「アイ・アム まきもと」イギリス映画のリメイクですが、別のものとして観た方が楽しめると思います。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「アイ・アム まきもと」

 

を観てきました。

 

TOHOシネマズの試写会が当たりました。

 

ストーリーは、

小さな市役所で、人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」として働く牧本。故人の思いを大切にするあまり、周囲に迷惑をかけてばかりいた。そんなある日、新任局長・小野口が「おみおくり係」の廃止を決定。身寄りなく他界した老人・蕪木の埋葬が「おみおくり係」での最後の仕事となった牧本は、蕪木の身寄りを探し、やがて蕪木の娘・塔子のもとにたどり着く。蕪木の知られざる思いとともに彼の人生をたどるうちに、牧本自身にも少しずつ変化が起こり始める。

というお話です。

 

 

小さな市役所に勤める牧本の仕事は、人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」。彼独特のこだわりがあり、故人の思いを大事にするあまり、周りの都合は全く考えない。なので、遺骨は山になり、遺体は安置時間が長くなり、関係者は大迷惑。牧本は、警察のルールより自身のルールを優先するので、身元不明事件の担当刑事・神代に日々怒られている。

 

ある日牧本は、身寄りなく亡くなった老人・蕪木の部屋を訪れ、彼の娘と思しき少女の写真を発見する。蕪木には、きっと家族がどこかにおり、何か事情があったのだろうと考え始める。

 

 

一方、県庁からきた新任局長・小野口は、無駄な事を省くことを推進しており、遺骨などが山になっている「おみおくり係」の廃止を決定する。彼が言うには、葬式などのおみおくりは故人の為ではなく、送る者の為であり、送る者が居ないのならやる必要は無いという考え方なのだった。

 

蕪木の一件が“最後の仕事”となった牧本は、写真の少女探しと、一人でも多くの参列者を葬儀に呼ぶため、わずかな手がかりを頼りに蕪木のかつての友人や知人を探し出し訪ねていく。刑事の神代にも協力を頼み、彼は協力はしないが書類の忘れ物はしてくれた。それにより、蕪木の写真の少女の身元も解かってくる。

 

 

工場で蕪木と同僚だった平光、漁港で居酒屋を営む元恋人・みはる、炭鉱で蕪木に命を救われたという槍田、一時期ともに生活したホームレス仲間、そして写真の少女で蕪木の娘・塔子。蕪木の人生を辿るうちに、牧本にも少しずつ変化が生じていく。そして、牧本の“最後のおみおくり”には、思いもしなかった奇跡が待っていた。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、観ている内に、どこかで知っている話みたいだなって感じていたら、あの「おみおくりの作法」のリメイクだったんですね。途中で気が付きました。「おみおくりの作法」は本当に名作でしたが、邦画ではどうなるのかな?と思ったら、じんわりとする良い映画でした。でも、申し訳ないけど、やっぱり本家のイギリス映画が頭に浮かんでしまい、それ以上とは言えなかったかなぁ。阿部サダヲさんが頑張っているのですが、お国柄も違うし、あのエディ・マーサンの怪演を思い出すと、どうしても、あちらに引っ張られてしまいました。

 

 

かといって、この映画が悪い訳ではなく、日本ならではの"おみおくり"があるので、この映画は別物として考えて観た方が良いのかなとも思いました。お葬式は、その国々で全く違いますよね。日本では火葬だけど土葬の国もあるし、日本でもコロナ禍で家族葬が増えたけど、フランスやイギリスでは、ほとんどが家族葬で身内だけで送るのが主流だと聞きます。一方、韓国では出来るだけ派手にやるのが当たり前のようで、国によって違いますよね。

 

今日、たまたま安倍元総理の国葬をやっていたようで、私は見ませんでしたが、問題が残ったままのようですね。”おみおくり”って、こんなやり方で良いのかな?と思いました。この映画で、局長が”葬式”は遺族の為のものと言うのに対し、牧本は、故人の思いはどうなるんだって言うんです。今回の国葬は、自民党というか、今の内閣の為のものに見えてしまって、故人(安倍さん)の思いを一切考えていないように思えてしまい、どうなのかなぁと思いました。ご家族の考えも、故人の考えも、全く無視しているような葬儀に意味があったのかしらと思います。

 

 

牧本は、故人が逢いたいと思っていた人々を何とか集めて、送ってあげたいと思い、葬儀をしていたんだと思うんです。牧本には、一切、関係の無い人たちだったけど、”おみおくり係”というのを拝命したからには、寄り添って、出来るだけのことをしたいという思いで、仕事をしていたんじゃないかな。この牧本は、家族も友人も無く、自分一人で生きてきたようで、自分も将来は無縁仏になるだろうことが解っていたからこそ、自分がやって貰えたら嬉しいと思うような事を、人にしてあげていたように思います。

 

何も描かれていませんが、牧本は、ちょっと自閉症的な人物だったのではないかと思われ、そんな彼は、周りとの協調性はゼロで、自分の考えを曲げない性格なので、役所の中でも孤立していて、警察からも迷惑がられています。でも、言っている事は間違っていないんですよ。ただ、もう少し周りの都合も考えてあげないと、それぞれの立場もあるし、仕事が回って行かないでしょ。そんな訳で、周りにも味方があまりいなくて、おみおくり係は廃止される方向になってしまうんです。

 

 

本人も、局長が廃止すると言っていたので覚悟はしていて、最後の仕事に挑むんです。それが、蕪木という孤独死をした老人のおみおくりでした。最後って言う事だからなのか、牧本は凄くしつこく調べていくんです。うーん、ここまでやったら、もう仕事を超えて、趣味になっているんじゃないかな。本当に笑ってしまいました。阿部さん、上手いなぁ。(笑)

 

最後まで観ると、”おみおくりの作法”と同じ内容を作っているんだけど、全く違う映画のような感覚になりました。同じように感動はするんだけど、日本のお葬式だと、より身近な気持ちになれて、寄り添う気持ちが湧いてきました。みんなで手を合わせて、墓石の前に花を供えてという情景は、やっぱり自分の経験とも重なっていくんです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。とてもジーンとする感動作だと思います。でも、出来れば、「おみおくりの作法」を観ていない方の方が、より感動するかな。どうしても最初は比べてしまうので、違う部分が気になってしまうかもしれません。この映画を先に観ていただければ、とても楽しめると思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「アイ・アム まきもと」