今年も、東京国際映画祭が開催され、閉幕しました。昨年は、コロナもまだ収まっていなかったし内容もよくなかったので、観に行かなかったのですが、今年は、久しぶりに11作品を観てみました。
観る作品を選んだ時にも思ったのですが、本当に暗い作品ばかりを選ぶようになりましたね。私は、コンペティションを以前から全作観たりしていたのですが、ここ数年、選ばれている海外作品が暗すぎて、観る気がなくなります。邦画は良い作品が選ばれているようですが、海外作品は、本当にひどいです。
それに、ワールド・フォーカスも、とにかく選出される作品が暗い。せっかくの映画祭なので、政治的な問題や人種的な問題を扱った作品もあるべきですが、コメディやホラー、ヒューマンドラマ、ドキュメンタリー、ラブストーリーなど、色々な作品があって良いはずです。でも、そういう楽しさが全く見られないんです。
ガラ・セレクョンにあるでしょと言われるかもしれませんが、ガラ・セレクションは、映画会社が勝手に宣伝用に作った部門でしょ。これから公開する映画の宣伝のためだけの部門です。公開が決まっているなら、わざわざ、映画祭で上映する必要がないでしょ。スポンサーの希望なんだろうけど、スポンサーの言いなりなら、映画祭じゃないでしょ。以前は、トヨタがオフィシャルパートナーだったので、お金があったんだろうけど、今は大きいスポンサーがいないので、苦しいのでしょうね。仕方ないとは思いますが、とても残念です。
今年、思ったのですが、本当に来ている観客が減りました。席が空いてますもんね。あれだけ会場が小さくなっていても、席が空いているんだから、観客は確実に減っていると思います。だって、映画祭なのに、楽しくないんですもん。海外の珍しくて面白い作品が観れるならまだしも、ただ暗くて、悩まされる作品ばかりなのですから、そりゃ、観たくないですよ。そういう作品があっても良いのですが、全てがそういう作品ばかりではね。
もう一つ、文句になっちゃうんだけど、コンペとかのQ&Aの時の司会、何とかなりませんか。申し訳ないけど、しかめっ面のオジサンが淡々と話しをされたのでは、質問もしたくなくなるし、大体、監督がやり難そうだというのが解りませんか?こういう時こそ、アナウンサー志望の若い学生にやらせればよいと思います。司会が年配の方だと、硬くなってしまい、良い答えが出てこないんですよ。少し抜けていて、おバカとは言わないけど、抜けた人がやった方が、楽しい話が聞けるんです。毎年、思っていたけど、今回は、書かせていただきました。
今年、良かったと思ったのは、野外上映(日比谷ステップ広場)で、「ET」が観れたことかしら。子供の頃に、親に映画館に連れて行って貰ったと思うのですが、その頃の感動が蘇ってきて泣けました。TVなどでは何度も観ているのですが、大画面で観ることは無かったので、今回、大画面で観れて、やっぱり映画は大画面で観ると感動するんだなと改めて思いました。この頃の映画って、本当に夢がありましたよね。自転車が空を飛んでいく場面は、マジで涙が溢れました。ETなんて、まんま造りモノって解るんだけど、それでもストーリーが素晴らしいので惹き込まれて、本物に見えてきちゃうんですよね。あの感動は、嬉しかったな。
とにかく、予算が無いのが見え見えで、もう一度、トヨタに頼んだらどうですか?こんなに円安になっているんだから、トヨタなんて儲かって大変でしょ。少し、交渉してみたら良いんじゃないですか?他にも、色々な企業に協力を頼むべきで、そういう営業的な事が出来る人がいないのかしら。外国企業にだって、頼むべきじゃないの?こういう時代なんだから、税金対策に映画祭に寄付をするとか、あると思うんだけど。
映画祭は、ただ映画を選ぶのが仕事ではなく、運営する方が大切です。映画を選ぶ方は、ボランティアでやってくれる人に頼んだらよいんじゃないの?何十人という人に頼めば、偏ることもないでしょ。そんな簡単な事じゃないと言うかもしれないけど、どーせ、他の映画祭には負けているんだから、東京国際はこういうスタンスですって、決めてしまえば良いのに。他に、太刀打ちが出来ないなら、アプローチを変えるべきです。
と、偉そうなことを書きましたが、本当に、ここ数年、酷くなっています。やっとレッドカーペットが復活しましたが、邦画のゲストばかり。円安だから、海外ゲストにギャラが払えないのかもしれないけど、映画祭だから、旅費と宿泊は出すから、安いギャラでも来てよって言えば良いのに。今、円安だから日本に来さえすれば、物は安いし、楽しいよって勧誘すれば良かったのに。もう少し、事務局が頭を使おうよ。交渉営業が上手い人、いないのかな。もう、定年したようなバリバリの営業マンに、成功報酬で頼んでみたら?映画好きの人で、やってくれる人がいるかもしれませんよ。
今年のフランス映画祭は、ミューズが石田ゆり子さんで、ゲストにロマン・デュリスとマルタン・ブルブロン監督がいらっしゃるようですよ。オープニング作品は「エッフェル」(ギュスターヴ・エッフェルの伝記映画です。)。12月1日~4日までの4日間ですが、横浜みなとみらいで、クリスマス前の雰囲気を味わいながら楽しめそうです。フランス映画祭は、頑張ってますよねぇ。応援しています。
第35回東京国際映画祭 の感想でした。そして、フランス映画祭 2022の宣伝かな。楽しみです。
「フランス映画祭 2022」