「耳をすませば」アニメ版と比較してしまう気持ちも解るけど、映画としては良い作品だと思います。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「耳をすませば」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

読書好きな中学生・月島雫は、図書貸出カードでよく名前を見かけていた天沢聖司と最悪の出会いを果たす。その後、ネコの助けで次第に彼にひかれていく。そんな聖司に背中を押され自身も夢を持つようになる。しかし、聖司は夢をかなえるためイタリアへ渡ることに。二人は10年後に再会することを誓い合う。それから10年が過ぎた1999年。出版社で働きながら夢を追い続ける雫は、イタリアで奮闘する聖司を想うことで自分を奮い立たせていたが…。

というお話です。

 

 

読書が大好きで元気いっぱいな中学生の女の子・月島雫。彼女は図書貸出カードでよく見かける、ある名前が頭から離れなかった。天沢聖司、全部私よりも先に読んでる。どんなひとなんだろう。雫の想像は膨らんでいた。


ある日、雫は、借りた本をベンチに忘れ、それを聖司が拾ってくれたことがきっかけで”最悪の出会い”を果たす。雫は聖司にムカついていたが、ある日、電車に乗ってきた猫を追いかけていくと、その店に聖司がいた。その店は聖司の祖父が営んでいる骨董屋で、そこには猫のバロンという人形があった。

 

 

聖司は、チェロ奏者だった祖父に憧れ、自分もチェロ奏者になりたいという夢があった。そんな聖司に次第に惹かれていく雫。聖司に背中を押され、雫も自分の夢を胸に抱くようになったが、ある日、聖司から夢を叶えるためイタリアに留学すると打ち明けられ、離れ離れになってもそれぞれの夢を追いかけ、また必ず会おうと誓い合う。

それから10年の時が流れた、1998年。雫は、児童書の編集者として出版社で働きながら夢を追い続けていたが、思うようにいかずもがいていた。もう駄目なのかもしれない、そんな気持ちが大きくなる度に、遠く離れたイタリアで奮闘する聖司を想い、自分を奮い立たせていた。

 


 

一方の聖司も順風満帆ではなかった。戸惑い、もどかしい日々を送っていたが、聖司にとっての支えも同じく雫であった。ある日、雫は仕事で大きなミスをしてしまい、仕事か夢のどちらを取るか選択を迫られる。答えを見つけに向かった先は…。後は、映画を観てくださいね。

 

元々のジブリのアニメが人気なので、実写版は、あまり良く思われていないようですが、私は、今回、この実写版を観て、また、このお話が好きになりました。聖司と雫、実写版の二人も好きです。中学生の二人と、大人になった二人、交互に描かれていくのですが、とても雰囲気が似ている俳優さんを連れて来ていて、上手くキャスティングしたなと思いました。

 

 

雫と聖司、同級生の竜也と夕子、みんな中学時代と大人時代が描かれるのですが、顔が似ているとかではなく、雰囲気が似ているんです。よくこれだけ似させたなと思うくらい似ていて、私は好感が持てました。私も、ジブリのアニメが好きなので、実は、ちょっと実写版は否定的だったのですが、実際に観てみたら、感動したし、観て良かったと思いました。観る方に媚びる感じはなく、観ていたら、自然と、アニメを思い出さずに、この実写版だけを映画として観れるようになりました。

 

雫と聖司は、中学で分かれた後、10年も遠距離恋愛を続けているんです。二人とも、とても誠実なので、他に好きな人が出来るでもなく、お互いを想い合っているんです。でも、雫もイイ年齢になり、友達たちがみんな結婚して行くので、ちょっと不安になるんです。今でも、聖司君は自分を好きなのかなって。ま、当たり前ですよね。時代は1998年で、今よりも25年程前の設定なので、今のように、ネットで顔を見ながら会話をするとか、メールを送り合うとか、そういうことが普及していなかった時代です。その頃は、手紙を送るくらいしか、連絡を取る手段が無かったんです。だって、国際電話がバカ高い時代ですからね。

 

 

それに、昔は、20代半ばで結婚するのが当たり前の時代。女性は、結婚して子供を産むことが普通のように言われていた時代です。周りが結婚して行けば、そりゃ、雫だって心配になりますよ。仕事の面でも、夢をこのまま追って行っても良いのかと心配になる年代です。仕事をしながら夢を続けるのか、夢を諦めて仕事に専念するのか、一番悩ましいですよね。だって、夢は、そう簡単に叶う訳が無い。でも、諦めるのも悔しいし、どうしたら良いんだろうって、誰かに相談したいと思うんです。そういう気持ちが、とても伝わってきて、共感出来ました。

 

現代なら、簡単にイタリアと連絡は取れるし、毎日だって会話が出来るけど、ちょっと前は、そんな事は夢のようだったんですから。そう思うと、近年の社会の進歩は著しいですね。世界、何処にいても仕事は出来るし、テレビで会話も出来る。そんな時代が来るなんて、少し前までは、考えつきませんでした。良い時代になったと思うけど、でも、情緒が無くなりましたね。何でもストレートに出来るようになってしまった分、時間を持たせたり、タイミングを見てということが、無くなってしまったような気がします。

 

 

雫と聖司の待ち合わせも、携帯が無いので、窓の外の自転車の音で気が付いて外を見たりなんです。今では、LINEで連絡をしておいてって事になるでしょ。こういう部分が、なんか、昔は良かったなという気持ちがしました。だって、心が通じ合っていたって事でしょ。今は、そんな感覚で繋がっているという気持ちは、味わえないですもんね。この映画を観て、昔の事を思い出しました。

 

私は、10年後の二人の描き方も良かったと思います。私には、ちゃんと雫と聖司に見えましたし、二人は変わってないんだなって事が伝わってきました。みんな、それぞれに、この作品には思い入れがあるだろうから、賛否があるとは思うけど、私は、良く出来ていたと思います。松坂さんと清野さんのお二人は、このキャラに合っていたと思いました。中学時代の二人も、最初はアニメと比べてしまって違和感があったけど、その内、慣れました。雫を演じている子役の子は、歯茎が出るので私の好みではありませんでしたが、良かったと思いますよ。聖司もツッケンドンなところが似ていると思いました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私は、受け入れられました。これ、きっと、受け入れられない方もいらっしゃるだろうなという感想ではあります。やっぱり、良いアニメを実写化は難しいですよね。だから、映画を観ていて、アニメから離すことが出来れば、受け入れられるし、素直で綺麗な作品だなと思うと思います。こればかりは、人それぞれなので、何とも言えませんが、私は懐かしい気持ちがしたし、良い作品だなと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「耳をすませば」