「カラダ探し」
を観てきました。
ストーリーは、
7月5日、女子高生の明日香は、幼い少女に「私のカラダ探して」と声をかけられた気がしたが、幻だったのかもしれない。不思議な出来事に違和感を覚えつつも、いつも通りの一日を終えようとしていた。しかし、午前0時を迎えた瞬間、気が付くと彼女は深夜の学校に、クラスメイト6人も一緒にいた。そして目の前に全身が赤で染まった少女「赤い人」が現れ、生徒たちを次々と殺して行く。そして自身も殺されたと思ったら、また5日の朝に戻っているのだ。そのループを抜け出すには・・・。
というお話です。
7月5日、明日香の高校生活は一変した。いるはずのない幼い少女から、「ワタシのカラダ、探して」と言われたその日から。どこか知らない森の中で少女に追われての事で、気が付くとベッドにいた。寝ようとしたその時、深夜0時となり、今度は、明日香は、孝弘たちクラスメイトと共に学校にいた。全部で6人。何故、この6人が集められたのかは判らない。うろたえる6人に、既に恐怖が迫っていた。
全員が驚き、顔を見合わせていると、そこに現れた全身が血で染まった少女「赤い人」によって、6人は次々と惨殺されてしまう。そして目が覚めると、そこはまた同じ7月5日。その日から、6人は何度も「赤い人」に殺され、永遠に同じ日をループすることに。このループを止めるには、少女の「カラダを探す」しかない。
6人は、校内を、少女のカラダを探して走り回り、”赤い人”に殺される前にカラダを礼拝堂の棺桶にいれなければならない。カラダのパーツはいくつもに分かれており、何度も何度も殺され、ループしながら、一つづつカラダを集めていく。
随分とカラダは集まってきたが、何故か、頭だけいくら探しても見つからない。赤い人との戦い前の昼に、校内で調査をするが、一向に進歩が無い。そんな時、図書館司書の先生が、何故か”カラダ探し”というワードに反応を示す。気になった明日香は、先生に訪ねると、先生も実は高校の頃に、”カラダ探し”をやったらしいのだという。しかし、終わってしまうと、その記憶が無くなってしまい、僅かなヒントでその記憶が少しだけ戻って来たらしい。
明日香は、これが始まるまでクラスでハブられており、この試練によって、仲間との絆が生まれた。これが終わったら、また一人になってしまうと不安に駆られてしまう。しかし、このまま同じ日を繰り返していても、何も始まらない。決心した明日香は、少女の頭を探し始めるのだが・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、また、困っちゃうホラー映画かなと思っていたら、面白かったです。ちゃんとホラー映画でしたし、お遊びもあり、良く出来ていました。出演者も頑張っていて、どの子が主演をはってもおかしくない方ばかりだったので、十分に楽しめました。ワザとらしく青春をしていたりするところが、上手いなぁと思いました。
普通、ホラー映画だと、ずーっと緊張しっぱなしで、暗い場面ばかりでしょ。でも、遊び心があって、海でみんなで走って青春していたり、毎夜、殺されるという恐怖を味わうのに、それを打ち消すように、みんなで楽しむ場面があり、そのギャップが上手いんです。これは、監督の作戦勝ちかなぁ。きっと、この映画、ホラー映画なんだけど、何故か、見終わると、爽やかな気持ちも抱くと思うんです。目一杯、グログロだったりする場面があるのに、その組み合わせが素晴らしいと思いました。
やっぱり、ホラーはこういうのが良いよね。だって、ジェイソンだって、フレディだって、お遊び部分があるじゃないですか。そのバランスが良いから、人気が出るんでしょ。この映画も、ちゃんと、凄く怖いんですよ。見たくないっ!って思うような場面もあるんだけど、それでも、観たくなっちゃう。だって、どうなるのか気になっちゃうから。その辺りが、上手いんだよなぁ。
それにね、主演級の俳優たちを、平気で惨殺するところが、また良いのよ。橋本さんも眞栄田さんも神尾さんも山本さんも、平気で真っ二つにされたり、内臓出ちゃってたりするんだよ。凄いですよね。もう、嬉しくなっちゃった。こんな役、出来ませんとか言っちゃう人がいると、なんか、引いちゃうでしょ。でも、誰もが存分に演じてくれていて、とっても気持ちイイんです。残酷な場面で気持ちイイとか言ったら、おかしいかもしれないけど、それくらい潔い感じがして、凄く好感が持てました。若手がこれだけ頑張ってくれるなら、これからの映画界も楽しいかもって思いました。
お話としても、よく考えられていると思いました。簡単にカラダを捜せばよいってだけじゃないんです。そこには、ちゃんと謎もあり、怪しい先生も出てきて、6人の生徒たちは、綿密な計画を練りながら、カラダを探して行きます。ただ、闇雲に探すだけではなく、色々と考えていくんです。それが面白いし、段々と、ただ、敵から逃げるだけではなく、誰かが引きつけて、その間に他の生徒が探すとか、時には協力して倒そうとするとか、色々とやるんです。面白かったなぁ。
もちろん、敵は、その世界では神のような存在だから、倒せる訳がないんだけど、それでも、向かっていくところが良かったし、連携プレーは上手いと思いました。これ、脚本も演出も良かったんだろうな。面白かったんだから。
いや、まぁ、笑っちゃう部分もありますよ。赤い人は変化していくので、人形みたいに見えたりするし、クリーチャーと言いながら、”造りモノ”感がハンパない部分もあるんだけど、それでも、映画の途中途中で、お遊びが入っているから、おもちゃ感もイヤじゃないんです。別に、おもちゃっぽくてもイイじゃんっていう気持ちになるんです。
なんか、上手く言葉で言い表せていないかもしれないけど、この映画、期待していなかったからかもしれないけど、私は、とても楽しめました。ちゃんとホラーです。この間、とんでもない”クソホラー”を観た後なので、これが、凄く面白く感じたのかもしれませんが、日本のホラー映画としては、遊び心があって、良い映画だと思います。眞栄田くんや神尾くん、醍醐くんがイケメンだし、橋本さん、山本さん、横田さんも可愛いのよ。それに、柄本さんが、謎の先生役で良かったです。先生が、どちらの味方なのかは、観てからのお楽しみです。
それにしても、青春している場面が笑ったなぁ。笑いながら海辺を走るって、もう、青春映画の王道で、今どきは古いと言われそうだけど、その場面があるから、夜の恐怖に耐えられるって感じが良く出ていて、これは羽住監督の演出勝ちですね。このバランスがあるから、全てが受け入れられるんです。さすがだと思いました。
私、この映画、気に入りました。超!超!お薦めしたいと思います。久しぶりにスッキリするホラー映画でした。でも、もちろん、ちょっと続くかもしれないぞっていう謎も残してありますけどね。あ、残酷な部分もあり、スプラッターがダメな方は気を付けてください。でも、そんなにグログロでも無かったかな。リアルじゃなかったので、大丈夫かもしれません。でも、恐い部分は、マジで恐いです。解って行ってくださいね。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「カラダ探し」