「秘密の森の、その向こう」気持ちが楽になる映画のような気がします。私は癒されました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「秘密の森の、その向こう」

 

を観ました。

 

Fan’s Voice独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

大好きだった祖母を亡くした8歳の少女ネリーは両親に連れられ、祖母が住んでいた森の中の一軒家を片付けに来る。しかし、少女時代をこの家で過ごした母は何を目にしても祖母との思い出に胸を締め付けられ、ついに家を出て行ってしまう。残されたネリーは森を散策するうちに、母マリオンと同じ名前を名乗る8歳の少女と出会い、親しくなる。少女に招かれて彼女の家を訪れると、そこは“おばあちゃんの家”だった。

というお話です。

 

 

8歳のネリーは、病院で老人たちに”さようなら”を言って周っていた。この病院で祖母が亡くなったのだ。部屋を片付け、荷物を持って、両親と共に、森の中にぽつんと佇む祖母の家を訪れる。大好きなおばあちゃんが亡くなったので、母が少女時代を過ごしたこの家も、片付けることになったのだ。

家に着いて、片付けを始めるのだが、何を見ても思い出に胸をしめつけられる母は、何も言わずに一人でどこかへ出て行ってしまう。残されたネリーは、父親も片付けを続けているし、一人で、かつて母が遊んだ森を探索することにする。すると、自分と同じ年くらいの少女が木を運んでいる姿に出くわす。手伝ってと言われ、木を運び、小屋を作るのを手伝っていると、雨が降ってきて、少女の家に向かう。

 

 

すると、今までいた祖母の家と同じ家が、森の中にも。あれ?と思いながらも、その家で雨宿りをし、少女と仲良くなる。少女の名は”マリオン”。ネリーの母親と同じ名だった。家族が心配するからと、家に帰るネリーだったが、不思議な感覚はそのままだ。次の日、また、マリオンと遊び、彼女の家に行く。そして、ネリーはマリオンに、自分の考えを打ち明けるのだった。

後は、映画を観てくださいね。

この映画、とっても美しい映画でした。ネリーとマリオンを演じている双子のジョセフィーヌとガブリエル姉妹が、もう、本当にかわいいんです。この二人を観ているだけでも、しあわせになれそうな気持ちになれて、キャスティングが上手いなぁと思いました。

 

 

ネリーの祖母が亡くなったところから始まります。ネリーの祖母と母親は、とても仲の良い母子だったようで、後片付けは、ほとんど父親がやっていて、母親は、ちょっと放心状態のように見えました。病院を片付けて、祖母が住んでいた家に向かいます。その家は、祖母と母親がずっと住んでいた家で、片付けなければいけません。

 

ネリーの母親は、自分の母親との思い出が詰まったその家を片付けている内に、その寂しさに耐えられなくなり、家を出て行ってしまいます。父親と二人で残されたネリーは、寂しさと不安を抱き、一人、森へ遊びに出かけます。この寂しさと不安が、お友だちを引き寄せたのかなと思いました。そして、きっと、あちらにも、不安な材料があったのだと思います。

 

 

そして、森の中で出会ったネリーとマリオン。ネタバレしちゃいけないとは思うけど、この部分はどこかの記事で読んだような気がするので書きますが、このマリオン、母親です。ネリーが森の中を通り、過去の森に辿り着いて、自分と同じ年の8歳のマリオンに出会うんです。その頃のマリオンは、ある出来事で、あまり外に出られないようで、寂しさと不安を抱えていたんです。同じ感情を抱いていた二人が、時間を超えて出会い、お互いに慰め合って、しあわせな時間を過ごすんです。

 

寂しさって、一人では解決のしようが無いですよね。誰かに傍にいて欲しいと思うし、誰かに話しを聞いて欲しくなる。わざわざ寂しい理由を話す訳ではないけど、そこにそっと寄り添って、一緒に遊んでいるだけで、癒されて行くんです。

 

 

でも、普段、忙しく生活をしていると、少し待ってと言っても、周りは待ってくれないし、一人で立ち止まりたくてもそれが出来ない。そうやって、寂しさや不安は、どんどん積み重なっていってしまいます。きっと、このマリオンは、自分の母親が亡くなったことで、その辛さがピークになってしまったんじゃないかな。そんなマリオンの気持ちと、母親が目の前から消えてしまったネリーの寂しさと不安と重なり、時間を繋げることになっちゃったんじゃないかと思いました。母と娘で呼び合ったのかなと思います。母と娘って、ちょっと不思議な関係性がありますよね。

 

 

そんな女性3代に渡る時間を、静かに美しく描いていくのですが、所々に、ネリーの父親が出てきて、色々な場所に飛んでしまう時間を、ちゃんと現代に繋ぎとめているんです。お父さんは、あまり意味が無さそうに見えながら、ここが家なんだよ、ここが帰ってくる場所だよと、ベースを守ってくれているように見えました。ここら辺が、この監督の上手い所だなと思いました。

 

何とも不思議なファンタジーですが、ファンタジーだけでは終わらない、人間の生まれ持った感情というものを描きだし、その変化や動き、癒しと回復を、素晴らしく描いていたと思いました。観た後に、じんわりと湧いてくる、何とも言えない感情と、きっと大丈夫という気持ちが、しあわせにしてくれたような気がします。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。ガツッと理解出来て楽しめる作品とは思えませんが、観た後、よく解らないけど気持ちが良いとか、楽になったとか、そんな感情が芽生えるような映画だと思います。あまり単館系の映画が苦手な方には、難しいかもしれません。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「秘密の森の、その向こう」