「天間荘の三姉妹」
を観てきました。
ストーリーは
天界と地上の間にある街・三ツ瀬で、老舗旅館「天間荘」を切り盛りする若女将の天間のぞみ。妹のかなえはイルカのトレーナーで、母親で大女将の恵子は逃げた夫をいまだに恨んでいる。ある日、謎の女性イズコが小川たまえという少女を連れて天間荘を訪れる。たまえはのぞみとかなえの腹違いの妹で、現世では天涯孤独の身だったが、交通事故で臨死状態に陥ったのだという。イズコはたまえに、現世へ戻って生きるか天界へ旅立つか魂の決断ができるまで天間荘で過ごすよう話す。
というお話です。
天界と地上の間にある街、三ツ瀬。美しい海を見下ろす山の上に、老舗旅館「天間荘」がある。切り盛りするのは若女将の天間のぞみだ。のぞみの妹・かなえはイルカのトレーナー。ふたりの母親にして大女将の恵子は逃げた父親をいまだに恨んでいる。
ある日、小川たまえという少女が謎の女性・イズコに連れられて天間荘にやってきた。たまえはのぞみとかなえの腹違いの妹で、現世では天涯孤独の身。交通事故にあい、臨死状態に陥ったらしい。イズコはたまえに言う。「天間荘で魂の疲れを癒して、肉体に戻るか、そのまま天界へ旅立つのか決めたらいいわ」。しかし、たまえは天間荘に客として泊まるのではなく、働かせてほしいと申し出る。
初めて腹違いの妹がいる事を知ったのぞみとかなえは驚き、大女将の恵子は、逃げた男がまた女を騙して逃げたのかと怒り心頭。しかし、たまえが言うには、母親は早くに亡くなり、父親が育ててくれていたという。ある日、突然に出て行った切り戻ってこなかったらしい。
旅館の下働きを始めたたまえは、その明るさで、お客様にも慕われ、姉たちにも可愛がられて、楽しそうに暮らしていた。そんなある日、臨死状態になった女性・優那が連れて来られる。高校で虐めを受けて飛び降り自殺をし、臨死状態になったらしい。たまえが担当するのだが、何を言っても、早く死にたいと言うばかり。死を選択したら、二度と現世には帰れない。そんな優那の前に、やはり臨死状態の老女・玲子が現れ、お互いに現実から逃げているだけだと話し、よく考えるように促す。
冷静になった優那も、玲子も、それぞれに自分の未来を考え始め、そしてたまえも、いつまでもここに留まっている事は出来ない。そもそも三ツ瀬とは何なのか? 何故、臨死状態の人間がお客として現れるのか。天間荘の真の役割とは?後は、映画を観てくださいね。
この映画、私は良かったです。スカイハイのスピンオフ作品だったんですね。以前は、イズコを釈由美子さんが演じていらしたのを覚えているのですが、柴咲コウさんもピッタリでしたね。凄くイズコっぽい気がしました。”お行きなさい”って言われたら、”はい”って言うしかない感じですもん。(笑)
現世とあの世の間にあるような存在の”三ツ瀬”。ここにある天間荘には、何故か臨死状態の人の魂がやってきて、あの世に行くのか、現世に帰るのかを、熟慮して決めるらしい。直ぐに選択する人もいれば、いつまでも決められずに、ここに留まっている人もいる。ま、あまりにも長くはいられないみたいでしたけどね。
天間荘は、天間家が営んでいて、母親の恵子は大女将、のぞみは女将として働いている。かなえは、近くの水族館に勤めている。そこに現れるのが、ふたりとは腹違いとなるたまえ。父親の清志が、恵子の元を去って、再婚した女性との子供だった。そりゃ、驚いただろうけど、思ったほど躊躇せずに、どちらも受け入れて、一緒に働いていました。直ぐに家族のようになっていたのは、血が繋がっているからかな。
観ていると、本当に普通の家族の映画に見えるんだけど、実は、全く違う世界のお話で、何故、こんな事になっているのかは、後から明かされるのですが、うーん、凄い考えさせられたし、こう思うことで、生きている人々の気持ちが安らぐのかなと思いました。亡くなった人を忘れられずに、いつまでも泣いていたら、心配で天国に行けないっていう言い伝えもあるじゃないですか。だから、今は分かれることになってしまったけど、きっと、また、先で会うことが出来るよって言われているようで、そうだなっていう気持ちになりました。
この映画、あまり詳しく書くとネタバレになっちゃうから、本当に感想を書くのが難しいんだけど、私は好きな映画でした。もし、亡くなった人に、もう一度逢えることが出来るなら、聞きたいことは沢山あるし、教えて欲しいことも沢山ある。あり得ない事だと判っていても、きっと、誰もが一度は考えたことがあると思うし、自分が死んだらあの世で逢えるかななんて事も、考えた事があると思うんです。そんな誰もが思うことを、ファンタジーとして描いてくれていて、気持ちがやわらかくなりました。きっと、あの世に行ってしまったら、幸せに暮らしているんだろうなって思えるような内容だったんです。
臨死状態の場合は、どっちつかずのイメージなのかな。でも、自分で選択が出来るというのは良いと思いました。自殺なら分からないけど、不慮の事故とかなら、やっぱり戻りたいと思うんじゃないかな。私なら、直ぐにでも戻りたいと思うけど。怪我をしていたり、病気で苦しんでいたりするかもしれないけど、少しでも好きな人たちとの時間が取れるなら、それで満足だと思うんです。
キャラクターが、良かったです。これ、原作が良いのかな。自分勝手な事を言っているようでも、どこかで好きな人の元に帰りたいと思っていて、そこに希望を持っているんです。ただ、絶望だけではなく、パンドラの箱のように、最後に希望が残っている人ばかりだったので、どこか憎めず、共感出来る部分があったので、最後まで、ガッツリと観てしまいました。
のんさん、やっぱり可愛くて、上手かったです。好きだなぁ。そして、天間荘の大女将の寺島さん、大きな包容力で、家族みんなを包んでいるように見えて、素敵でした。大島さんと門脇さんも、良いお姉ちゃんでした。そういえば、のんさんと門脇さん、イルカとの共演、楽しかったです。ちゃんとイルカさん、指示に従っていましたね。可愛かった。他にも、重要な人物が何人も出てくるのですが、ネタバレ出来ないので、書きませんね。
ちょっとだけ、うーんと思ったのは、話しが長すぎて、途中でダラダラする部分があったかな。キャラクターが多いので、全員の事を描こうと思ってのことだと思いますが、ある程度はまとめて切って行かないと、さすがに、賛否が分かれる原因になるのではと思いました。私は、気に入った映画なのですが、うーん、観る人によっては、長いと思う人もいるのかなと思いました。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。死後の世界を、ファンタジーとして描いていて、生きている人が慰められるような内容だったのが良かったです。近い人が死んだ経験があったら、やはり、考えさせられるんじゃないかな。もう一度、逢いたいって思うもん。良い映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「天間荘の三姉妹」