「線は、僕を描く」素晴らしい内容とキャストで満足の出来る作品でした。水墨画を習いたくなりました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「線は、僕を描く」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

大学生の青山霜介はアルバイト先の絵画展設営現場で水墨画と運命的な出会いを果たす。白と黒のみで表現された水墨画は霜介の前に色鮮やかに広がり、家族を不慮の事故で失ったことで深い喪失感を抱えていた彼の世界は一変する。巨匠・篠田湖山に声を掛けられて水墨画を学ぶことになった霜介は、初めての世界に戸惑いながらも魅了されていく。

というお話です。

 

 

大学生の青山霜介は、大学の友人から絵画展設営現場でのアルバイトを押し付けられ、奮闘していた。そんな時、ふと、設置されている水墨画に目が留まる。そこには美しい椿の絵が描かれていた。その絵に感動した霜介は、涙が溢れてくるが、それを抑えて、バイトに励む。

 

設営が終わり、昼ご飯に行くと、お弁当が用意されていた。バイト用の弁当を手に取ると、横から男性が来て、これを食べなさいと豪華な弁当を用意され、そのペースに巻き込まれ、もうひと仕事、頼まれてしまう。実は、その男性は水墨画の巨匠・篠田湖山であり、彼の実演を手伝い、目の前で素晴らしい水墨画が描かれていくのを目にする。圧倒されている霜介に湖山は、「僕の弟子になってみない。」と声をかける。

 

 

水墨画と運命の出会いを果たした霜介は、まだ、何も知らないのに弟子など出来ないので、湖山先生の入門教室に入れてもらうことにする。湖山のアトリエに行くと、そこには自分より若い女性が水墨画を描いており、彼女の名前が千瑛だと知る。彼女は、若手ながら水墨画の天才絵師と呼ばれていた。

 

巨匠・篠田湖山に声をかけられ”水墨画”を学び始めた霜介。水墨画は筆先から生み出す「線」のみで描かれる芸術。描くのは「命」。霜介は初めての水墨画に戸惑いながらも、その世界に魅了されていくが、霜介には、忘れられない辛い思い出があり、自分に向き合うことが出来ないでいた。自分に向き合わなければ、水墨画の神髄を理解することが出来ないことに気が付いた霜介は、それまで避けていた現実に向き合い、前に進もうと考え始めるのだが・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、素晴らしかったです。良い映画でした。良く出来ていました。簡単に言ってしまえば、青春サクセスストーリーではあるんだけど、それが、そんな陳腐なもんじゃないんですよねぇ。何なんだろう。この水墨画というものが、作品の質を上げているのかしら。いや、キャストも良かったし、内容も良かったんだよなぁ。構成もとても良かったと思います。想像が出来てしまう内容ではあるのに、それが、とても新鮮に見えて、感動を与えてくれるんです。何だろうなぁ。これ、言葉で説明すると本当に普通の映画なんだけど、観ると、全然違うんですよ。こんなにも、ピタッと全てが合わさっていて、凄く気持ち良い映画って、そうないと思います。

 

まず、第一にキャストが素晴らしかったです。横浜さんと清原さんが良かったなぁ。この二人が、上手く浮き上がるように、三浦さんと江口さんと富田さんが、ガッツリと組んでくれていて、この安定感は凄いです。やっぱり、周りに凄い人達が組んでくれていると、本当に、主役たちが引き立ちますね。特に、三浦さんが上手い!湖山先生、素晴らしかったです。

 

 

そして、出てくる水墨画が素晴らしいです。こんなにも沢山の水墨画を使っていて、これ、水墨画教室の方々とかが、協力してくださったのかしら。とにかく凄かったし、本当に美しかったです。水墨画って、こんなにも美しいんですね。白黒なのに、カラフルな色で描かれているような、ふくよかで優しい椿など、こんな風に描かれたら、花たちも嬉しいだろうな。今まで、あまり水墨画に触れてこなかったので、こんなにも美しいんだという事を、改めて感じました。私も、水墨画を習ってみたくなりましたもん。

 

私は、原作を読んでいませんが、原作通りなのかしら。主人公の霜介は、ある悲しい過去を持っているのですが、これはショックだろうなと思いました。そこから立ち直るのは簡単ではないと思いましたが、水墨画に打ち込むことで、きっと、これから、自分の道を見つけて、歩いてい行けると思いました。誰もが、一人では生きられませんもんね。

 

 

霜介の師匠となる湖山は、千瑛の祖父であり師匠であるんだけど、二人に解りやすく教えるとかは、一切しないんです。この教え方は、天才的な教え方だと思うんだけど、自分を見て、感じて、覚えて欲しいという考え方なんです。だから千瑛は、”全然教えてくれない。”と言って怒るんだけど、教えてないのではなく、伝わっていないだけなんです。

 

これ、こういう芸術系だとよくあるんですよねぇ。そうそう、ゴルフでレッスンプロっているでしょ。教えるのは上手いけど、自分は下手という人。芸術もそうで、上手い人ほど、教える事が出来ないんです。それは、自分が自然と出来てしまうから。出来ない人の気持ちが解らないんです。ピカソに、どうしてそんな絵を描いているのと聞いても、きっと、”さぁ。”って言うでしょう。自分で感じたままを描くので、教えるのは無理なんですよねぇ。そんな天才肌の芸術家を、よく描いていたと思います。でも、湖山は、天才と言いながらも、よく教えていたと思いますよ。言葉が少ないだけでね。

 

 

湖山と霜介の間に、江口さん演じる西濱という画家も出てきます。彼も湖山の弟子で、普段は家事をしているだけで、一切、絵を描いていないんだけど、実は・・・という人なんです。この西濱の活躍する場面も凄かったです。やっぱり、江口さん上手いなぁ。素敵でした。またも、イイ兄ちゃんになってました。

 

小泉徳宏監督って、「ちはやふる」の監督さんなんですね。あまり知らないけど、この監督の画面は綺麗だと思いました。絵画面が綺麗なんです。場面、場面が写真に出来そうで、俳優たちも、絵や風景も、綺麗に見えるんです。ずーっと綺麗なんで、気持ちも豊かになります。水墨画の世界なのに、こんなにもカラフルなのかと思うほど、画面が豊かで、とてもしあわせな気持ちになりました。

 

あんまり難しい映画ではなく、ストレートに感動を描いている作品なので、誰が観ても、共感出来るし、感動出来るんじゃないかと思いました。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。もちろん、俳優さんたちも素敵だけど、映画として、良く出来ているし、感動作に仕上がっていると思いました。私は、とっても好きな作品です。水墨画を習いに行きたくなりましたもん。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「線は、僕を描く」