「激怒」映画好きが集まって作ったんだろうなと思えるような凄い映画でした。私は好きです! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「激怒」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

激怒すると見境なく暴力を振るってしまう悪癖を持つ刑事・深間は、度重なる不祥事により、海外の医療機関で怒りを抑える治療を受けることに。数年後、治療半ばで日本に呼び戻された彼は、街の雰囲気が以前とは一変していることに気づく。町内会の自警団が「安全・安心」のスローガンを掲げて高圧的なパトロールを繰り返している。やがて、深間の中にずっと眠っていた怒りの感情がよみがえる。
というお話です。

 

 

中年の刑事・深間は、いったん激怒すると見境なく暴力を振るってしまうという悪癖があった。かつてはその強引な手法により街から暴力団を一掃した功労者と讃えられた深間だったが、度重なる不祥事が重なっており、警察も手を焼いていた。

 

ある日、見回り中の飲み屋で、女性に酷いことをした男に対して、大立ち回りをしてしまい、とうとう死者まで出してしまった。警察は責任を問われ、深間を、治療のため海外の医療研究機関へと送ることにする。そこでは、精神を安定させ、激怒することを抑える治療を行っていた。



 

数年後、治療半ばにして日本に呼び戻された深間は、見知った街の雰囲気が一変してしまったことに気づく。街全体がピリピリしているのだ。行きつけだった猥雑な店はなくなり、親しい飲み仲間や、面倒をみていた不良たちの姿もない。

 

警察に戻り、準警察官として再雇用された深間は、以前に自分の部下だった男が署長になっている事を知る。そして、警察は人員が減り、仕事はほとんど事務処理だけのようだった。何故、こんな事になっているのかと思ったら、街の治安は町内会のメンバーで結成された自警団が守っているという。

 

 

町内会の自警団は、高圧的な「パトロール」を繰り返しており、街を汚す者や、自由に振る舞う者など、一部の人間が害悪と感じる人々を一掃しているようだった。一体、この街に何が起きているのか? 「安全・安心なまち」の裏に隠された真実に気づいたとき、深間の中に久しく忘れていた怒りの炎がゆらめき始める。後は、映画を観てくださいね。

 

なんて言って良いのか、私には、超!面白かったです。ここまで良くやってくれましたって言うくらい、激怒してくれていて、笑っちゃうほどでした。これ位やってくれちゃえば、もう、ちょっとコメディが入って、残酷という感じが薄らぎますよね。ま、ちょっとスプラッターが入っているので、そういうのが嫌いな方には、ダメかもしれないけど。でも、楽しかったな。

 

 

警察官の深間は、暴力刑事とは言われていたけど、昔の刑事ドラマなら、当たり前って感じのことをしているだけなんです。今どき、ちょっと小突いたりしただけで訴えられたりしちゃうけど、昔の刑事ドラマなんて酷かったですもんね。なので、深瀬にとっては、別に”普通じゃん”って感じなんですけど、時代が変わってしまい、警察官の不祥事も続いていたんです。そして、ある日、深瀬が激怒してしまうことが起こり、相手を殴り殺してしまったもんですから、そりゃ、ダメでしょってことで、捕まって病院送りにされてしまいます。

 

でもね、普通、2人も殴り殺していたら、裁判で死刑になってもおかしくないと思うんだけど、何故か病院送りで、精神安定の実験体としてアメリカで監禁されているんです。そしたら、突然に送り返されることになってということで、事件が始まります。

 

 

このお話、恐いと思ったのですが、自警団という名の市民団体が、ちょっとルールを守らない奴らに、バンバンと制裁を課して行くいくんです。最近、デモとかも多いし、SNSとかでも正義感を振りかざして文句を言っている人って多いでしょ。野党の政治家も、えげつない発言をSNSなどでしていますが、間違っている事は間違っていると言っても良いけど、私、やっぱり葬式に行かないことをSNSに高らかに宣言するとか、人間として、遺族の方への配慮が足りないと思うんです。お葬式って、遺族の方が悲しみを断ち切るために、気持ちを改める場だと思うんです。それを政治利用して、嫌がらせのようなことをするのは、品性が無いと思います。そういう方は、政治家はしちゃいけませんよね。

