけど、ドンウォンが傾いているからどうにかしようと住民会議で話しているのに、価値が下がるから調査しないとか、そんなことを平気で言ってしまうんです。自分が住んでいるところが傾いていたら、直ぐにでも調査して貰おうと思うよね。命に関わることですもん。それでも自分の利益を考えてしまうというところが、個人主義らしい部分が出ているなと思いました。日本のように、周りの事も考えるということが、あまり無いのかなと思いました。
地下に落ちてしまったマンションには、ドンウォンや、マンス、キム代理などなど、他にも何人もの住民が残っていました。はっきり言って、500mも落ちたら気圧が違うので、お年寄りなどは、通常もたないんじゃないかな。若い人ならまだ順応力があるので、酸素が薄くなっても、身体が頑張ってくれるとは思うけど、地上で行動している時よりは、体力の消耗が酷いと思います。いきなり500mですもんね。恐ろしいです。意識も朦朧とするよね。
そんな中で、何とか脱出しようと考えるのですが、どう考えても、地上からの助けがなければ助からない事が解ります。でも、地上から助けが来る様子はありません。確かに、いつまた崩れ落ちるか判らないのですから、そう簡単には行動は出来ないでしょう。でもね、隣の建物が落ちる前に、ワイヤーで建物を固定するとかは出来たはずなんです。ジャッキアップで高層ビルを建てる時代なんですから。どう考えても、建築のプロやレスキューのプロがいれば、どうにか出来た事件だと思いました。助ける気が無いのかなと思っちゃいます。
状況はどんどん悪くなり、豪雨が降って、穴に水が溜まって行きます。マンションの中に居たのでは、そのまま溺れて死んでしまいます。マンションの上階に行き、少しでも生き残る可能性を考えていくんです。この辺りの展開は、上手いなと思いました。韓国の行政は酷いけど、映画界は素晴らしいです。調子が良いとは思うけど、確かに助かろうと思ったら、こんな事を考えるしか無いよなと思いました。
凄い内容なのに、何故か笑える部分も多くて、楽しめました。こんな極限状態に陥った時、どう行動するかということが、その人の人間性を表すんだなと思いました。あまり詳しくは言えませんが、色々な人物の行動に考えさせられました。良い映画でした。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。韓国の行政の役に立たなさが、よく描かれていたと思います。でも、行政が役に立たない分、それぞれ個人がよく考えて、思い合って行動するんだなということも、よく描かれていました。最後は感動しました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「奈落のマイホーム」