東京国際映画祭 コンペティション部門
「マンティコア」
を観ました。
ストーリーは、
ある日、家でゲームキャラのデザインをしていたフリアンに、“助けて“という声が聞こえてきた。切羽詰まった子供の声で、驚いたフリアンが窓から覗いてみると、隣家の部屋が燃えている。すぐに隣家へいき、ドアを叩くと、子供が助けてと叫んでいる。ドアを蹴破り、消火器でキッチンの火事を消火する。隣家には母と息子が住んでおり、母親が仕事に行っている間、少年が1人で留守番をしていたのだ。古い家で、キッチンのカーテンに火が燃え移ったようだった。
フリアンも消火により肺に影響を受けた恐れがあり、診察をしてもらい、もし、何かあったら病院に来るようにと言われる。すると、その夜発作を起こし、病院に駆け込むと、パニック障害を起こしており、火事の影響だろうと言われて、抗不安薬を処方される。
ゲームに登場するモンスターのキャラクターデザイナーとして成功を収めているフリアンは、仕事での不安は無く、ストレスは無い。何が彼の不安になっているのか。実は、彼にはある趣向があり、それについては、人に言えないという不安を抱えていたのだ。
ある日、フリアンはパーティー会場でボーイッシュな少女ディアナと知り合う。家庭に問題を抱えるディアナの相談に乗るうち、フリアンはディアナに惹かれ始める。しかし、彼女とSEXをしようとしても、どうしても出来ないのだった。
そんなある日、会社から支給されているPCで、ゲーム用のキャラではなく、個人的にキャラクターを作成していたことが会社に知られ、契約でPCは仕事のみで使うようにとされていたため、PCを回収され、仕事の契約を破棄されてしまう。
そして、ディアナにも、彼が描いていた少年のキャラクターを見られてしまい、「気持ち悪い」と言われ、別れようといわれてしまう。そして...。後は、映画を観てくださいね。
今回は、どうしてもネタバレをしないと記事が書けないので、もし、観る予定があるようでしたら、読むのは辞めてください。この映画、日本では、とても理解するのが難しいかなと思いました。それと同時に、日本はもう少し、幼児性愛好者=ロリコンに関して、厳しくした方が良いんじゃないかなと思っています。
この映画の主人公フリアンは、自分は子供に対してそういう趣向があることに気が付いてはいますが、それを認めたくはないようでした。自分で、いけないことだと抑制しているのですが、それが、隣家の少年と出会うことによって、抑えられなくなっていきます。そして、女性と付き合っても行為が出来ないということになってしまいます。
とても悩んでいる様子で、そんなに大変なのかなと思っていたら、会社のPCで、少年の絵を描いただけで、PCを回収され、仕事も失います。スペインでは、ロリコンと知られただけで、仕事も失うんですよ。絵を描いただけでクビなんですから。日本だと、平気でSNSに少女の絵を載せたりしているでしょ。他の国では、それだけで仕事を失うということに驚きました。それくらい、子供に対しての保護機能が優れているというか、社会で徹底されているんです。日本はロリコン天国ですね。恐ろしいです。
国の意識の違いを感じました。SNSで見ていると、少女の顔でほとんど半裸の絵とか、平気で載っているでしょ。こんな絵が載っていたら、街中でも可愛い子を見たら、連れ込んだりする人間が出てきてもおかしくないですよね。先日も、ゲームの音楽担当の人が10代の少女を連れ込もうとしたというニュースを見てゾッとしました。もっと、子供を守るという観点から、規制を強化するべきだと思いました。スペインだったら、SNSに絵を載せている人は、みんなクビで、周りから変人扱いです。うーん、こんなにも考え方に違いがあるんですね。
なので、日本人の考え方だと、このフリアンの苦しみがよく解らないと思うんです。スペインだと、幼児性愛好者と判っただけで、きっと社会から弾き出されてしまうのだと思うんです。でも、日本だとロリコンと呼ばれて、ちょっと敬遠はするけど、それなりに市民権を得ているじゃないですか。ロリコンと幼児性愛好者とは違うと言われるかも知れないけど、私には違いがわかりません。子供に危害を加えないなら良いけど、絶対とは言えないもんね。
フリアンは、見た目は大人しいし、才能もあるけど、自分の持つ性癖により、自分が許せずに壊れていく姿が描かれていました。マンティコアという空想の動物のように、顔は人間だけど、身体は野獣なんです。身体が抑えられなくなったら、それは、もう、人間ではないですよね。
日本の問題を刺されたような気がして、辛いなと思いました。映画の中に、何度も日本食の事や、漫画などの話も出てくるので、日本の問題も訴えているのかなと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。日本で上映は難しいかもしれませんが、これは、考えて欲しい事だなと思いました。もし、観る機会が出来たら、ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
「マンティコア」