「犬も食わねどチャーリーは笑う」
を観てきました。
ストーリーは、
結婚4年目となる裕次郎と日和。鈍感な裕次郎に日和は不満を募らせていた。そんな日和が鬱憤を吐き出さすツールとして出合ったのが、SNSの「旦那デスノート」。そこには世の夫たちが見たら驚がくするであろう、妻たちが投稿する本音の数々が書き込まれていた。ある日、裕次郎はそのSNSの存在を知り、自分について書かれていると思われる投稿を見つけてしまう。
というお話です。
この物語の主人公、裕次郎と日和は結婚4年目の仲良し夫婦? というのは(もちろん)表向き。鈍感夫にイライラする日和は、積もりに積もった鬱憤を吐き出さなきゃやってらんないわー! と、出会ってしまったのは、SNSの「旦那デスノート」。そこには妻たちの恐ろしい? 本音、旦那たちが見たらゾッとするようなエグイ投稿がびっしり書き込まれていた。
ある日、勤めているホームセンターで、同僚の女性に面白いSNSを教えてもらう。そのSNSは「旦那デスノート」。みんなで笑いながらSNSを読んでいると、何故か身に覚えのある出来事が書き込まれていた。あれ?と思った裕次郎がそのペンネームを見ると”チャーリー”となっている。そう、裕次郎と日和が飼っているペットのフクロウの名前なのだ。
「これって俺のことか?」驚いた裕次郎は、日和に訪ねたいが訪ねられない。随分と長い間、お互いに向き合っていないのだ。裕次郎は、ある出来事があってから、日和と向き合う事を逃げていたのだった。しかし、これは夫婦の危機。何とかしないとと思いながらも一歩踏み出せずにいた。
一方、日和は、旦那デスノート書き込みが共感を呼び、本にしませんかと出版社から誘いを受ける。今まで気晴らしで書いていたものが本になると聞き、驚いて、嬉しい反面、何か後ろめたい気持ちが湧いてくる。
家に帰った裕次郎と日和は、とうとう”旦那デスノート”の事で言い合いになり、夫婦ゲンカのゴングの鐘が、いま鳴り響く!! 後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったぁ~!ホント、笑ってしまいました。旦那のムカつくとこ、確かに面と向かって言えませんよね。一応、夫婦だって、これだけは言えないなってことがありますから。でも、どうしても自分の中に貯めておけないって事、ありますよ。私もそうですもん。大体は、ペットを捕まえて、こんな事がとか、あんな事がとか、文句を言って、ペットに嫌な顔をされるということで、何とか解消をしているのですが、デスノートがあったとは。これは、書き込んじゃうよねぇ。うん、解る解かる。
自分が書き込みたいと思うってことは、きっと、旦那側にも言いたいことあるんだろうなとは思いますけどね。それはお互い様でしょ。そんな事を経験しながら、夫婦って続いて行くのかなと思います。この二人も、そんな感じかな。でも、妻の日和は、よくやっていると思いました。
朝ご飯を夫が起きてくるまでに作って、栄養ドリンクまで用意して、送り出して、それ以外に家事全般をこなし、自分は、仕事でコールセンターに勤めていて、お客の文句を受け止めるという、とんでもなく我慢強い女性だと思いました。仕事でお客の文句を聞いていたら、家では何もしたくなくなりそうだけど。コールセンターにかかってくる電話って、理不尽なモノが多いし、本当に大変なんだろうなって思います。
そんな日和に対し、裕次郎は筋肉バカって感じですよね。ま、本当にバカな訳ではないとは思うんです。辛いことがあって、日和も傷ついていることは解っていても、自分も辛くて、どう対応して良いのか、よく解らなかったんじゃないかな。だから、目を背けるようにして、他の事に集中していたのだと思うんです。でもね、この場合は、奥さんの方が辛いんだから、それは、いくら自分が辛くても、一緒に頑張ろうって言ってあげるのが大切だったと思います。
私だって、もし、夫がこんな風に目を背けていたら、はっきり言って、見限っていたかもしれません。別に、何を言って欲しいということではなく、傍にいて、ちょっと普段よりも優しくして欲しいだけなんですよ。それだけで癒されるんです。それが、裕次郎には足りなかったんだよなぁ。日和には、結局、チャーリーしか癒しが無かったんだろ思います。チャーリー、可愛かったな。見てるだけで癒されました。
私も、この旦那デスノート、若い頃なら書き込んでいたかもしれません。でも、オバサンになっちゃって、夫が空気状態になってしまった今は、書き込もうという気持ちにならないなぁ。何だろう、これは、もう、末期なんだろうか。(笑) 一瞬、ムカついても、”あ、コイツはこんなもんだよな。”って思ってしまい、怒りも沸いてこないんです。私の行動に、何か文句を言ったり、阻害するような事があれば、きっと怒るんだろうけど、お互いにこれは言わない事みたいなルールが出来ちゃっているから無いんだろうなぁ。どちらも仕事をしていて、たとえ別れても問題無く生活をして行ける自信があり、どちらかに頼るという事が無いから、こんな対等な生活が出来るのかもしれません。
それにしても、旦那デスノート、凄かったな。夫の歯ブラシで排水口を掃除したり、夫の食事にマウスのミンチを入れたり、とにかく死んでくれとか、うんうんって頷いてしまうような書込みばかりで、本当に奥さんの苦労が解ります。何で目の前で子供の世話をしているのに、お茶入れてとか、平気で頼むのかしら。うんうん、信じられません。常識が無いというか、脳が腐っているんだろうね。こんなSNSがあったとは、全く知りませんでした。もっと前に知りたかったな。若くて、喧嘩していた頃だったら、バンバン書けたんだろうけど。(笑) 今、子育てとか、家事全般とかで苦しんでいる方には、本当にお疲れ様ですって言いたいです。
日和さんって、頭も良いし、とっても良い奥さんだと思うんですよね。だから、裕次郎が向き合って、一緒に辛いことを乗り越えていれば、こじれなかったと思うんだけど、向かい合う事を避けてしまった事が原因でしょ。裕次郎は、それでも辛かったからお母さんに相談したんだと思うの。でも、お母さんに相談するなら、口止めするべきだったよね。うーん、お母さんも励ます気持ちだったんだと思うけど、ちょっと軽率だったかな。
裕次郎役の香取さんと、日和役の岸井さん、バランスがピッタリでしたね。お二人を観ていると、なんかかわいいんです。大柄な香取さんに対して、ちょっこりしている岸井さんが、とっても素敵でした。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。観ていて、何度も笑ってしまったし、時々、ゾッとするようなデスノートの言葉が入ってくるし、その両極端な雰囲気が、とっても楽しめました。凹凸がある映画って、ホント、楽しいです。誰が観ても、楽しめるんじゃないかな。あ、旦那が観ると、ちょっとゾッとするのかもしれませんね。でも、そんな事、知ったこっちゃないわ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「犬も食わねどチャーリーは笑う」