「MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」
を観ました。10月14日に公開です。
Fan’s Voice独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
小さな広告代理店に勤める吉川朱海は、大手広告代理店への転職を目指しながらも、仕事に追われる多忙な日々を過ごしていた。ある月曜日の朝。彼女は後輩2人組から、自分たちが同じ1週間を何度も繰り返していることを知らされる。他の社員たちも次々とタイムループに気づいていくが、脱出の鍵を握る永久部長だけが、いつまで経っても気づいてくれない。どうにか部長に気づかせてタイムループから抜け出すべく悪戦苦闘する社員たちだったが・・・。
というお話です。
月曜日の朝。プレゼン資料の準備で忙しい中、吉川は後輩2人組から、「僕たち、同じ一週間を繰り返しています!」と報告を受ける。何言っているんだと取り合わなかった吉川だが、先に起こる事を全て予知され、話しを聞かざるを得ない状態に。
小さなオフィスで起きた、"社員全員タイムループ"。後輩の遠藤と村田から話を聞き、吉川は先輩である森山に説明をするが、なかなか信じて貰えない。しかし根気強く説得し、今度は森山から上司の平に説明をし、やっと社員のほとんどがタイムループを理解することとなる。
タイムループの中に閉じ込められているのを確信し、その原因を探ると、村田が言うには、部長の永久が腕にはめている”グリーン・ダイヤモンド”が呪いの腕輪で、それを本人に壊させればタイムループが終わるのではと話す。それなら、部長を説得してタイムループを理解させ、腕輪を壊させようと作戦を練る。
そんな中、タイムループを抜けたいと思いながらも、それぞれの思惑が交錯する。「もう仕事なんて放り出してしまいたい」、「新しいスキルを身につける、いい機会かも?」、「仕事をうまくいくまで繰り返して、最高の状態で転職してやる!」などなど。繰り返される地獄の一週間の中で、自分の望みを優先するか、みんなで抜ける事を優先するか、吉川は葛藤する。
しかし、タイムループ脱出の鍵を握る肝心の部長は、いつまで経っても気づいてくれず、社員たちは、何度も部長に対してのプレゼンを続けることに。そこへ、それまで目立たなかった事務の神田川が、”もう70回目ですけど”、と社員に告げる。え?いつから神田川さんは知っていたの?驚く社員たちに、神田川は・・・。
後は、映画を観てくださいね。
面白い映画でした。一見、良くある日常の社会の姿なのに、それが、タイムループしてる?という一言から、どんどん見え方が変わっていくというのが、とても笑えました。この雰囲気、どこかで見たなぁと思って、考えてみたら、あの「サマータイムマシンブルース」という映画を初めて観た時に感じた印象に似ています。「サマータイムマシンブルース」は、随分昔の映画だけど、今でも伝説ですよね。現代の「サマータイムマシンブルース」という感じに思えました。
小さな広告代理店の吉川は、大手の代理店でバリバリ働いている女性に憧れていて、目標に近づくために、休みも返上し、泊まり込みで働いてしまうくらい頑張っているんです。丁度、このタイムループしている1週間の間に、実力を見せることが出来れば、大手の広告代理店への移籍が出来るかもというチャンスを貰っているんです。
なので、頑張っているんだけど、それ、ループしてるって言われて、ハタと気が付くんです。そう、何度も繰り返すことが出来るから、幾つか試して、相手が気に入るモノを提出すればいいんじゃんって。完璧な作品を提出出来れば、その後に大手代理店に移動出来るわけだし、上手く利用すればいいんだと考え始めるんです。
一方、他の社員たちは、何の目的も無いので、早くタイムループから抜け出したいので、部長に早く気付かせて、あの呪いのバングルをを壊さなくちゃと思っているんです。そして、何度説明しても解かって貰えないので、広告代理店の強みということで、タイムループのプレゼンを行うんですけど、それが、最高なんですよ。タイミングがピッタリで(まぁ、社員は何度も同じことをしているので。)、部長の言葉に完璧に返答していくんです。それが、上手かったなぁ。
ほとんどが、会社の事務所での密室劇なので、これ、舞台化しても面白いんだろうなと思うような内容で、楽しかったです。みんな、パソコンを前にして、次はなにが起こるということを知っているという、不思議な展開で、もし、私なら、まず、窓にぶつかる鳩が解っているんだから、窓を開けておけば、ぶつかって死ぬことは無いんじゃないのかなと思うんだけど、やらないのよねぇ。私なら、こうなるから、ちょっと変えてみるとか、色々な事を試してみると思うんだけど、結構、みなさん、同じことをしていたかな。
あ、でも、ある時点から、原因はこれだろうというのが解ってきて、そこからは、全く仕事内容が変わっていきます。途中で、展開が全く変わっていく部分があるのですが、その雰囲気は、ちょっと「カメ止め」っぽい感じだったかしら。おっ、そうくるんだって感じで、色が変わっていくんです。これは、”カメ止め”のように、バズるんじゃないかなぁと感じました。この展開は面白かったです。
部長のマキタスポーツさんが良かったなぁ。この雰囲気は、マキタさんしか出せないよねぇ。ぼんやりしているようで、どこか優しそうで、どーもほおっておけないような人が部長だったら、仕方ないなぁって言いながら、仕事しちゃいそうですもん。主演の円井わんさんも、死んだような目をしながら、仕事に向かっている様子が、何とも言えず笑えました。大手の代理店なんかに行っても、大して変わらないと思うけど。そんなに肩書が好きなのかしら。そんなもん、飯のタネになりません。必死になるのは良いけど、自分自身のしあわせを考えた方が良いんじゃないの?って思いました。
他の社員も良かったなぁ。慌てている姿が、間抜けっぽくて、でも、嫌味が無くて、とても良いキャスティングだったと思います。だって、車内に嫌な人はいませんでしたもん。取引先の代理店の奴は、嫌味っぽくて、嫌いだなって思ったけど。
ちょっと気になったのが、タイムループしている事に気が付いて、起きる事をどんどん記憶していけるって事ですよね。記憶だけは蓄積されて、身体は年を取っていないということで良いのかな。精神だけが、タイムループしているという認識とすれば、 何十回、何百回繰り返しても、同じだと思うけど、記憶が蓄積されるとなると、精神的な加齢が顔とかに現れてくるのかなぁなんて考えたりして、そう思うと、やっぱり身体的にも変わるのかななんて思ったりしました。その辺りは、ちょっと難しいですよね。
何度も繰り返すことで、未来が変わっていったんだと思うけど、それは、それが正解だったから、先に進めたっていう解釈なのかなと思いました。その間違いを正すことで、未来が決まって、前に進み始めたって事ですよね。うーん、やっとスッキリしたって感じでしょうか。うん、良い未来でしたね。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。脚本含めての長編映画を初めて作ったとおっしゃっていましたが、面白かったです。これは成功だと思いました。時間も82分で、綺麗にまとまっていたし、本当に大きな一つの舞台を観せていただいたという感じの満足感がありました。楽しかったです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」