「ドント・ウォーリー・ダーリン」面白いサスペンススリラーとちょっとホラーかな。良く出来ています。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ドント・ウォーリー・ダーリン」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

完璧な生活が保証された街で夫ジャックと幸せな日々を送るアリスは、隣人が赤い服の男たちに連れ去られるところを目撃する。それ以降、彼女の周囲では不可解な出来事が続発。次第に精神が不安定となり周囲からも心配されるアリスだったが、あることをきっかけに、この街に疑問を抱くようになる。

というお話です。

 

 

完璧な生活が保証された街で、アリスは愛する夫ジャックと平穏な日々を送っていた。ジャックは良い夫であり、仕事も順調。アリスは、近所の奥様たちと買物に出かけたり、家事、習い事を楽しんでいた。

そんなある日、隣人がおかしなことを言いだす。”騙されている”、それが何なのか解らないが、彼女は精神的におかしくなっているらしい。後日、隣人が気になるアリスは、屋根の上に立つ彼女を見つけ、驚いて外に出ると、彼女は自殺を図ってしまう。すると突然に赤い服の男達が現れ、彼女を連れ去ってしまう。



 

ジャックにその事を話すと、隣人の奥さんは病院に運ばれたと話す。何かしっくりいかないアリスは、その後、周りで頻繁に不気味な出来事が起きるようになる。壁に押し潰さたり、鏡に映る自分の姿が隣人に見えたり、幻覚だとは思うのだが、あまりにもリアルで自分に自信が無くなっていく。

次第に精神が乱れ、周囲からもおかしくなったのではと心配されるアリスだったが、あることをきっかけにこの街に疑問を持ち始める。何かがおかしい。この街を計画し、夫たちが働く会社のトップであるフランクに近づき、この街の秘密を暴こうと調べ始めるのだが…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

今回、ちょっと最後の方にネタバレしてます。

この映画、面白かったですよ。不安が大きくなっていくアリスの気持ちが伝わってきて、自分が見ているものが本物なのか偽物なのか、自信が無くなっていくんです。観ているこちらが主人公に同化出来るように作られているので、ずっとハラハラドキドキが続くんです。そして、戦わなきゃっていう気持ちになっていくんです。

 

SFで、似たような作品を観たか、読んだような気がするのですが、一部は「時計じかけのオレンジ」で観た“ロボトミー手術“らしきものも描かれ、人間に必要なものとは何なのかを考えさせられました。何が幸せなのかは、人それぞれですよね。幸せな生活を送っていると言うけれど、みんなが幸せとは限らないということです。

 

高級住宅地に住んで、高価な車に乗って、豪華な食事をしているとしても、それは幸せとは言えないですよね。6帖の畳の部屋で、卵かけご飯を食べて、寝転んでTVを観ているのが一番幸せな人もいると思います。それを、一律に同じことをすることが幸せなのだと言われても、我慢出来なくなることもありますよ。私なら、直ぐに脱走することになるだろうな。元々、人と同じことをするとかが苦手ですもん。

 

アリスは、そんな世界に自分が置かれていることに、全く気がついていません。自分は、愛する夫と二人、幸せな生活を送っていて、夫が昇進したり、子供はどうしようかなと考えたり、なんて幸せなんだろうと思っているんです。突然に隣人に“騙されている“と言われるまでは。何が違っているのか分からないのですが、隣人の必死な顔を見て、何かを感じます。

 

 

そして、ある日、ある事をきっかけに、夫が働いている会社は何をしている会社何だろうと疑問を抱き、その謎に迫っていきます。夫婦で会社のパーティーに出席しても、バカ騒ぎをするばかりで、仕事については、何一つ解らないんです。おかしいでしょ。通常、どんな部署の人とか、営業だったらどんなところに行っているとか、そんな話がポロポロ出てくるよね。

 

謎の会社に毎日通う男たち。そして何か目的がある訳でもなく、家事をして、買い物をして、おしゃべりする妻たち。まるで男の付属物のような妻たちですが、愛されているし、お金の苦労も無く、毎日のように飲んで、歌って、遊んで、と、不満は無いんです。それって、生きている意味があるのかな。私は直ぐに飽きそうだけどね。

 

 

監督を務めているオリビア・ワイルドも、アリスの家の隣人役で出演していて、彼女はおかしくなる隣人じゃないけれども、とても重要な役で出演しています。演技も出来るけど、映画も監督するって、すごいですよね。尊敬します。そしてね、映像も美しいです。大画面で観た時に、どんなに美しいのかということを計算して作っているので、アリスが不安になって混乱していく場面は、何とも不思議な映像になっていて、美しかったな。鏡の使い方もとても上手いです。俳優さんならではの映像かなと思いました。

 

フローレンス・ピュー、もう、若手で叫ばしたら一番じゃないかな。彼女の恐怖の表情は、マジでドキドキします。それが、殺人鬼に追われている訳じゃないとしても、生命の危機だって感じで心に迫ってくるんです。もちろん、その後に戦おうって意志で立ち向かうこともあるけど、叫ぶ演技はピカ一かなと思いました。

 

 

そうそう、クリス・パインが悪役のフランクを演じていて、この人、ヒーローよりも悪役の方が合っていると思いました。不敵な雰囲気が良かったです。まぁ、悪役ではあるんだけど、もっと悪い奴がいるんだけどね。(笑)いやぁ、マジで悪い奴なんだけど、考えてみると、個人が望んできているので、彼が悪いだけじゃないんです。本当は、自分の望みだけを優先しようとする人間が悪いんですよ。でもね、あまりにも人生が自分の思い通りにならなかったりすると、こんな考えに陥ってしまう人もいるのかなと思いました。怖いよねぇ。私は、きっと、ここに混ざることは無いだろうけどね。

 

実は、この映画、最後はスッキリしません。自分で考えるという結末です。私は、バッドエンドだと想像し、また同じことを繰り返すのかなと思いました。ここは、ちょっとネタバレかな。ごめんなさい。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。これは面白かったです。ちょっとレトロな雰囲気の街で、生活もアメリカの良い時代を再現しているようで、面白かったです。そして、実はっていうのが、本当に怖かった。アリスは自分の意志じゃなかったようなので、それって怖いなと、最後にゾッとしました。うーん、作り方が上手いっす。良い映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ドント・ウォーリー・ダーリン」