「七人の秘書 THE MOVIE」
を観てきました。
ストーリーは、
熾烈な戦いの末に政界のドンを辞任に追い込んだ秘書たちのもとに、新たな依頼が届く。今回のターゲットは「アルプス雷鳥リゾート」を経営して信州一帯を牛耳る「九十九ファミリー」。地元の名家として知られる九十九ファミリーだが、裏では私腹を肥やすために手段を問わない極悪一家だった。雪深い信州へやって来た秘書たちは、巧みな潜入スキルで一家に接近を図るが・・・。
というお話です。
熾烈な闘いの末に政界のドンを辞任に追いやった秘書たちは、今日もラーメン萬で平和な日々をかみしめていた。そんな萬に七菜が現れ、マッチングアプリで出会った男性と結婚すると報告する。相手は信州の九十九グループの御曹司。驚いた秘書たちだが、喜んで送り出し、結婚式には千代だけ出席することにする。
結婚式当日、信州の山奥で道に迷った千代を緒方という男が助けてくれる。彼は近くでラーメン屋を営んでいるらしい。九十九家へ送ってもらい、結婚式に出席すると、何故か七菜が一人で出てくる。相手の九十九二郎が失踪したらしい。
二郎は、雷鳥牧場の経営者だが、その牧場に火をつけて逃亡したらしい。牧場の焼け跡には、市長の死体が転がっていた。警察は放火の疑いで二郎を追うことになり、残された七菜は茫然とするばかり。
千代はとりあえず東京に帰ると、そこへ緒方が現れる。牧場の土地を取り戻して欲しいという仕事の依頼だった。
信州一体を支配する「九十九ファミリー」の表の顔は経済を潤してくれる地元の名家だが、実はその裏の顔は国家と繋がり私服を肥やすためには手段を厭わない極悪一家だった。二郎は、あの土地をリゾート開発しようとする父親に反発したため罠にハメられ、市長は殺されたらしい。
過去最大の悪人を懲らしめるため、雪深き地に向かった七人。しかしそこで彼女たちを待ち受けていたのは、絶対絶命、史上最高難易度の任務と、決して知られてはいけないある秘密だった。後は、映画を観てくださいね。
うーん、またもTVドラマで人気が出たから、それを映画にしたという作品です。私は、TVドラマを観ていなかったので、政界のドンを倒す話は知らないのですが、小野田官房長官、あ、違った(笑)、これは「相棒」の話しだった、岸部一徳さんが悪徳政治家だったようですね。少しだけ彼も出てくるので、それで知りました。
ま、今回の敵は、信州のドンと言われる九十九です。鶴瓶さんが演じていました。息子が5人いて、その次男と七菜が結婚することになり、この事件に関わることになります。話としては、まぁ、よくある感じかしら。結構、設定に無理が多かったですね。ドラマシリーズでも、こんな風に無理無理していたのかしら。だって、女性秘書6人が、これだけ顔出ししていたら、秘書として潜り込むとか無理でしょ。普通なら雇わないと思うけど、まぁ、ドラマだからね。
九十九家も、こんなんじゃ経営が上手く行っているとは思えないけど、何で儲けているのか、不思議でした。息子たちがやっている事業は、全く利益を生み出していなさそうだったので、父親の道山が、色々とあくどいことをして、ブラック企業の経営で儲けていたのかなと思います。ドンと言いながら、家はそれほど大きくなさそうだったし、豪華でもありませんでした。予算が無かったのかな。申し訳ないけど、見れば解っちゃうんですよねぇ。もう、ツッコミどころ満載でした。
どう考えても、スペシャルドラマで十分な内容だし、予算もかかっていないので、何でわざわざ映画でやったのかなという感じです。以前、「妖怪シェアハウス」の時も書いたんだけど、何でこんなチープなままで映画化するんだろうか。映画だと、スポンサー頼みではなく、観客からお金を取れるからなのかしら。うーん、さすがに映画をバカにしているんじゃないかと、最近は思い始めました。
予算をかけた映画を配信する時代に、大した予算をかけずに映画館で上映するという事は、そうとう脚本や映像に自信があるからだと思いますが、配信でも、あまり観てくれる人がいないんじゃないかというような内容で、邦画のレベルを下げているなぁと感じます。ミニシアターで、随分と若手監督の良い映画が出てくるようになったのに、大きなシネコンで、オイオイっていう邦画を上映するのはどうなんでしょう。映画好きとしては、とても複雑です。以前も書きましたが、トップガンと同列で、この映画を上映しているんですよ。恥ずかしいと思わないのかしら。
文句ばかりを書いてしまいましたが、出演者の方々は素敵だったし、木村さんと菜々緒さんのアクションがカッコ良かったなぁ。ドレスでアクションしてくれると、動きが大きく見えて、本当にカッコいいんですよね。ドラマでもそうだったのかしら。
これだけアクションが凄いのに、あの小さな屋敷の中での立ち回りだけだったりして、勿体ないですね。いや、ホント、建物がチープなんですよ。もう少し、お金かけられなかったのかしら。あれ、豪邸とは言わないでしょ。信州のドンと言いながら、あの家ではカッコ悪いよね。敷地は大きそうだったけど、家は小さくて、安普請に見えたので、良いお屋敷が見つからなかったのかしら。もう少し、ロケーションを考えた方が良かったのでは?あれくらいの建物なら、スタジオに作れるよねぇ。なんか、とっても予算が厳しいのかなというのがありありと見えて、悲しくなりました。
そうそう、吉瀬さん演じる九十九美都子なのですが、九十九家の養女で弁護士なんです。法律の勉強をする為に、九十九に援助をして貰って大学に行ったという経緯があり、それで九十九家の弁護士として悪いこともやらなきゃいけなくなった感じに話していたけど、説得力に欠けるんだよなぁ。九十九の愛人で、養女として迎えられたというなら分かるけど、あの強欲な九十九が、ただ言いなりになる弁護士が必要だから援助したとは思えないんですよ。その辺りの設定が酷いんです。映画の脚本なんだから、もう少し、考えて欲しかったな。ドラマスペシャルじゃないんだから。
あー、またも文句を書いちゃった。ごめんなさい。とりあえず、私は、この映画、お薦めしておこうと思います。キャストは良かったと思いますし、アクションはカッコ良かったです。でも、映画としては落第点かしら。TVドラマのスペシャルとして観るなら、まぁ、楽しめるのかなと思いました。私は、TVドラマを観ていなくても理解が出来たので、映画だけでも問題はありません。だけど、とってもチープに見えると思います。ま、ドラマを観ていた方が、その続きと思って観るには良いのかな。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「七人の秘書 THE MOVIE」