「向田理髪店」過疎地の問題を描きながら親子の温かさが描かれていました。高橋さんカッコいいです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「向田理髪店」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

かつて炭鉱町だった筑沢町で、親から継いだ小さな理髪店を営む向田康彦。ある日、東京で働く息子・和昌が帰郷し、会社を辞めて店を継ぎたいと言い出す。自身の過去が脳裏をよぎり複雑な胸中に陥る康彦だったが、和昌は理容師学校の費用を稼ぐため、近所の運送会社でバイトを始める。そんな中、市役所で開かれた地域振興についての会議に出席した康彦と和昌は、過疎化が進む町の活性化を巡って意見を対立させる。

というお話です。

 

 

向田康彦は妻の恭子と親から継いだ筑沢にある理髪店を営んでいた。理髪店の客は近所の老人たちがほとんど。仕事が終われば、近所にあるスナック「昭和下町」で中学からの同級生でガソリンスタンドを営む瀬川真治や電気店を営む谷口修一と移り変わってゆく町の愚痴を口にする毎日。

 

そんなある日、東京で働いていた息子の和昌が帰郷し、会社を辞めて店を継ぐと言い出す。和昌の言葉を聞き、恭子は素直に喜ぶが、康彦は自分の過去が頭を過ぎり、不安を感じる。和昌はそんな康彦の思いを知らず、ゆくゆくはカフェを併設する店にするという夢を語り、理髪師学校へ通う為の費用を稼ぐために近くの運送会社でバイトを始める。

 


 

久しぶりの親子の生活を続けて行くなかで、市役所で商工会の経営者を集め、地域振興に関する会議が開催される。会議では中央官庁から出向してきた佐々木良平が和昌をはじめ若者世代からの今後、筑沢の活性化のための意見を聞く。

 

コミュニティFM開設などの意見が上がる中、康彦は過疎化の進む筑沢の現実を終末医療に例え、地方振興の名のもとに和昌など若者たちを煽る佐々木に疑問を投げかける。しかし、和昌は自分たちの想いを否定する康彦へ反発。不穏な空気がんがれる中、谷口のとりなしでどうにかその場は丸く収まるが、その後、和昌は康彦がいう街の現状を目の当たりにすることになってゆく。

 


 

やがて人気アイドル・大原零主演の映画撮影が筑沢で行われることになり、一気に街が活気つく。この撮影をきっかけに康彦を始め、街の人々も変わり始めた。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、福岡県の大牟田市で撮影をされたようで、福岡と熊本で先行上映だったそうです。今は、もう、全国で上映されているのかな?過疎地の人々を描きながら、日本の色々な場所で問題になっている後継ぎ問題や、仕事の問題、少子化問題、介護の問題などを描いていました。

 

生きていれば、誰もが必ず何かしらの問題にぶち当たりますよね。それは、中央でも地方でも同じで、その解決策って、ありそうで無いというのが現状だと思います。みんな、それぞれに解決策を考えて、やっては見るものの、満足出来る解決とはならないんじゃないかな。最初は勢いが良くても、景気が悪くなれば、あっという間に潰れてしまう。そんな事、ばかりだと思います。

 

 

向田理髪店の周りでも、後継ぎ問題や、若い人が減ってしまう問題などなどが持ち上がり、どうしようかねーと考えていると、たまたま、向田の一人息子が実家に戻ってくるんです。そして、後を継ぐからというのですが、これは、きっと東京で上手く行かずに逃げて来たんだろうなという予想がつきますよね。

 

思うんだけど、東京で上手く行かなければ、地方でも上手く行かないですよね。だって、仕事が少ないんだから。こういうドラマを観ると、いつも不思議に思うんだけど、東京で負けて、地方に帰ってくるというのがほとんどでしょ。東京が一番人付き合いをしなくて済むし、失敗したら直ぐに次の仕事が見つかると思うんですよ。だから、一番勝負しやすい場所だと思うんだけど、違うのかしら。私は、生まれてからずっと横浜にいるので、東京で負けても行くところが無いので仕方ないのですが、その負けるというのも、イマイチ、良く解りません。何が負けるっていうのかな。仕事が続かない事?友達が出来ないこと?うーん、教えて欲しい。

 

 

仕事が続かないのは、負けるとかじゃなくて、自分に合ってないというのが一番じゃないの?もちろんブラック企業も沢山あるんだろうけど、もし合っていれば、この仕事と思ったら、キツくてもそれを続けていると思うんです。だから、この東京で負けるとかいう表現、出来たら辞めて欲しいと思っている私です。

 

映画の内容に戻って、息子が帰ってきた向田康彦は、息子が後を継ぐという事に、どーもシックリきません。自分が理髪店を継いだ時のことが、今ももやもや残っているからです。帰って来てくれたことは、本心では嬉しいと思っているんだけど、上手くそれが表現出来ず、息子とは衝突するばかりで、その間を妻の恭子が取り持ってくれているんです。この雰囲気が、とってもリアルで上手いなぁと思いました。

 

 

そんな筑沢町で、突然、映画の撮影が始まるというニュースが入ってきて、みんな、大盛り上がり。町民もエキストラとして出演することになり、町は活気づきます。康彦も、最初は面倒な事だと思っていましたが、いざ撮影隊が来ると、大喜びで映画に出演していました。ここら辺の場面は、実際に、この福岡県の町で撮影した時の雰囲気が出ていたんじゃないかな。なんか、とっても暖かい感じで、良かったと思いました。

 

一時の盛り上がりも収まり、町はどうなっていくのかしらという事なんですが、それは、映画を観て欲しいです。そんな凄い出来事が起きるわけでは無いんだけど、温かい映画でした。単館系の映画で、好き嫌いはあると思うけど、ほっこりして、ゆったりしている映画と思って観ていただければ、楽しめるのかなと思います。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。アクション映画とかが好きな方には、ちょっと合わないかもしれませんが、単館系の映画や、ほっこり、ゆるゆるした映画が好きな方には、楽しんでいただけると思います。途中でうとうとしても、問題無く、観ていられる映画って感じかな。面白いですよ。ぜひ観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「向田理髪店」