TIFF2022「第三次世界大戦」ある男が起こした大戦は自分勝手で利己的な理由からでした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

TIFF2022 コンペティション部門

 

「第三次世界大戦」

 

を観ました。

 

ストーリーは、

妻と息子を自身で亡くしたシャキーブは、日雇い労働者として建設現場などで働いている。夜は友人の店の倉庫などで寝かして貰い、酷い生活をしていた。しかし欠かさず通っている売春宿があった。そこには、聾唖者のラーダンという女性がおり、手話が出来るシャキーブは、彼女とは気が合ったのだ。

 

ある日の日雇い現場で、映画の撮影現場のセットを作る作業があった。その現場では、第二次世界大戦の映画が撮影されることになっており、シャキーブは収容所のユダヤ人役のエキストラの職を得る。ある日、ヒトラー役の俳優が急病で降板し、シャキーブが代役に抜擢される。

 

 

撮影に使用される豪邸のセットに寝泊まりするようになり、その写真をラーダンに送ると、売春宿を逃げ出し、シャキーブの所に訪ねてくる。匿って欲しいというのだった。しかし映画のセットであり、本人以外は入れないという契約をしているため、一度は断るのだが、ラーダンは帰らず、仕方なく泊めることに。

 

しかし、この事がシャキーブを大きなトラブルに巻き込むことになり、大変な事態が起きるきっかけとなってしまう。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、酷い映画だったぁ~!映画が酷いんじゃないですよ。映画は素晴らしいんだけど、主人公のシャキーブ、いや、その女のラーダンが酷い奴だったぁ~!どう考えても、仕事を貰っているのに自分の欲望だけで動いて、嘘もつき放題、自分が悪いのに人の責任にしているという、とんでもない主人公だったんです。こういう奴がいるから、銃の乱射事件が起きたり、無差別大量殺人が起こったりするんですよ。マジで、”コイツ許せん”と、久しぶりに大魔神状態になりました。

 

 

このシャキーブ、友達から何度も、非合法な売春宿なんかに行ったら問題になると注意されているのに、ちょっとお金が手に入ると通うという、常連客なんです。確かに、このラーダンは美しい女性ではあるんだけど、子供の頃からここで世話になっていたようで、そうなるとお客は利用するものと思っていたんじゃないかなと思うんです。だから、大きな家に住んでいるというシャキーブを利用して、売春宿を抜け出し、裕福になろうと思ったんじゃないかと思うんです。

 

でもね、シャキーブが裕福なんじゃなくて、映画の中の役が裕福なだけで、本人は貧困のままなんですよ。もし、この映画で人気が出て、有名な俳優になれたら、そりゃ、裕福になれたかもしれないけど、シャキーブは、演じる努力をしようという気が一切無くて、早く終えて、ラーダンの所に帰りたいということばかりなんです。その昔、「お金はある方に向かって流れている。」という言葉を聞きましたが、本当に、貧困だと諦めているから、裕福にはなれないんです。裕福だと努力をするから、またお金が入ってくるんですよね。真実を突いているなと思いました。

 

 

このラーダンは、売春宿から逃げてきたから、その宿のボスが探しに来るんです。また、このラーダンは、べらべらと同僚にシャキーブの事を話したらしいんです。本当にバカでしょ。何処までも頭が悪いんです。シャキーブは、ボスが訪ねてきたので、直ぐにラーダンを逃がそうとするのですが、ラーダンは豪華な家を離れるのを嫌がり、撮影所に居座ってしまうんです。もう、この辺りで、フラグが立ってしまい、コイツ捕まるか、殺されるかだなと思ってしまいました。ま、実は、ちょっと違う感じになるんだけど、何かが起きるフラグは立ちました。

 

ここまでの内容で、何が起きても、本人たちが悪いよねって思うでしょ。女に断れない男と、何処までも図々しい女、これ、酷いよね。私、こんな人間が周りにいたら、遠ざけると思います。絶対に、何か事件を起こすもんね。関わりたくない人達でした。

 

こんな恐ろしい2人にメチャクチャにされる、映画撮影現場の人々は、凄く可哀想でした。だって、面白い映画を作ろうとしているんですよ。理不尽な事もあるけど、まぁ、映画現場にはよくあるらしいパワハラとかがあるけど、それでも、笑っちゃうほど下手なシャキーブをヒトラーにして、一生懸命撮影に励んでいたんです。それなのに、ラーダンが来たせいで、全部、おかしくなっていってしまう。

 

 

そして、第二次世界大戦の映画を撮影していたのに、何故か、第三次世界大戦まがいのことが起きてしまうっていう、とんでもない展開でした。真面目に考えると、凄く恐ろしいお話なんだけど、あまりにも酷いので、笑っちゃうんです。何度も言うけど、映画が酷いんじゃなくて、シャキーブの行動が酷いんです。あんた、それ、コメディにしたくてやってんの?って言いたくなるほど、無様で、自分勝手で、酷い行動でした。もう、私は、最後には真面目に観れなくなっちゃいました。だって、これ、真面目に観ていたら、気が狂いそうでしたもん。

 

はっきり言って、私、この映画、面白いと思いました。ここまで展開させるというのは、あまり無かったと思います。考えられないような展開を見せて、私は驚きました。ここまでやってくれたら、みんな、ぐうの音も出ずに、面白かったですと言って、映画館を出て行くんじゃないかな。良い映画とか悪い映画という問題じゃなく、衝撃的な映画でした。私は、面白かったですが、もしかしたら、酷すぎると言う方も出てくるのではないかなと思いました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。イラン映画、恐るべしという感じでした。最初は、大人しそうな男なのに、追い詰められて行くと、こんなになっちゃうんだってことが描かれていて、驚きと興奮で、ビックりでした。日本公開は決まっていませんが、もし、観る機会があったら、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「第三次世界大戦」