 

話しを映画に戻しますが、正義だからと言って、公園で音楽を聴いていたり、スケボーをしていたり、家に引き籠っている人まで、街の秩序を乱すからという理由で、暴力を使って片付けて行くんです。それ、独裁政権と一緒だよね。社会には、多種多様な人がいるからこそなのに、それを、1種類の人間しか認めないって事なんです。

 

 

その自警団のトップは、街の有力者で、女性差別主義者なんです。警察の署長が女性だったら、女だからダメなんだとか、平気で言うような男でした。エロジジイで、周りに女を侍らせて喜ぶようなタイプです。もう、それこそ時代遅れでしょ。でも、そんな奴がボスで、街を思い通りにしていて、警察も抑え込んでしまっているんです。

 

そんな状態の町に帰ってきた深瀬は、最初は、どうしてよいのか解らず、大人しくしています。ずっと、精神安定させるための薬を与えられていて、何がっても大人しくするように洗脳のような事をされたみたいで、我慢をしているんです。でもね、街にいた仲間や友人たち、それに守ってやっていた女性たちが、酷い仕打ちを受けている事を知り、段々と、我慢の限界に近づいて行くんです。

 

 

段々と怒っているなぁーっていうのが、表情に現れてきて、深瀬、きっとやっちゃうだろうなーって予想出来るのが、面白くて、ワクワクしちゃいました。だって、その自警団やボスたちが、あまりにも極悪なんですもん。まぁ、そいつらが制裁をしていた人たちだって、ルールを破ってはいたんですよ。ドラッグをしていたり、風俗的な店をやっていたり、確かに、街の秩序という点では、少し悪かったと思うけど、でもね、殺すことは無いだろうし、そういう奴らは、完璧に締め付けたりすると大爆発したりするので、少しづつでもガス抜きをしておく必要ってあるんです。その”イイ塩梅”ってヤツで、人間は生活をして行くのが最適だと思うのですが、それが出来ない人達がいるんですよねぇ。

 

人間って、完璧っていうのは無理だから。どこかで緩めるべきだし、逃げ道を作ってあげておかないと、壊れてしまいます。この深瀬だって、薬で怒りを抑えて、完璧に安定した人間を作ろうとする実験に参加させられていて、アメリカの病院では、毎日、データを取って、研究者が見ていたんですよ。でも、まぁ、途中で連れ戻されて、治療途中だったかもしれませんが、結構、怒りの抑制はされていたと思うんです。でもね、薬で抑制していたからこそ、怒った時に歯止めが効かなくなったのだと思います。だって、激怒した時、凄かったもん。恐かったもん。

 

 

それにしても、楽しかったなぁ。ここまでやってくれたら、誰も文句が言えません。楽しい、面白いしか出てきませんもん。そんな映画だからこそ、沢山の俳優さんがちょっとづつ出演されていたのかな。有名俳優さんが、沢山出ていましたよ。渋川さんなんて、飲んでいる場面だけよ。笑っちゃった。

 

なんか、こういう映画好きの方が集まって、好きに作ったような映画って、本当に素敵ですね。大好きです。だって、観ていて、みんな、映画が好きなんだなーっていうのがにじみ出ているんですもん。映画だからこそ出来る、映画ですよね。(笑)やっぱり、川瀬さん、イイなぁ。マジで好きです。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。単館系のゴリゴリの映画好きが集まって作ったような作品です。本当に面白いですが、映画マニアじゃない人が観ると、”なに?この映画?”って言われちゃうかもしれません。だって、ツッコミどころが満載ですもん。でもね、イイのよ。映画なんだから。そんな気持ちになれる映画です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「激怒」