TIFF2022 コンペティション部門
「ライフ」
を観ました。
ストーリーは、
アルマンはカザフスタン第一の都市アルマトイで、顧客の人生における様々な瞬間の写真や映像をデジタル化することに特化した会社に入社することが出来ます。あまり学歴などは重視されず、仕事さえ出来れば良いというスタンスの会社のようでした。アルマンは、大した経歴も持たず、仕事に恵まれてこなかったようで、大喜びでした。
何故なら、アルマンは、お金に困っていました。恋人が予期せずに妊娠してしまい、ただでさえ金に困っていたのに、さらに困窮することになったんです。これでお金に苦労することは無くなるからと恋人に話し、仕事が軌道に乗ったら、子供が生まれる前に結婚して、幸せに暮らそうと約束します。
そして、仕事に行き始めると、アルマンは一大プロジェクトの担当者に抜擢されます。しかし、少しうとうとしている間に、扱っていたデータが全て消えてしまいます。顧客データの元も消え、会社は大騒ぎになります。預かっていたデータを消したのですから、その損失は莫大で、損害賠償を考えると会社はもちません。アルマンは、その責任を負わされ、損失を返すために、悪徳業者に連れて行かれます。そして、いく先々で脅され、暴力を受け、人生の最悪を味わい続けます。そして…。後は、映画を観てくださいね。
この主人公、日本でもよく見かけるような、チャラ男のようなタイプで、彼女が妊娠しちゃったから仕事を見つけないとと言って、慌てて見つけると、たまたま採用してくれた会社があったんです。楽に採用されたし、仕事も適当でいいかーって感じでやっていると、失敗して、データを消してしまう。自業自得でしょって言いたくなりました。どんな仕事でも、舐めてかかると、こういうことになるんだよ。
面接でカッコいいことをベラベラ話すから、これから一攫千金を狙う社長は信用しちゃって、アルマンに任せちゃったんです。慣れた社長なら任せないけど、素人社長じゃ仕方ないよね。この社長も、誰かにやらせておけば儲かると考えちゃったところがダメなんだけど、やっぱりアルマンが悪いでしょ。
で、損失を返すために、どこかに連れて行かれて、そこからは、まるで坂道を転げ落ちるように、転落していきます。出会う人、出会う人、悪い奴なんです。でもね、低い方に行けば行くほど、誰もが勝ち残ろうとするから、悪い奴しかいませんよ。生き残るためには当たり前なんです。
このアルマンは、本当に何の経験もなく、頭も悪いということで、よいカモなんですよ。日本にもいるよねぇ。詐欺に引っ掛かっちゃう可哀想な若い子たち。友達だからって近付いてきて、何か薦められて、断れないように囲んだりして、強引に契約とかさせられちゃうヤツ。その昔、不動産屋もマンション契約書にサインしないと帰さないとかって、恐ろしい話もあったんですよ。ああー、年齢がバレる。(笑)
この映画でも、そんな感じの脅しをする場面が沢山ありました。そして、観念して契約をすると、天国のような接待をしてくれたりして、描かれている人々の強欲さに驚くほどでした。そんな強欲な人々にむしり取られるアルマン。自分の頭で考えて行動しないのでは、そりゃ、搾取されるだけの存在になりますよ。この世の中で、生きていきたいと思うのなら、自分の頭で考えて、相手の行動を読まないとね。知識を持たなきゃ生きてはいけません。学校の勉強は役に立たないので、生きる為の知恵を持たなければね。
最初は、妊娠した彼女の為に頑張るんだろうかと思えるような場面もありましたが、表情は、何だかぼんやりしていて、口では言うけど、あまり本気じゃなかったのかなと思いました。その後の行動を見ても、責任感が無いですよねぇ。どこかで、自分が責任を取りますという行動をしてくれたら、誰かが見直して良い方向に動いたかもしれない。最後まで、自分の意志が見えないアルマンは、さあ、何処に行くんでしょうか。それは解らないし、解りたくも無い。こんな男、どーでもイイやって思っちゃうかな。
そんな男の末路が描かれていて、クズ男をよくここまで描いたなぁと、笑ってしまいました。だって、あまり主人公がクズで、その末路まで描いている映画って無いじゃないですか。どこかで思い直したりするでしょ。でも、コイツは最後まで、自分の頭で考えずに流されるだけでした。うーん、最悪だった。
ここまで暗い映画、あんまり見たこと無いかな。というか、本当は観たくなかったです。全く、救いが無いんですから。私は、この映画、あまりお薦め出来ません。ごめんなさい。私は、最後まで観るのが辛かったです。酷かったですから。実際に、最後までクズで終る人間もいるかもしれませんが、映画だから、せめて救いが欲しかった。観て、楽しくないんですもん。うーん、辛かった。機会があったら、観てみてください。
ぜひ、楽しんで?くださいね。
「ライフ」